黒き陰謀

22世紀
とある研究室の一部屋で奇妙な光が発生し絶叫と共に消滅した。
「やはり・・・アルテマウェポンで・・・人間を進化させることは・・・不可能なのか・・・」
研究員の一人が息を引き取った。
右の胸を打ち抜かれている。
「人間如きが、『邪神道具』を進化材料の実験台にするとはな。愚かな。」
彼の名は、デルタレイ。漆黒の翼を持つ、黄色い猫型ロボットだ。しかし、彼の翼は右肩にしかない。
「我が漆黒の歴史は、何人の力でも塗り替える事は出来ない。このくだらない歴史を根本から覆し、人間を歴史上から抹消する。『漆黒の翼』、始動だ!」
21世紀
8月1日 練馬区某所
今、練馬は夏真っ盛り。夏には、夏独特の夏草の匂いがする。今日はその匂いも一層、独特な匂いを放っていた。
「あ〜、暑い、暑い。夏は嫌いだな〜。冬はもっと嫌いだけど。」
ドラえもんがボソッと呟いた。
野比家の二階は、ドラえもんが窓を全開にし、心地良い風と夏草の匂いで部屋中がいっぱいになっている。
「アイスキャンディーは、丹波の黒豆味が一番!」
棒状のアイスに黒豆が顔を出す、見るもおぞましい醜いアイスになっていた。
ドラえもんは夕日の沈む空の彼方を遠い目で見つめている。
「平和だな。」
しかし、その静寂を切り裂き、地獄の底から響いて来るような轟音が辺りに木霊する。
ゴ・・ゴ・ゴゴ・ゴ・・ゴゴ
「な、何だ、あれは!」
ドラえもんの瞳の先には、練馬区の数あるビルの隙間から白い『何か』がごまんと飛び出し、人を襲うような仕草をしている。しかし、人々は気付かずに、歩いてゆく。
白い『何か』は襲うような仕草をすると、なにか光っているものを両手に抱え轟音と共に消えてゆく。
ゴゴゴゴゴ・・・
空は、混沌に包まれる。ドラえもんは薄々感じ取っていた。背筋にくる寒気と先行きの知れぬ恐怖を・・・・・・・・・
 

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