力の禍歌


第1話「剣の宴」


森羅万象を統べる究極の力『理力(フォース)』。
この理力は3年ほど前、地球上に降り注いだ『光の雨』により一部の人間にもたらされた、『超能力』だ。
その授けられた新しい力に人々は狂喜した。
しかし、『光の雨』は喜びだけをもたらしはしなかった。
突如現れた地球外生命体、俗称『アウトサイダー』。
高度な知性を持ち、桁外れの攻撃力を備える彼らに、人類は理力でしか対抗できなかった。
その理力で『アウトサイダー』を駆逐する人々を、
人は『清掃人(フォースユーザー)』と呼ぶ−




東京都、練馬区の裏山。
ここにも、『清掃人』がいた。
「くらえぇぇぇ!」
その清掃人は、『アウトサイダー』の一種、『竜』に向かって肉眼では目視できないスピードで突撃してゆく。
竜は、『アウトサイダー』の眷属でも、最もおそれられている眷属の一つだ。
漆黒の鋼鉄の皮膚は、銃弾すら貫通できず、爪は鋼鉄すら引き裂く。
さらに口から摂氏1000℃の炎を吐く。
完璧に戦闘生命体だ。
しかし、この清掃人の早さは、地上最強級の竜の動体視力も捕捉できなかった。
ざきゅっ!
鋭い音とともに、血の尾を引き肘から切断された竜の右腕が高々と舞い上がる。
激痛に悶え狂う竜。
「へ!どうだ!」
その清掃人−ドラえもんが鼻をこすりながら見得を切る。
そこに、光の弾丸がどこからともなく飛んできて、竜の頭を貫通する。
竜は地響きを上げながら、倒れる。
「ドラえもん、一段と『加速(ドライヴ)』に磨きがかかったね。
 でも今のは一撃で首をしとめていたほうがよかったろ」
先ほど光の矢を放った清掃人−野比のび太が茂みから出てきていう。
年は中学生くらいだろう。小さな丸眼鏡をかけた顔立ちは整っており、知的な印象を与える。
右手には反り身の大刀を握っていた。
銅色の刀身で、鍔元にはリボルバーの弾倉のような物が埋め込まれている。
「のび太君だって、『神速電撃弾(ライトイングブリッド)』の威力が上がってるよ。
ドラえもんが自分の剣−刀身は真っ直ぐで銀色をしており、広い鍔元には自動拳銃の弾倉のような物が装備されている−をポケットに仕舞いながら言った。
「ありがとう。
でも、この竜、どうしようか。
おいとくと後が厄介だし、海辺の研究所に持っていこうか」
「うん、そうしよう。
ついでに、この魔剣の改良もお願いしよう」
二人は竜の亡骸を軽々と担ぐと、歩き始めた。



彼らの持つ剣は、『魔剣(理力展開補助機能装備斬撃兵器)』と呼ばれ、現在の清掃人には必要不可欠な武器なのだ。
グリップの根元付近にあるトリガーを引くことで鍔元に埋め込まれたエネルギーパックを経由して理力を展開。攻撃や援護に当てるわけである。
理力は一般的に、炎や雷、氷などの物質を生み出す『化学系統理力』、
自分の肉体もしくは味方の肉体の原子配列の変更、身体能力強化、治癒などの『生体強化理力』の2つに大まかに分類される。
ちなみに理力をどちらの系統にするかは選ぶことができない。
実は魔剣については、分類によって剣のタイプが違うのだ。
生体強化はドラえもんの持つ自動拳銃の弾倉のようなエネルギーパック、
化学系はのび太の持つリボルバーのような弾倉のエネルギーパックを装備している。
もうおわかりのようにドラえもんは生体強化系統、のび太は化学系統だ。
二人は『光の雨』の時に強力な理力を得て、2人でそれを磨いてきた。
そして現在は練馬最強の清掃人の名を欲しいままにしている。
今はドラえもんとのび太は、その理力の強さを活用し、清掃人として安い賃金で『アウトサイダー』を退治しているのである。


