イエローストライプ


 それは注意色。それは自分が危険だということを知らせる色。それは彼の狂った
色。「黄色のしましま」。幼きながらも彼はこの色になった。彼は凶暴な存在となった。
           「誰か彼を止めてくれ!」


            イエローストライプ
              1話 


 「強くなりたい」彼の願いはそれだけだ。なんでこんなになってしまうのか。
空き地に今1人の少年がいじめられてた。ひどく殴られている。まぶたが腫れ、
唇がきれて血がでている。そのまま少年は近所にある自宅に帰宅する。自分の
部屋にはおなじみの、たのもしいロボットが漫画を読んでいる。驚いたことに
そのロボットは22世紀からきたという。
  「ドラえも〜ん!うわぁ〜ん!」
 泣きじゃくりながら、ドラえもんにしがみつく。
   「どうしたんだい?のび太君?」
 のび太は傷を消毒しながら事情を話はじめた。どうやら貸した漫画のことで
もめごとがおきたらしい。 ドラえもんはあきれながら一言。
   「強くなんなよ。のび太君」
 ポケットから秘密道具をとりだした。  「精神増強剤」
  「それ飲むと強くなんの?」
 たんこぶのしたから輝いている目がみえた。
 「心を強くするんだよ。強気になるだけなんだけどね。普通の人が飲むと
凶暴になるから、君ならちょうどいいかな。」
 お気づきのとうり、これが元凶となるのだ・・・。
      
       空き地では・・・
殴りたりないとどなりちらす、通称「ジャイアン」がいた。さてさて、ショウタイムだ。
 「やあ、クソゴリラじゃないか」
なんと、あののび太がこんなセリフをはいている。噴火したジャイアンが土管から
おりてきた。
  「なんつった!のび太〜」
 返答を待たずに、のび太の胸ぐらをつかんだ。でものび太は冷静だった。
思ったとうり。のび太は空き地のコーナーになげとばされた。
 「謝れば2,3発でゆるしてやるよ。」
ジャイアンはズンズンと近づいてくる。ジャイアンは気づかなかった。
のび太は手に落ちてたコンクリの破片をつかんでいた。だいたい人の顔ぐらい
の面積のコンクリだ。
  「謝れだ?」
振り向きざまにコンクリを顔めがけ横からぶん殴った。ものすごい音がして血のついた
コンクリが炸裂した。 ジャイアンは・・そのままぶっ倒れて、動かなくなった。
 いや、ピクピク動いていてはいる。
 「ご臨終ですか〜、ピクついてんじゃねえよ!」
そのあと、腹を蹴りはじめた。  ホラーショーの開幕である。



 ちょっと過激かもしれませんが第1話なんでよろしくおねがいします。


頭を強打され、病院に送られた少年は怒りをおぼえた。自宅の部屋にいるロボット
は罪悪感をおぼえた。そして、あの少年は・・・快感をおぼえた・・・・。

      2話  カップケーキ

  「ジャイアン!大丈夫!?」 
 ドラえもんはジャイアンをとても心配していた。並の心配ではない。自分の責任でも
あるからだ。
 「ああ、大丈夫だ。とは言っても全治2週間だがな」
 頭にぐるぐる巻きの包帯をつけ、病室のベットの上で平気そうに言った。
 「だがな、のび太のことは許せそうもない。」
 暗い顔をしてジャイアンが述べた。 そのあと数秒間の沈黙が二人を包んだこと
は言うまでもない・・。

 とりあえず病院をあとにしたドラえもんは早速のび太を探すことにした。それが今、
彼にとって一番の罪滅ぼしだからだ。ジャイアンに真相を告げられなかった。
自分のせいでのび太がおかしくなった。 言えなかった・・・・・。
 ジャイアンの心境も複雑だった。いつも殴っていたのび太に負けてしまった。
彼のプライドはズタズタだろう。のび太の変貌も気がかりだった・・・・。

 「静香ちゃん。のび太くん見なかった?」
期待を持ったひとみで問いかけた。まあ、案の定駄目だったが・・。
 スネ夫の家に小走りでむかうのだった。

 「くそ、のび太の奴め」
二人めの追跡者が動きはじめた。病院から散歩と言い、のび太を探しはじめた。
理由は単純、復讐だ。 喧嘩で勝とうという幼稚な考えだが。


  「おいしいね。」
  「ありがとう。今回は成功したみたい」
  「このカップケーキ・・本当においしいよ。」
  「もう。・・・そういえばドラちゃんが探してたわよ」
   「あそう。あとで会いに行くよ。」
     ピンポーン
  「あ、できすぎさんだわ。」
  カップケーキを食べ終わった彼は目つきが急に変わった。
   「できすぎくんか〜〜。ちょうどいいや〜。」
   不安そうに静香がいった。
   「どうしたの?のび太さん。」



