あの日あの時あの想い
〜脅威なる鉄人兵団〜

予告編                    

 

 

 

 

 ※     警告

本作品は恋愛小説ではなく、下手なバトル小説です。

もちろん、ダルマとも関係ありません。

ご了承ください。

 

 

遥か彼方・・・宇宙の闇より迫りし、機械兵団。

「鉄人兵団が地球を侵略しに来るだって!?」

 

新たなる敵、鋼の少女たち。

「私達の地球移住計画を邪魔する存在であるあなた方は、ここで水蒸気にします

 

暴走する、天才。

「僕の手で塵にされることを、誇りに思いたまえ」

 

開放せよ、その力。

「俺は、ジャイアン様だぁぁぁぁぁ!!!」

 

練馬から放たれた、恐怖。

「な、な、なんだこりゃぁぁぁぁぁっ!!!」

 

鉄人兵団と練馬の天才バカによって今、この星に大いなる危機が訪れる。

「まさに地球最大の危機ね・・・ばりばり」

「煎餅かじりながら言う事じゃないよ」

 

 

乗り越えよ、この脅威。

 

あの日あの時あの想い

〜脅威なる鉄人兵団〜

 

 

 

始動。

 


プロローグ

地球から遠く離れたロボットのみが住む惑星、メカトピア。
そこには二つの派閥があった。
元スパイロボットが提唱者の、他星への侵略に反対する『リルル派』と
逆に推進する『過激派』である。


二大派閥の対立の激化による大戦争の結果、『過激派』は敗北。
彼らは『リルル派』の追跡の手を逃れ
第二の故郷を求めて宇宙をさまよう流浪の民となった。
いつしか『過激派』は幾度の侵略と戦争、惑星の破壊を繰り返したことにより
鉄人兵団と呼ばれるようになる。

そして彼らは放浪の末
遂に第二の故郷として最適な惑星を発見、侵略・移住を決定した。

ところが、順調に行われるかと思われた侵略計画にミスが生じた。

まだ鉄人兵団がメカトピアで抗争をしていたころ。
リルルと入れ替わり『リルル派』の混乱を招き、その隙に『過激派』に攻撃させることを目的として、
リルルそっくりのロボット『リリル』が製作されていた。

だが彼女はプログラムの異常か、本来の任務を放棄してある犯罪行為を連続して行っていた。
そしてつい最近になってようやく、
鉄人兵団は二十年にも渡る戦艦内でのいたちごっこの末にリリルを追い詰める。

しかし、彼女は追撃隊を爆破して逃走。

侵略作戦決行の前日に地球側に鉄人兵団の情報をばらまいた後、地球に降下した・・・
 


第一話

 

 

地球攻撃開始予定日:日本時間にして午前2時頃。

鉄人兵団本部

そこでは一体のロボットが切れていた。

そのロボットの顔は、いかにも「私は悪役です」といった顔のため

迫力は満点だった。

 

「リリルを取り逃がしただと!?何やってんだ貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ロボットの振り回した右腕が、直撃した壁を吹き飛ばす。

切れすぎである。

そのすさまじい迫力に、怒鳴られた側のロボット達はおどおどしながらも必死に言った。

 

「申し訳ございません!しかし奴の逃げ足は余りにも速く・・・」

 

「それは奴が『生命の実』をダウンロードしたからだ!んなことぐらい、二十年前に私の夕飯を食い逃げされたときから知っておるわぁ!!だからこそ貴様らを派遣したんだぞ!なのに何故!あの世紀の犯罪者を逃したのだあああああああ!!!!」

 

「で、ですが」

 

「ええい、もういい下がれ!」

 

すごすごと下がっていく機動隊隊長と工作部隊隊長。

ロボットは唸りながら参謀のほうに向いた。

 

「まずいことになったな・・・・・・」

 

「ええ。ですが仕方がありません。船の燃料も持ちそうにありませんし、我々は地球侵攻の準備を進めましょう。奴はおそらく地球人と協力して旗艦に乗り込んでくるでしょうから、そこを始末するのが得策かと」

 

ロボットは首肯し、脇に控えている一体のロボット兵を見た。

 

「ああ、そうだな。・・・アミン、やってくれ」

 

それは敬礼して、答えた。

 

