FIGHTERS


FIGHTERS 登場人物紹介&世界観説明

登場人物紹介

・ドラえもん
主人公・・・のハズ(オイオイ
曲がったことが嫌いな熱血系。決闘も場の制圧を重視する
主力カード「青眼の白龍」etc

・のび太
もう一人の主役。・・・おそらく(またかよ
ドラえもんとは違い相手の先を読むプレイをする。
温和で冷静。
主力カード「混沌の黒魔術師」「カオス・マジシャン」

・静香
のび太を慕う明るいコ。
彼女を怒らせて生きて帰った者は居ないという(笑
主力カード「ハーピィ・レディ」「ハーピィ・レディ三姉妹」

・スネ夫
どんなヤンキーもびっくりな気合いの入ったリーゼントがトレードマーク。
かつては金持ちだったが、実家の会社が次々に倒産し、一般の人と何ら変わりがなくなる。
主力カード「ジェノサイドキングデーモン」「デーモンの召還」

・ジャイアン
人呼んで「練馬のガキ大将」(笑
単純かつ横暴だが、熱血な男。
頭に血が上るとプレイングがおぼつかなくなる。
主力カード「磁石の戦士 マグネットヴァルキリオン」「怒れる類人猿」

・出木杉
2カ月ほどアメリカに渡っていたが、帰国。
のび太とは仲がよく、決闘の腕もかなりのものだが、いささか自信過剰すぎる。
主力カード「人造人間 サイコ・ショッカー」「氷帝メビウス」

・輝一
筆者。
バカで切れやすい。屁理屈をこねくり回す癖がある。
自分の「カオス・ソルジャー−開闢の使者−」のカードを命より大切にしている。
主力カード「カオス・ソルジャー−開闢の使者−」「サイバー・ドラゴン」

制限・禁止カード

禁止カード(メイン、サイドデッキに合計0枚まで)

混沌帝龍−終焉の使者−
キラー・スネーク
黒き森のウィッチ
処刑人-マキュラ
ファイバーポッド
魔導サイエンティスト
八汰烏
悪夢の蜃気楼
いたずら好きな双子悪魔
苦渋の選択
強引な番兵
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
蝶の短剣-エルマ
天使の施し
ハーピィの羽根帚
王宮の勅命
聖なるバリア -ミラーフォース-
第六感

制限カード(メイン、サイドデッキに合計1枚まで)

異次元の女戦士
お注射天使リリー
カオス・ソルジャー −開闢の使者−
クリッター
混沌の黒魔術師
サイバーポッド
サウザンド・アイズ・サクリファイス
神殿を守る者
人造人間−サイコ・ショッカー
月読命
ドル・ドラ
同族感染ウィルス
深淵の暗殺者
ならず者傭兵部隊
ネフティスの鳳凰神
封印されしエクゾディア
封印されし者の左足
封印されし者の左腕
封印されし者の右足
封印されし者の右腕
魔鏡導士リフレクト・バウンダー
マシュマロン
魔導戦士 ブレイカー
メタモルポット
押収
大嵐
強奪
強欲な壺
サイクロン
スケープ・ゴート
団結の力
月の書
手札抹殺
早すぎた埋葬
光の護封剣
ブラック・ホール
魔導師の力
突然変異
ライトニング・ボルテックス
リミッター解除
激流葬
現世と冥界の逆転
死のデッキ破壊ウイルス
破壊輪
魔のデッキ破壊ウイルス
停戦協定
魔法の筒
無謀な欲張り
リビングデッドの呼び声

準制限カード(メイン、サイドデッキに合計2枚まで)

アビス・ソルジャー
暗黒のマンティコア
強制転移
増援
成金ゴブリン
非常食
抹殺の使徒
レベル制限B地区
グラヴィティ・バインド−超重力の網−
ゴブリンのやりくり上手
ラストバトル!