         3話 咆哮 に続く


 その獣は甲高き咆哮を天空に放ち、目の前の非力な獲物を食らう。その瞬間はあっと言う間
だ。 衝動にかられて、食べるのではない。食欲は衝動ではない、本能だ。境目は本当に難しい。
確かなのは一つ。彼は本能で動いた。罪の意識はない。本能だからだ。
     3話  「咆哮」

 彼、ドラえもんはロボットなのに罪悪感と責任を感じていた。自分は機械だ。機械に心をインプット
した人間が憎かった。 身勝手な自分はもっと憎いかった。助けるはずの少年を、心優しい少年を、
自分は、怪物にしてしまった。 「怪物製造機だ。僕は・・・」
速く、速く、自分は走りたい。彼を一刻も早く止めたい。怪物製造機はそれ意外考えられなかった。

 あっと言う間だ。咆哮は鳴りやみ、獣は走り出す。 警察に誰が通報できる?2人とも良いところに送った。
母親は自分の娘の死を見て、初めてそのような行動に走り出す。死臭のハーブの香りが鼻につくだろう。
 でもなんだろうか、ハイなまんまで走り出す。そんな自分は・・・・
   
   「最高だ。止まれないぜ・・・」
 
そう最高だ。ところで自分の名前はなんだっただろう。なあ、教えてくれよ。
   (うるさい!化け物め!殺してやる!)
   「ふん、そんな名だっけな〜」
    (・・・・・・・・)
   「とりあえず、骨川宅についたぞ」
   ピンポーン・・・・・
 なにも知らずに金持ちのボンボンはでてくるはずだ。出た奴はとりあえず・・・
 「あ!のび太さん!ちょっと待って・・・」
 腹に包丁の刃が進入していくのを肉体はふせげずに中身をズタズタにした。
人間のからだを動かす、潤滑油が口から吹き出す。まず、状況判断出来ないこの女は玄関で倒れ込む。
この行動に言葉は必要ない。 必死に体を動かしても立ち上がれないだろう。怪物は彼女にのしかかり
首に刃を入らせた。  
 普通人間は自分と同種類の生物の潤滑油をみると、ひるんでしまう。彼も決して例外ではないが、
怪物はそんな潤滑油は見えない。 死すら認識出来ない。 しかし、怪物は気づかなかった。
もう、怪物製造機はすぐそばまで来ていたことに・・・・

  「のび太君。ごめんよ・・・。」

 骨川宅のほんの5メートルまえで、原始的な・・・、いや、我々に取っては一般的な武器、
 「拳銃」を握り歩いて行った。

               4話 「罪」
                     に続く。  


彼は何を隠している。 なんで彼はやすやすと薬をあたえたのか・・。なんで
あの薬を持っていたのか。 彼は間抜けか。そうならいいんだ。 だが、もう後
戻りできない。    そう、罪を償え。 さあ、罪をつぐなえ。

      第4話   「罪」

  22世紀。 ドラえもん・・・、いや、本当はもっと無愛想な、味
もそっけもない名前だろう。 所詮機械だ。 すくなくても彼は自分をそう呼ぶ
ように設定されている。   
  この時代、「手に入らないものはない。 手に入らないものはものではない」
なんて、その時代の犯罪ジャーナリストはそういった。名言だ。 真っ青なビルの
裏側で彼はそう心(心と言っても、所詮プログラム)の中で述べた。
空は縦横無尽に空飛ぶ車がとびかっていた。 どれも曲線のデザインだ。
 当時彼は売れ残りの一人だった。 ロボットの宣伝をする番組で、いろいろ
の世帯でホログラムテレビで放映されていた。 面白いシステム(彼はむかつく
システムだと罵った)でその場で購入できた。彼は3回ともどじった。エネルギーも
収入のない今はあとちょっとだった。 飢えるプログラムが存在していたのだ。
  「こんなシステム作りやがって。クソエンジニア共が。」
 口汚いロボットだ。   裏路地に入っていく。ひどい有様だ。安全神話なんて
あったもんじゃねえ。  ブルーの道路から一変し、その道は灰色で汚い布切れや
紙やらが散乱していた。 昔のスラムだ。 ここは日本じゃないな。 
  男がレストランの裏口から、飛び出してきた。 これは馬鹿でもわかる。
死にかけの重傷だ。 かれは黒いスーツの出で立ちだった。ネクタイはなく
最初のボタンがとれており、チンピラ風の男だ。 風ではなく、きっとそうだろう。
血がYシャツや、 スーツにしみついていた。 誰にやられたのか。 傷口は
刃物でも弾丸とも読み取れる。 その男はフラフラしながら立ち上がり、こちら
へ近づいてきた。 
  「薬・・・、青いあんちゃん。 欲しいだろ・・・。高く売れるぜ。」
そういうと男は口から、血を吹き出したおれた。 
薬・・・。 ドラえもんはその男のポケットに、袋が五袋ほど入っていた。
スーツの上に二袋、下に三袋入っていた。 だいたい500グラムのくらいの黄色の
粉がそれぞれ入っていた。 一袋は錠剤だった。 少年がのんだ薬だ。
 なんであんなことしたんだろう。 服用者には副作用がでたことはなかった。
中毒性もない。 なんて良心的なドラッグなんだろう。 当時彼はそれで食をつないだ。
      