「お任せください、陛下。必ずや、奴をしとめてご覧に入れます」

 

しかしこのとき悲劇はすでに始まっていた。

鉄人兵団はリリルが自分たちの情報を地球側に流していたことを知らなかったのだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドラえもぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!」

 

ここは東京都練馬区、野比家。

いつものようにのび太が泣きながらドラえもんにすがりつく。

ドラえもんはのび太の漫画を勝手に読みながら、振り返ることすらせずに答えた。

 

「なんだよのび太君またあのプロトブタゴリラ守銭奴家の狐にいじめられたのかい?いい加減僕の道具無しで殺ってみな」

 

字が危険だ。

 

「無理だよ!スネ夫はサブマシンガンで追い払えるけど、ジャイアンなんか84mm無反動砲を食らっても無傷なんだよ!?

 

もはやジャイアンは怪人並に異常だが、ジャイアンに向けて無反動砲をぶっ放したのび太も十分異常といえよう。

のび太がどこで無反動砲を手に入れたのかは謎だが。

 

ドラえもんはのび太の泣き言を聞くと、舌打ちをしつつポケットに手を突っ込んだ。

 

「ったくしょーがないなー。じゃあこれを・・・ん?」

 

「どうしたのドラえ・・・」

 

のび太はドラえもんの団子の指す方向に目を向けた。

なんと部屋の天井から足が出てきているではないか。

 

「・・・・おワあああああアああああ!!!ついに我が家でも怪奇現象が!?」

 

腰を抜かしているのび太の前に『それ』は足、胴、頭の順に天井から出てきて部屋に降り立った。

つまり、足の先からワープしてきたのである。

そしてその人物は・・・


第二話

「なっ・・・まさか・・・」

 

「リ・・・リルル!?」

 

そう、そこにいたのは、歴史から抹消されたはずのリルル・・・かと思われたが。

 

「・・・私はリルルじゃないわよ」

 

「ええ!?別人!?」

 

どう見ても服装以外(彼女は軍服のようなものを着ていた)は完全にリルルなのだが、別人・・・・らしい。

なので、とりあえず事情を聞くことにした。

 

「僕ドラえもん。これはのび太。で、早速聞きたいんだけど、君の名前は?あと、なんで僕らの所に来たの?」

 

『これ』よばわりされたのび太のマシンガンキックをかわしつつ、嘘を吐かないように本音しか話せなくなるジャストホンネ(香水ver.)を初対面の女性に吹きかけるドラえもん。

なんてタヌキだ。

 

「私はリリル・・・地球を侵略しにくる、鉄人兵団っていうロボット軍団から逃げて来たの。ここに来たのは、地球調査の際にあなた達が『他の星に干渉しまくっている五人組』の主犯格だってわかってたから」

 

「(リリル?ぱちもん?・・・いや、誤字か?)」

 

ドラえもんは禁断の単語を口に出す寸前で抑えた。危ない所だった。だがそんなことより問題は。

 

「鉄人兵団が地球を侵略しに来るだって!?」

 

「そうよ。だから地球人であるあなた達に、兵団を潰す協力をして貰いたいの。てゆうかしろ

 

二人には選択権など無いらしい。まあ断るはずもないが。
だがこの後、驚愕の事実が明かされる。

 

「そうそう、奴らは今日の四時に攻撃を開始するから、急いで準備してね」

 

「へ?四時って・・・」

 

机上の時計を見る。現在時刻・・・三時五十七分。
のび太はその意味を理解した瞬間、側転しながら空を舞った。

 

「あぴゃあああああああ!!!何でもっと早く来なかったんだよリリル!」

 

「だって各国政府に兵団の情報を流したり、兵団の追っ手をふりきるのに時間かかったんだもん」

 

ちなみに情報を送ったのは月からだったため、悪戯ではないと判断された。

ただし、今日送ったばかりなので一般市民には知らされていない。知らされてもパニックになるだけかも知れないが。

 

「う・・・なら仕方ないか。でも、どうしようドラえもん!!」

 

ドラえもんは少し考えたが、すぐに危険な目付きをして判断を下した。

 

「こうなったら・・・殺るだけ殺ってやろうじゃないか。のび太君、君も手伝え!」

 