THE FIRST DUEL- 始まりへの鼓動



「遊戯王 デュエルモンスターズ」
モンスター・魔法・罠の3種類のカードを使用しデッキを組み、相手を打ち負かすカードゲーム。
その単純ながら深いルールは子供だけでなく、大人までも虜にしてしまうほどである。
そのブームの波は、ここ、練馬区にも及んでいた。


練馬区の一角にあるカードゲーム専門店。
この街にも、このカードに魅せられたもの−−−決闘者(デュエリスト)がいた。
これから語る物語(レジェンド)は、ここから始まる。


「『カオス・マジシャン』で攻撃!コレで僕の勝ちだね!」
「クソ!またまけたぁ!」
勝利宣言と敗北への怨嗟は同時に発された。
勝利宣言した少年は、知性を帯びている端正な顔をして、丸めがねを掛けていた。
中学生にも見えるが、実はまだ小学5年生だ。
彼の名は、野比 のび太という。
一方、敗北した方−−−剛田 武、通称ジャイアンは、いかにも『ガキ大将』といった雰囲気を、全身に纏っていた。
体格は他の同級生よりも大柄だ。
「うわー、ジャイアン、派手に負けたねぇ。7000対0か」
そう笑いながら言ったのは、3つに分けたリーゼントのような髪型と、極端なアヒル口が特徴的な卑屈な雰囲気の少年−−−骨川スネ夫である。
「うるせぇ、オマエものび太と当たってみろ、んな口きけなくなっぞ」
萎えた口調でジャイアンがつぶやく。
まあ、これだけの敗北を喫すれば、それも無理からぬことだろう。
「でも1000ポイントのミスも魔法『押収』のコストでしょ?
 すごいわねえのび太さん」
そういってのび太に憧れのまなざしを向けたのは、その趣味があるならデートに幾らでも金を積むであろう美少女−−−源 静香。
「いやあ、あれはただ引きがよかっただけだよ」
柔らかに笑って謙遜するのび太。


彼がこのように変わったのは、小学4年生の終わりごろ。
0点のテストの山脈と大河を見たのび太は、このままではいけない、自分を変えたいと思い、彼の親友にして今の好敵手、ドラえもんに協力を頼んだ。
日頃からのび太のヘタレぶりを見かねていたドラえもんは喜んで協力した。
冬休みの激しい筋トレや勉強の後、のび太はテスト全教科100点をとり、体育のバスケでも大量得点を上げ、一躍ヒーローになった。
のび太が「デュエルモンスターズ」と出会ったのは、そんなときだった。
その単純ながら深い世界に、のび太はすぐに虜になった。
そしてドラえもんと研鑽に研鑽を重ね、今では『練馬の魔術師(マギエル)』と呼ばれるほどになった。
やがて、のび太に決闘で勝てる者は、練馬に存在しなくなった。
−−−ただ1人の例外を除いて。


「のび太くーん」
自動ドアが開き、穏やかな声がした。
「あ、ドラえもん。こっちこっち」
のび太が手を振り、呼びかける。
彼こそのび太の最大の好敵手、ドラえもんだ。
「遅いぞ、ドラえもん」
スネ夫が文句をつけるフリをした。
「いやぁ、デッキの調整が遅れちゃって。
 −−−あ、のび太君、今から決闘する?」
ドラえもんがデッキを取り出して訊いた。
「うん、やろうか」
答えは迅速に、そして楽しそうな声で帰ってきた。
−−−このやりとりだけを見ると、普通の友達同士の会話だ。

だが、ジャイアンが退いた椅子にドラえもんが座ると、テーブルの穏やかな雰囲気は一瞬にして駆逐された。
そのテーブルの周囲は、さながら地獄の戦場のような張りつめた雰囲気を纏った。
その発信源たるドラえもんとのび太の眼も、先程の穏やかな目付きとは一転していた。
その眼は、お互いに宿命の敵と相対した輝きと、
勝利を渇望する挑戦者の輝き、
さらには獲物を発見した肉食獣のような光を帯びていた。
他の三人は、その雰囲気に押され、後ずさる。