  「ごめんよ。 本当にごめんよ。 こんなことして・・・」
ドラえもんは拳銃を向けた。 スネオは切り傷を手におっていた。なにかいっていたが
震えてなんといっているかわからなかった。 
 「なにあやまってんだい。 無料でホラーショーを見物するから?」
この少年は怪物だ。 間違いない。 玄関先で死んでいた女・・・。
無差別殺人鬼になっている。  愛する少女もこいつは・・・。
ドラえもんは拳銃を彼に向けようとしたが、少年の突進に倒れる。
刺されてはいない。 大丈夫だ。 覆い被さった少年をはらいのけ、
拳銃を向け最後の忠告を述べる。 少年はみるのも難しい、形相をしていた。
 「のび太くん。一緒に現実を変えよう。 タイムパラドックスの直すんだ」
  (ナイスアイデアだ)
「ちっ・・・・。黙ってろ。 そういう手もあったな・・・」
  少年はまたしても突進してきた。 今度は刺す気満々だ。
・・・・・・・引き金を引いた。

              最終話「快晴の金曜日」
                 「土砂降りの金曜日」 へ

   
             次回はダブルエンディングです。単純に良いか悪いかですが・・・。よろしくお願いします。


 大丈夫さ。平和は維持された。 僕の隣にはのび太君がいる。

          快晴の金曜日

 タイムパラドックス。皆さんおわかりの現象。 といってもきっとそれは本人しかわからない。
それとタイムパトロールの連中以外は。 くそったれタイムパトロールの連中め来てみろ。この平和
を乱すなら、お前らが犯罪者だ。 
  「のび太君。」
ドラえもんは話かけた。 ほほえみながら。
  「なんだい、ドラえもん」
のび太も微笑みながら返事をした。
 「・・・何でもない。元気かなと思って。」
のび太はちょっと不審な顔をしたが、すぐに明るくなった。
 「見てのとうりさ。 ところで、あの薬はなに?」
なんでもないさ。なんでも・・・。 もうトイレの配水管に流れてったあの薬は。
   「気にしないで・・・」
また不審な顔をのび太はしたが、今度は話題を変えてきた。もちろん元気な顔で。
  「そういえばママからお金もらったんだ。どら焼き買ってくるね。」
僕の大好物だ。どら焼きは。 本当に好きだった。 もう食べれなくなるな。
 「今2時。 一時間くれるかな。 寄り道とかしちゃうから・・・」
 「うん。 ちょうど3時だね。」
そういうとのび太はうなずき、階段を降りようとした。
 「のび太君!」
 「な、なんだよ・・・」
ちょっと慌てた顔をのび太はしたが、ドラえもんは満足だった。
最後に君の顔をしっかりみれた。
 「何でもない」
のび太は玄関から外にでてった。
拳銃を抜き、部屋のすみに壁を背にし座った。もう来ている。
窓に拳銃をむけた。  
 「僕に近づくんじゃない・・・」
のび太を殺す為の持っていた銃。 今は、彼らに黄色と黒の縞模様の警告色を放っていた。
 

 2時40分ちょうど。 ロボット、D−1785はタイムパトロール員によって破壊さ
れた事を確認した。 完全に起動機能が停止した。

 とても美しい金曜日だった。

     
    「イエローストライプ」完


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