急いで数々の兵器・・・もとい秘密道具を取り出し、フエルミラーで増やすドラえもん。

前回のように弾切れで負けてたまるかという魂胆らしい。

そして、ようやく武器の大量生産が終わった瞬間。


 

 

 

壮絶な爆音。


 

 

 

そして光線の雨。


 

鉄人兵団による地球移住作戦が、開始された。

 

 


 

第三話

 

ドラえもん達が外に出ると、既に鉄人兵団の攻撃が始まっていた。

剛田雑貨店の方角で爆発が起こっていたり神成さんが雷を召喚して鉄人を叩き落としているのが見えたが、きっと幻覚だろう。

 

「で、これからどうするんだよドラえもん!」

 

のび太は降り注ぐ光線を避けつつ、84o無反動砲を乱射して鉄人兵士を次々と吹き飛ばしている。それを見て、のび太君も成長したなあとドラえもんは感動した。

 

「鉄人兵団のトップを潰すんだ。他は自衛隊にでもまかせときゃいい。リリル、奴らの本部がどこにあるか分かるかい?」

 

「わかるわよ」

 

リリルは手帳のようなものを取り出し、開いた。どうやら小型の端末のようだ。

 

「発信機によると、本部の戦艦『メカトピア2』は今・・・丁度真上ね」

 

「は?」

 

上を見上げる。・・・超巨大宇宙戦艦が、そこにいた。

 

「い、いつの間に・・・」

 

「ワープ機能があるからね。兵士達を運んできたってところじゃないの?」

 

「ま、手間が省けたな。行くぞ!どこでもドア〜」

 

ドラえもんは「上空ニ百メートル〜」とほざいてドアを開けた。

ドアをくぐり、周りを見渡す。黒く無機質な壁が印象的だ。

戦艦内だから無機質なのは当前か。

 

「ふーん。ここが鉄人兵団本部か・・・って」

 

偶然、目の前にいる鉄人兵団兵士と目があった。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・えへ、すみません。トイレどこですか

 

完全に錯乱したため気の狂ったようなことをのたまうドラえもん。

そのことで相手側である鉄人兵士は、現在の状況に気が付いてしまった。

 

「・・・・・・・侵入者だああああああ!!!!」

 

兵士が通路の脇にあった赤いボタンを押すと、とてもうるさい警報が鳴り響き始めた。

 

「おわあああああ!!何てことしやがる!ドカン!!」

 

「グボア!」

 

とりあえずそいつは空気砲で打ち倒したが、騒ぎを聞きつけた兵士達が次々とわいてでてきた。

のび太はショックガンと無反動砲で、

リリルはビルをぶっ飛ばせる熱線を指から放って応戦する。

ドラえもんは最初は冷静に空気砲を使っていたが、余りにも多い敵についに切れた。

 

「ドカンドカンドカ・・・ああくそもうやっていられるか!食らえ熱線銃

 

『ぎぃああああああああっ!!!』

 

断末魔と共に煙になる兵士達。

 

「ふ・・・所詮は粗悪品か。いくよ、二人とも」

 

「・・・あんな危険なブツをいつも持ち歩いているの?」

 

「まあ、ネズミ退治には必需品だね」

 

そんなわけ無いのだがリリルは素直に受け入れていた。
暫く歩くと、巨大なドームのような部屋についた。

 

「こんな部屋、前にはなかったけど。何の部屋かな。詰め所?」

 

「さあ・・・ん?」

 

部屋の奥から誰かが近付いてきたのに気付き、とっさに空気砲を構えるドラえもん。

 

「・・・!?」

 

だが、『それ』を見て、一瞬目を疑った。

出てきたのは、どこから見ても人間の少女だったのである。

『それ』はリリルを見ると、それだけ見れば綺麗な、しかし怒りと憎しみを宿らせた笑みを浮かべた。

 

「うまく引っ掛かったわね、リリル」

 

「なんだとコラ」

 

「・・・・・・。ど、どうせ皇帝陛下を狙いに来たんでしょうけど、陛下は今メカトピア2じゃなくて、他の戦艦にいらっしゃるの。ま、ちょうどいいからここで消えてもらうね」

 

あては、はずれた。

 