やがて、2体の武神の声が、死闘の開始を告げた。


「「デュエルっ!」」


ULTIMA  ON  LINE

決闘はのび太ターンからの開始となった。
「ドロー」
緊張感を帯びた声でのび太が開戦を宣言する。
「手札から魔法『押収』発動」
『押収』とは、ライフポイントを1000ポイント払って相手の手札を見て、その中から1枚好きなカードを捨てさせる効果を持つ魔法カードである。
このカードの利点は「相手の手札を見る」ことである。
相手の手札を見ることにより、デッキタイプや戦術等を把握し、決闘を自分の持って行きたい方に進行させることができるのだ。
また、相手の手札に『ブラック・ホール』等の大型除去カードがあれば、それを捨てさせればよいし、相手の手札にモンスターが1体しかない場合は、それを捨てさせ、次のターンからモンスターを出しにくくすればよい。
このように、非常に融通の利くカードであり、多くの決闘者がこの『押収』を愛用している。
ドラえもんの手札は、『王宮のお触れ』『スピアドラゴン』『ドラゴンを呼ぶ笛』
『シールドクラッシュ』『クリッター』の5枚。
のび太はしばらく黙考し、『シールドクラッシュ』を捨てさせた。
のび太はさらに黙考し、
「モンスターを裏守備でセット。カードを1枚伏せ終了」
きわめてオーソドックスな布陣を張り終了した。
ドラえもんのターンに移行し、ドラえもんがカードをデッキから1枚引く。
−−−『強欲な壺』。デッキからカードを2枚引く強力な魔法カード。
「−−−手札より、魔法『強欲な壺』発動!」
引いたカードのうち1枚は『魔導戦士 ブレイカー』。
(どうするか・・・・・)
自分の手札は6枚。
そのうち4枚の内容は割れている。
その上であの布陣だ。
その中には『スピアドラゴン』もあったというのに。
『スピアドラゴン』は、守備表示モンスターに攻撃した時そのモンスターの守備力を『スピアドラゴン』の攻撃力が上回っていれば、その上回っている分だけダメージを与える−−−所謂『貫通カード』だ。
『スピアドラゴン』の攻撃力は1900。これを上回る守備力のカードはさして多くない。
仮にそれが『深淵の暗殺者』のようなモンスター破壊の効果を持つリバースカードであっても、のび太自身にダメージはある。
(そうなると、)
あの伏せカードに注目せねばなるまい。
恐らくあのカードは『炸裂装甲』等のモンスター破壊の効果を持つカードだろう。
−−−ならば打つ手はひとつ。


「手札より『魔導戦士 ブレイカー』召還!起動効果発動」
『魔導戦士 ブレイカー』−−−このカードは、召還されたときに魔力カウンターを1個乗せる。
そのカウンターを取り除くことにより、フィールド上の魔法や罠を破壊できるのだ。
『押収』よりもメジャーといえるカードで、柔軟な使い方ができる。
だが、のび太はそれを読んでいた。

「罠カード『破壊輪』発動!」
「!!」

『破壊輪』は、モンスター1体を破壊し、その攻撃力分ダメージを与える罠カード。
お互いに1600ダメージを喰らった。
(両者 ライフ6400)
ドラえもんは終了を宣言する。
「のび太君・・・・読んでいたか・・・・」
「当然。まあ、少し賭の要素もあったけど。
 −−−僕のターン、ドロー」
しばらくして、
「場の『マシュマロン』を生け贄に、『カオス・マジシャン』召還!
 プレイヤーに攻撃っ!」
ドラえもんは2400ダメージを受けた。
(ドラえもん ライフ4000 のび太 ライフ6400)
「・・・・やるなぁ」
ドラえもんは口の端に不敵な笑みを刻んで言った。
「−−−でも、僕も負ける気はさらさらないからね」
「僕もさ」
のび太も同じ不敵な笑みを浮かべ、対抗するように言う。
のび太はそのままターンの終了を宣言した。
テーブルの闘気は更に強さを増してゆく。


