そして運命の歯車は回り始める

何も起こらなかった。あの日から1週間が経ち、町もあの日と変わらない。
しかし唯一、変わったのはドラえもんが居なくなった事。
ドラえもんは、あの日から何処かにいってしまった。
のび太は泣いた。何の前兆も無く消えてしまったドラえもんの事を想い・・・・・・・・・
「の、のび太〜!助けてくれ〜。」
ジャイアンの声だった。低いその声はハッキリと聞こえる。
のび太は玄関を飛び出し、ジャイアンの元に急ぐ。
「ジャイアン、どうしたの?」
「のび太、学校に来てくれ!理由は後だ!後ろに乗れ。」
のび太は、ジャイアンの自転車の後ろに乗り、ジャイアンと共に学校に向かう。
空は快晴。しかし、ジャイアンの心情は曇り空のようだった。
ジャイアンは汗を流しながら自転車を飛ばしている。
ゴォ〜ン ゴォ〜ン
寺など無いのに何処からともなく、半鐘の音が聞こえてくる。
「こ、これは・・・」
「この半鐘の音には人を惑わす、『魔力』の様なものがある。」
のび太は息を呑む。
「聞くな!!」
のび太は急いで耳を塞いだ。
「ジャイアンは大丈夫なの?」
のび太が心配そうに尋ねるがジャイアンには、聞こえていないようだ。
「・・・やべ、目の前が真っ白に・・・」
ガシャーーン!
自転車が勢いよく倒れ、二人は倒れこむ。
「ぐわぁ!」
「痛・・・ジャ、ジャイアン。大丈夫かい?」
ジャイアンの上から自転車が被さるような状態になっていた。
「気にするな、学校に行け、早く行くんだ。心配しなくてもいい。」
「わかったよ!入ってくる!」
走って学校に向かうのび太。
それを後ろから見ているジャイアン。
すでに運命の歯車は複雑に回る。
一つ回れば、二つ回る。
回り始めた運命の歯車は、止められない。
 

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