第四話

無骨なロボット兵士しかいないはずの基地に、人間の少女のようなものがいたことに驚きを隠せないのび太とドラえもん。

「リ、リリル。この人誰?」

「人じゃなくて、アミンって名前の鉄人兵士。ある星に住む人間の特殊な技術を習得・盗用するために、外見が人間に似せてあるの」


「特殊な技術?」

「わかりやすくいうと、霊を操る能力ね」

「霊?・・・うぎゃああああああああああっ!!?」

暗かったので今まで気が付かなかったが、アミンの周りには人や獣その他の魂らしきものが浮いている。ただでさえお化けが苦手なのび太は、それを見ると泣き叫んで気絶した。

「おいのび太君起きろ!!君は毎日昼寝をしているのにまだ寝足りないのか!?」

が、すぐにドラえもんの石頭により、文字通り叩き起こされることとなった。

「ぐぶう!わかったよドラえもん。でも怖いなあ」

「大丈夫だ!所詮本体は雑魚ロボッドワああああああ!!」

ドラえもんがごく自然に相手を挑発する言葉を発した瞬間、霊達が一斉に殴りかかってきた。リンチにされるドラえもん。

「ドラえもぉぉぉぉぉぉぉぉん!!」

「・・・馬鹿なタヌキ」

「タヌキって言うなボケェェェェェェ!!!!」

空気砲を乱射するドラえもんだが、霊達が壁を作ったため攻撃が届かない。

「なにぃ!?」

「ふふ・・・その程度の攻撃じゃ、私には傷すらつけられないわよ」

アミンは余裕の笑みを浮かべると、リリルの方を向いた。

「さてと。リリル、あなたが潰した無数の料理店の恨み、受けてもらうわよ」

「!?ちょっと待て!料理店を潰しただぁ!?リリル、どういうこと?」

「私、食い逃げにはまってて。今までで食い逃げ件数102793回を達成したの」

尋常ではない。ちなみにリリルは食い逃げをする際に、変身機能とステルス機能を乱用していた。

「うわ・・・それは酷い」

「まったく・・・なんであんたは本来の任務を忘れて、食い逃げなんかしてるの?
そのせいで空前の食い逃げブームが起こって・・・私のお気に入りの店が全部潰れたのよ!少しは反省しなさい!!」

そりゃ一体で十万回も食い逃げをすれば他の奴らも便乗するに決まっている。
だがリリルは全く悪びれもせずに言い放った。

「前払い制の店をお気に入りにしなかった、あなたが悪いのよ!」

しかも逆ギレ。

「なっ・・・そう。そうゆうこと言うんだ・・・なら、リリル!あなたとその仲間っぽいそこの二人を、粗大ごみにしてやる!!」

その声を合図に一斉にリリル達に襲いかかる霊達。

「ほっと」

バキバキバキッ!

「ゴハッ!グベッ!ゲフッ!バボォ!!」

「ヒギャアアアア!!め、眼鏡にヒビがぁぁぁぁぁ!!!」


リリルは華麗に避けまくっているが、その流れ弾はドラえもん&のび太(とその眼鏡)に当たりまくっている。本来二人を攻撃している霊によるダメージも結構な物なのに、更に上塗りされていく。
もちろん、ここまでされてあの青タヌキが黙っているわけがない。