後書き
この小説の制限カード設定は現実と異なります。
まあ、後々明かしますので、よろしくお願いします。


FIGHTERS3話
DRAGON EMPIRE


「僕のターン、ドロー」
ドラえもんのドローフェイズ。
のび太の場には『カオス・マジシャン』1枚のみ。
ドラえもんの場にはカードはない。
だが、これが直接ドラえもんの不利につながるわけではない。
−−−何故なら、彼にはまだ手札があるからだ。

「僕は『ロード・オブ・ドラゴン−ドラゴンの支配者』召還!
 手札より、魔法『ドラゴンを呼ぶ笛』発動!」
「!! なっ・・・」
『ドラゴンを呼ぶ笛』は、『ロード・オブ・ドラゴン−ドラゴンの支配者』がフィールドに出ているとき、
ドラゴン族モンスターを2体までフィールド上に特殊召還できる魔法カード。
「僕は『スピア・ドラゴン』と−−−『青眼の白龍』を特殊召還する!」


ドラえもんの切り札モンスターが、ついにフィールドにその姿を現した。
(まずい・・・・)
のび太の場には『カオス・マジシャン』−−−攻撃力2400モンスター1体のみ。
次のターン、裏守備表示でモンスターを出しても、ドラえもんの手札には魔法『シールドクラッシュ』
−−−守備表示モンスターを1体破壊する魔法カードがある。
のび太の手札には罠カード『激流葬』があるが、ドラえもんの手札には罠『王宮のお触れ』−−−
全フィールド上の罠カードの効果をすべて無効にする永続罠カード−−−がある。
つまり、現状況では完全な手詰まり。
「いくぞ!『青眼の白龍』で『カオス・マジシャン』を攻撃!」
のび太に600ダメージ。
「さらに残りのモンスターで総攻撃!」
のび太の合計ダメージは−−−3700。
(のび太 ライフ2700 ドラえもん ライフ4000)
「さらにカードを1枚伏せ、終了」
恐らく、あの伏せカードは『王宮のお触れ』だろう。
のび太のターンに移行した。
「ドロー」
のび太のドロー。
のび太の手札は2枚。
『激流葬』と『混沌の黒魔術師』。
どちらもこの状況では、糞の役にも立たない。
−−−どうする、どうする、どうする・・・・・。
のび太は考えていた。
だが、答えはどこを探っても見つかりはしなかった。

この状況でどうする?
どうすればいい?
意味のない思考が循環し、
答えを見つけられないことに焦りを感じ、
さらにそれがのび太を絶望的な気持ちへと誘ってゆく。



−−−ボクハドウスレバカテル?
ドウスレバアノフジンヲヤブレルンダ?
ボクハドウスレバカテルドウスレバカテルドウスレバカテルドウスレバ−−−



止めどない“疑問”の迷宮に、のび太の“思考"は溺れかけていた。


勝ちたいという気持ち、次のドローカードへの不安、相手の布陣の打破の方法−−−




すべての感情がごちゃ混ぜになって、
竜巻となり、
のび太をさらに『混沌』にしていった





そのとき、




『可能性の“種”は、いつだってあなたの手にあるんだから』





「!!」


のび太は、可能性の“種”を、まだ握っていること、


今、それを理解した。


のび太の中に巣くっていた混沌が、徐々に霧散してゆく。


のび太は、手の中にある可能性の“種”を信じた。


デッキから、ゆっくり、カードを引く。


「魔法『強欲な壺』発動!」
のび太はデッキから2つの『可能性の種』を手に取った。
カードを引く手に迷いが消えていたことを、ドラえもんは感じ取っていた。
「魔法『ブラック・ホール』発動!」
「!」
ドラえもんの場のすべてのモンスターが、破壊された。
「魔法『手札抹殺』発動!」
『手札抹殺』は、手札をすべて捨て、その枚数分カードを引く魔法カード。
お互いに手札を捨て、その枚数分カードを引く。
のび太の顔が徐々にほころんでゆく。
「カードを1枚伏せ、魔法『早すぎた埋葬』発動!対象は『混沌の黒魔術師』!」
『早すぎた埋葬』は、800ライフを払うことにより、自分の墓地からモンスター1体を特殊召還するカー
ド。
のび太の切り札『混沌の黒魔術師』が、フィールドに現れる。
のび太は『混沌の黒魔術師』の効果で、魔法『強欲な壺』を手札に加えた。
「『混沌の黒魔術師』で、プレイヤーを攻撃!」
ドラえもんは2800のダメージをそのまま受ける。
(ドラえもん ライフ1200)

(やってくれるな・・・・・)
のび太がここに来て、土壇場での逆転を見せた。
もはや少しのプレイミスすら許されない。
(いや・・・むしろ・・・)
ドラえもんは、楽しんでいた。
『保護対象』から『良き好敵手』へと成長したこの男と、本当にギリギリの線で戦っている。
それがドラえもんには、楽しくて仕方がない。
のび太は魔法『強欲な壺』を発動し、終了した。
ドラえもんのターン。
ドラえもんの手札は2枚。
『炸裂装甲』と『タイラント・ドラゴン』−−−『タイラント・ドラゴン』は上級モンスター、この状況
では使えない。
ドラえもんはカードを引く。
「−−−魔法『強奪』発動!」

魔法『強奪』は、相手のモンスター1体のコントロールを奪う装備魔法カード。
このカードが通れば、のび太は敗北する。


が、

「速効魔法『サイクロン』発動!」


『サイクロン』は、全フィールド上の魔法、罠カードを1枚破壊する速効魔法カード。
装備魔法は対象モンスターが現存する限り残り続けるので、破壊されると効能を失う。


そこで、ドラえもんはデッキの上に手を置いた。
『サレンダー』所謂降参だ。


「いやー、負けたけど良い決闘だった」
「うん。『青眼』出されたときは負けたかと思ったよ♪」

いつの間にかテーブルを覆っていた緊張感は溶けきっている。

そばにいた静香、ジャイアン、スネ夫の3人も、緊張が解けてホッとしていた。

「−−−のび太さん!勝ったわね!」
「いやー、心臓が縮むかとおもったゼ」
静香とジャイアンが感想を述べ合う。
「・・・そうだ!ジャイアン、決闘しようよ!」
スネ夫が誘いかけた。
「いいぜ。ただし、負けた方がジュース奢り、でどうだ」
「えー」
そばの二人の表情も、楽しそうだ。
もちろん、ドラえもん、のび太、静香も、無邪気に笑っていた。


この日のカード屋の一角のテーブルは、夕暮れまで笑いで彩られていた。

後書き。
次回からこのアホ筆者が登場します。
なお、「遊戯王 デュエリストレベル認定」のHPさんからのゲスト様も登場します。


FIGHTERS 4話
「The gear which turns around」


「へぇ・・・・これが『決闘盤(デュエル・ディスク)か」
1週間後の、夕暮れ時。
ドラえもんは直径50pくらいの円盤に、1メートルほどの長方形の板がついたようなもの−−−決闘盤を見て感嘆した。
「もうアメリカでは1000万台を売り上げてるらしいけどね。
 これで12000円だもんな・・・・すごいよ」
『決闘盤』とは、カードをおくと、そのカードの絵柄をCGによって実体化させる装置だ。
アメリカで生産されたものだが、コストダウンをかさねて、日本に販売された、というわけだ。
ドラえもんものび太も、その精巧さ加減に驚愕していた。
その後、彼らを待ち受ける試練に気づくことなく。