「畜生!ならこれでぇぇぇぇぇ!」

ドラえもんは熱線銃で反撃するが、壁となった霊達が少し吹き飛ばされるだけだ。

「熱線銃が効かない!?だいたい霊魂なのにどうやって攻撃を防いでるんだ!?」

「さあ。とりあえず死になさい、タヌキ」

「タヌキじゃねえ!このポンコツがぼぉぉぉぉぉ!」

リンチ再び。こいつの学習能力の無さが露見した。
ドラえもんは片膝をつきつつ、リリルに小声で話しかける。

「ぐっ・・・リリル、こいつに弱点とか無いのか?」

「んー・・・後10分時間をくれれば分かるかも」

「かも!?・・・でも、それに賭けてみるしかないか。頼んだよ、リリル!」

「えー」

リリルのやる気のない返事に激しい不安と怒りがつのったが、他に解決策があるわけでもない。やるしかないのだ。

「よし、行くよのび太君!なんとしても時間を・・・」

振り向けばそこには、何も無い空間。

「っていねェェェェェ!あの野郎、逃げやがったなぁぁぁぁ!!」

「賢い選択ね。あなたもそうすれば?タヌキさん」

「タヌキじゃねえって何回言えば分かるんだこの不良品ぎょべぇぇぇぇぇ!」

もはや霊達のターゲットは完全にドラえもんとなっている。
そのダメージは既に『ブリキの迷宮』で受けた拷問を越えていた。

「(うう・・・のび太君・・・せめて君を袋叩きにしてから死にたかった・・・)」

薄れ行く意識の中で、ドラえもんは何故か幻覚が見えた。

「これで終りよ、タヌキ!」

アミンの後ろでジャンボガンを構える、メガネ少年の。

バゴァァァァァァァァァァァ!!

「ぶにゃぁぁぁぁぁ!!?」

「ヤッフゥゥゥゥッ!!やったぜドラえもん!」

ジャンボガンをくらって壁にめり込むアミン。声のした方を見ると、ジャンボガンと『石ころ帽子』をもったのび太がいた。
あたかも、ポセイドンがバギーの特攻で爆破されたのを確認したドラえもんのような表情で喜んでいる。

「の・・・のび太君!逃げたんじゃなかったんだねぇぇぇ!!」

「ふっ・・・見損なっちゃ困るぜドラえもん。このスーパーガンマンのび太様が、そんなことするわけないじゃないか」

本当は、あらかじめスペアポケットから(覗き見用に)盗んでおいた石ころ帽子を使い一旦逃げ出していたりする。しかし、外にいた鉄人軍団のレーダーに引っ掛かって気付かれ、撃たれまくって逃げ帰ったのび太は、決意をこめてアミンにジャンボガンの銃口を突きつけたのである。


だが喜びもつかの間。

「うくっ・・・よくもやってくれたわね、このメガネェ!!」

「!?」

なんとアミンが壁の欠片を振り払いながら這い出てきたのだ。

「ち、ちょっとリリル!なんかこいつメチャクチャ強いよ!?確かにジャンボガンの直撃を食らわせたのに!」

「まあ、アミンは兵団の中でも最高レベルの装甲を装備してるんだから当然でしょ」

「あの華奢なボディで!?」

だが目の前の彼女は零距離ジャンボガンに耐えたのだ。リリルの言葉を信じざるを得ない。

「でもね、アミン。こっちも対策プログラムを完成させたから、反撃させてもらうわよ」

「対策プログラム?それって一体・・・」

するとリリルはどこからか巨大な何かを取り出した。

「そ、それは!?」

出てきたものを見て、その場にいるリリル以外の三人は・・・驚愕の余り立ちすくんだ。
 


第五話

 

メカトピア2の内部でドラえもんと鉄人兵団兵士との目が合った頃。
練馬区地上。

一体の少女型ロボットと数体の鉄人兵団兵士一般兵が、今は瓦礫と化した家の上を飛んでいた。

「もう大丈夫よね・・・?」

「ここまでやったのですから、さすがに息絶えているでしょう。それより、早急に他の部隊と合流すべきです」

「そうね・・・」

少女型ロボットの名はリシン。とある星の技術『超能力』を持っている。
リシンは『危険地球人』と指定された剛田武の抹殺任務を請け負っていたため、
つい先ほど剛田雑貨店を対艦ミサイルで瓦礫の山にし、レーザーでジャイアンを蜂の巣にしたのである。
そして任務の完了を確認したリシン達がその場を離れようとした、瞬間。