練馬区のすすきヶ原の南端部。
ここにはかなり大きな、西洋風の屋敷がある。
その屋敷の中で、ある少年が携帯電話で会話をしていた。
《・・・・んで、君があの店に出向くのかい?輝一クン》
「あの方直々のお願いだ。断る理由がどこにある?」
返事をした少年−−−津希島 輝一は頼まれたことがよほど誇らしいらしく、胸を張っていった。
年は16歳くらいだろう。
黒のランニングシャツに、ジーンズをはき、左の腰にはチェーンをぶら下げている。
髪は金髪、短めのそれを逆立たせている。
小さな丸レンズの薄黒いサングラスをかけており、いかにもヤンキーのような顔立ちである。
「・・・大体、アルセイナ姐さんのとってきたビデオ見せてもらったけど、あいつらそんなに強いのかよ?
 俺ら『JOKER』がチョクに出向けば一番てっとり早えんじゃねえの?」
《ほかのみんなはほとんど遠征に出向いてるし、アルセイナ姐さんも帰ってくるまであと1日はかかりそうなんだ。
 練馬に残ってるのは君と『ロストナンバー』、『あの方』だけさ。
 でも本部に残ってるのは君と『あの方』しかいない。
 だったら君と『あの方』2人で突撃するより協力者を造っておく方が安全だろうな、って》
 冷静な口調で切り返され、輝一は反論を失ってしまう。
「・・・なるほどな。
 確かに俺1人で出向いてもデッキが連戦で割れちまうし、サポートは多い方がいいもんな。
 わぁった。俺1人で『あいつら』の腕を試すとするよ」
《おいおい、早合点はやめてくれよ。
 当日援軍を送らないなんて一言も言ってないよ?》
「!?」
意外そうな声が返ってきて、輝一はサングラスの下の目を見開いた。
《当日の3時には僕がそこにいるから、まあ探してくれよ》
「てめぇ・・・・よくもいけしゃあしゃあと・・・・」
《だから早合点はよしなって。
 あ、明日、できればもう1人来させるから》
「・・・・わかった。明日3時、あの店にいるんだな?」
《そ。じゃあ、切るね》
「ああ、明日な」
 輝一はそこで電話を切った。
「・・・・」
輝一は手のひらの中の写真を見つめる。
そこには、テーブルに向かうドラえもんとのび太の写真があった。
「なんだかしらねぇが・・・全員『開闢の使者』で消し去ってやる・・・・」
その口元には、野獣然とした笑みが浮かんでいた。

後書き
アホ筆者登場ッス。
使用するデッキは実際の僕の1軍を改良した物を使ってます。


FIGHTERS第5話 
「A messenger from JOKER」


翌日の午後3時。
本日はのび太の学校の創立記念日だ。
朝からドラえもんとのび太は、いつものカード屋に居座っていた。
店内には2人のほかに、二人の年上らしき少年が隅の方に陣取っているだけである。
「お〜、『古代の機械巨人』ゲット!これはいいや」
のび太は購入したパックを開封している。
結構高級レアカードが続いているようだ。
のび太は次の1パック−−−『FLAMING ETERNITY』をペリッとあける。
「おお!やりぃ!『ネフティスの鳳凰神』ゲット!」
5枚のカードの中からキラキラと輝くそのウルトラレアカードを見つけ、のび太の顔が綻ぶ。

ドラえもんの方は、シングルでカードを探していた。
「あ、『ミラージュ・ドラゴン』ください」
「はい、150円になります」
ドラえもんは会計をするため、レジの方に歩みを進める。
そのとき、店の自動ドアが開き、1人の少年が入ってきた。

黒のランニングシャツに、ジーンズをはき、左の腰にはチェーンをぶら下げている。
髪は金髪、短めのそれを逆立たせている。
左腕には決闘盤を付けていた。
ドラえもんはさして気にせずに500円玉を出し、お釣りが出のを待っていた。