「うぎあああああっ!!」

「!?」

リシンの隣にいた鉄人兵士の胴を、音速の20倍以上のスピードで瓦礫がぶち抜いた。
瓦礫は更に飛んでくる。

「各機散開!これは、まさか・・・!」

リシンが下を見降ろすと、そこには怒り狂った人間・・・というかゴリラがいた。

「ドガアアアアアアアアア!!」

「ご、剛田武!なんで!?脳波の停止も確認したのに・・・!」

もはや生物の範疇をも越えたそのゴリラは、木製のバットで瓦礫を打ちまくっているではないか。無論、振り回しているバットの速さは飛んできた瓦礫より、速い。

「くっ・・・」

リシンもどうにかして超能力アームで瓦礫を止めるが、
速さが尋常でない上に数が多過ぎる。

「隊長!」

「あなた達は通信で援軍を呼んだら、早く撤退して!こいつの近くにいても・・・っ!」

特大の瓦礫、剛田雑貨店の看板が飛んできた。いくつかの瓦礫を弾き返して対抗する。

「りょ、了解!」

既にニ、三機が撃墜されていたため、リシンの周りにいた兵士達は慌てて帰還し始めた。

「それじゃ、そろそろ本気を出さないと・・・」

リシンは眼下の怒れるゴリラを見下ろし、手をかざす。すると、見えない力・・・先ほどの超能力アームがジャイアンを締め付け始めた。

「ガアアアアアア!!」

だが、ジャイアンはそれを物ともせずに地面を異常なまでのパワーで蹴りつけ、空中に突進してバットを振り回す。

「うあっ・・・」

バットから放たれる衝撃波を避けきれず、吹き飛ばされるリシン。
しかもジャイアンは足からも衝撃波を放ち、方向転換してきた。もはやこいつに物理法則など通用しない。
リシンは向かってくるジャイアンを超能力パンチを放って殴り飛ばし、地面にその体がめり込むほど押さえ付け始めた。

「グェェェェェェ!?」

「大人しく肉塊になりなさい、剛田武・・・!」

ようやくリシンが勝利を確信したが、予想外の邪魔が入った。

シュバアアアアアア!!!

リシンの背後から大量のミサイルが襲いかかったのだ。

「きゃ・・・な、なに・・・!?」

ぎりぎりで避けたリシンが周囲を見回すと、ラジコンらしき戦闘機集団が見えた。
そしてそれを操縦していると思われる変な髪型をした少年も。

「ジャイアン!」

「スネ夫か!来てくれたのか!」

「あれだけ瓦礫飛ばしてれば、気にならない方がおかしいでしょ」

初めてまともな言葉を話すジャイアン。ちなみにスネ夫のラジコン部隊は全て実物大の上、スネ吉特製のミサイルを装備している。

「っ・・・増援!?でも・・・!」

リシンは超能力アームでラジコンを片っ端から薙ぎ払い始めた。次々と墜落していくラジコン戦闘機。

「おわああああ!やりやがったな!これでもくらえ!」

スネ夫の操作により、残りのラジコン部隊が一斉射撃を開始した。

「くっ・・・この程度なら・・・!!」

超能力アームだけでは押さえきれないのか、リシンは必死に回避している。そしてそこに生まれた一瞬の隙を、下の二人は見逃さなかった。

「今だジャイアン!」

「ドガアアアアアア!」

ジャイアンは冷蔵庫をバットで全力で打った。音速を遥かに越えた冷蔵庫が大気摩擦で燃え上がりながらリシンに直撃する。

「ぎぁっ・・・!」

リシンは空高く打ち上げられた後、ラジコン部隊の最後のミサイル一斉掃射により地上に叩きつけられた。

「くくく、僕達を敵に回したからだ!」

「さぁて・・・・完全なスクラップにするか」

悪役のセリフを吐きながら近寄る二人。
そしてジャイアンがバットを振り上げた途端、

「ぐおあっ!?」

「べはぁああ!!」

ジャイアンは顔面、スネ夫は腹を見えない力で殴り飛ばされた。

「くっ・・・・貴様ぁ、まだ戦えたのか!?」

「まあね・・・それに・・・援軍が来るまで・・・持たせれば・・・私の勝ち、だよ・・・」

当然だが、リシンも無事ではない。両腕は吹き飛び、冷蔵庫の直撃した胴体はへこんでいる。

「え、援軍!?やばいよジャイアン!」

「なに言ってやがる。援軍が来る前にこいつをぶちのめせばいいだけだろ」

「っ・・・そう簡単には・・・やらせない・・・」

だが彼女は知らない。
増援に来るはずの兵士は、神成さんの雷によって、ドラえもんの熱線銃によって、そしてこの小説にまだ一度も出ていない静香のバイオリンによって、既に消されていることを。
・・・希望に満ちた、絶望の第二ラウンドが開始された。

 

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