「やあ、遅かったね」
そういって金髪の少年−−−輝一に声をかけたのは、青空のように澄んだ水色のシャツに白の半ズボン、短い黒髪で笑顔を浮かべている少年だ。
名は、空川 数樹(そらかわかずき)。腕には決闘盤がある。
チーム『騎士団(オルデン)』幹部『JOKER』の一員だ。
「やあ、じゃねぇよ。帰ってくるなら帰ってくるで一言言えよ」
そういって輝一はポケットから煙草と百円ライターを取り出し、煙草をくわえて着火、口から煙を大量に吸い込む。
「いやぁ、ゴメンゴメン。でもまぁ、一応約束通り来たんだし、ね?優クン」
「うん。いきなりここに来いって言われたからあわてて飛んできたんだよ?」
若干弁解口調で言った優と呼ばれた少年−−−赤のTシャツに青の短パンの優しげな顔立ちの少年−−−も決闘盤を身につけている。
輝一は煙草の煙を吐き出し、
「まぁ、別にいいけどな・・・・んで、目標はあのブタなのかタヌキなのかわかんねぇアレか」
輝一は指に挟んだ煙草でドラえもんをさして、言った。
・・・途端に、ドラえもんがキッとこちらを振り向いた。
目は血走っており、拳はプルプルと震えている。
「い、いやぁ、アレは猫じゃないかなぁ・・・・」
「違うよ、人間みたいだヨ」
数樹と優があたふたと弁護したが、輝一の毒舌−−−本人は無自覚だが−−−は止まらない。
「いや、ありゃ化け猫・・・・むしろ新種の珍獣か?」
ドラえもんからほとばしる殺意の豪雨が、一層強さを増した。
輝一は当然気づいていない。
「いや、もうやめろって!」
「そうだよ!下手すりゃ『騎士団』の評判が−−−」
だが、輝一はそんな忠告どこ吹く風、とんでもない一言を口走った。




「わかった!
 

 −−−ありゃ新種の動物・・・ブタダヌキだ!」




ブッチーン




ドラえもんの頭から発された、太いゴムのはじける音が、店内を一部の隙なく支配した。



「「この・・・・・バカ野郎ーッ!!」」
「ぐはぁ!」
数樹と優の二人の渾身の拳の一撃が、輝一の鼻面を直撃。
「いってぇ・・・何しやがる!」
床に無様に尻餅をついた輝一が怒鳴った。
「なにもかにもあるもんか!大体君は・・・・」

「おい、そこの尖り頭」

絶対零度の声が、3人の心臓を鷲掴みにした。
恐る恐る、そちらを見る。
見ると、ドラえもんが不動明王も裸足で逃げ出すような怒りの形相をしたドラえもんが、仁王立ちしていた。
輝一の胸ぐらをねじり上げる。
輝一は足がすくんで、何もできない。
「オイ、キサマ。俺が何だってェ?」
「ハイナンデショウ」
答えはほぼ棒読みだった。
「もう一度言ってやらぁ・・・お・れ・が・な・ん・だ・っ・て?」
輝一の胸ぐらを一層自分に近づけた。
輝一は数秒考え、






「・・・・・ブタダヌキデゴザイマス」






ブッチーン






ドラえもんは渾身の力で、ヤンキーを放り投げた。
「ゲハァァ!」
自動ドアを突き破り歩道に放り出された輝一は、大の字になって仰向けに倒れた。
さらに輝一にとどめの一撃を加えようとしたドラえもんに、
「待った!」
輝一の手のひらが差し出された。
「おまえ、決闘者だろ?ならこういうのも決闘で決めようぜ。
 空き地ならここから近いだろ?」
ドラえもんはしばらく黙考し、
「いいだろう・・・・やってやる」





10分後。空き地。
「・・・」
「・・・」
数樹と優は、輝一と同行している事への恥か、先ほどから押し黙っている。
「ドラえもん・・・・・ほんとにやんの?」
同行していたのび太は、懸念を口に出した。
「当たり前だ。奴に決闘を教えてやる!」
ドラえもんは勝つ気マンマンだ。
「行くぜトンガリ頭!」
「来やがれブタダヌキ!」


「「決闘!」」


後書き。
アホ筆者と輝一の決闘開始〜。


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