「ふう・・・・何でこんなに安いんだ?
曲がりなりにも竜だぞ?もっと高値で購入してくれないのか?
しかも魔剣改良してくれなかったし」
「しょうがないよ。あの竜、人間で言えば5歳くらいの幼竜だもの。
それに一応エネルギーパックは買えるんだし、そもそも魔剣のカスタマイズは武器屋さんの
専門だろ。引き取ってくれただけでもありがたいって思わなくちゃ」
憤慨するどらえもんを、のび太がなだめる。
二人は倒した竜の死骸を海辺の近くにある研究所に買い取ってもらったが、研究所の所員の
扱いは素っ気なかった。
結局、代金は20000円。
二人で分け合い、10000円ずつ。
竜の買い取り代としては、恐ろしく安い。
ドラえもんが憤るのも無理はない。
「のび太さーん」
突然後ろから声がかかった。
「静香ちゃん!」
のび太が返す。
その美少女−源静香はのび太とドラえもんのところに駆け寄る。
彼女は理力を持っていない。
だが、静香はそんなことを全然気にせず、のび太と接してくれる。
「また『アウトサイダー』退治?すごいわねぇのび太さん。尊敬しちゃう」
「あ、ありがとう」
のび太が少し赤くなって言う。
「でも、たいへんでしょ?体は大事にしなきゃ」
「大丈夫さ。ドラえもんもいるし、さ」
そこで静香が携帯電話を一瞥し、
「あ!私、塾があるんだ!じゃあね!」
静香がとびきりの見る者を幸せにするような笑顔を残し、走り去っていった。
のび太はその後ろ姿を、しばらく眺めていた。
あの笑顔を守りたい、とのび太は思う。
あの笑顔を守れるなら、『アウトサイダー』や理力を持つ人間を差別する輩なんか、どうってことはない。
そのためなら、どんな誹りも暴行も甘んじて受けよう。
のび太はいろんな物を、この世界から譲り受けてきた。
だから、その恩返しをするために、清掃人になったのだ。
父、母、ジャイアン、スネ夫、静香、そして、傍らに立つ相棒、ドラえもん。
彼らのために、今度は自分が何かをする番だ。
「どうしたんだい、のび太君」
ふと意識を現実に帰還させると、ドラえもんが心配そうな顔で覗いている。
「何でもないよ、ドラえもん。家に帰ろう」
のび太はそう言い、走り出した。
「待ってよ、急に走るなぁ〜」
ドラえもんとのび太は、走りながら、家へと帰っていった。



路地裏で、彼らを見つめる影があった。
「練馬最強・・・・ね」
それは手にした写真を破り捨てると、闇へ溶けていった。





後書き。

FIGHTERSとはうってかわりバリバリの戦闘小説です。
1話からシリアスになってしまいましたが、次からはもっとギャグを詰め込んでいこうかなーと。
のび太が中学生になってすぐの設定です。


第2話 挑戦

翌日。
のび太は地元の公立中学校へ行っている。
昨夜の理力のトレーニングと宿題がかさんで、少々寝不足気味の顔をしていた。
「あぁ〜今日歴史の小テストの日だよ・・・・・」
「大丈夫よのび太さん。この前の中間テスト学年ナンバー1だったもん」
通学中ののび太と静香の会話。
彼らはまだ1年生である。
すると横から、
「おっす、のび太」
「おはよー」
とこえがした。
ジャイアンとスネ夫だ。
彼らは理力を持たない、普通の人間だ。
中学入学時にがらりと変わったのび太と比べて、この2人は余り変わっていない。
ちなみに4人とも同じクラスである。
「なぁ、今日歴史の小テストあるんだって」
「その話はやめてくれ・・・・ただでさえ寝不足で頭痛がするんだ・・・・」
のび太が端正な顔をゆがめ、額の当たりを拳で軽くたたきながら言った。
「清掃人も大変だなぁ」
と感慨深げにスネ夫。
のび太の朝はこんな感じだ。





学校終了のチャイムが鳴る。
のび太は走って家に帰る。
依頼があるかも知れないためだ。
のび太はダッシュで家に帰りついた。
「ただいまあ!」
言うと同時に2階へ上がる。
そして自室に突入。
「ドラえもん、何か依頼あった?」
息を切らして言うのび太とは対照的に、
「おかえり。
今日はメール1件だけだよ。
『研究所付近の海辺に6時頃来てください』って。
何かあるのかな」
研究所とは、以前2人が幼竜の死骸を持っていった研究所だ。
「分からない。とりあえず行ってみよう」
時計は4時を指している。
どこでもドアを使えば一瞬で行けるが、肉体鍛錬のため二人は走ることを好んでいる。
「今から行けば間に合う。
はやくいこう」
二人は家を出た。






六時ジャスト。
二人の疲れはドラえもんの理力の技『治癒(リバイバル)』によってすっかりとれている。
「・・・・で、依頼人はどこだい?」
「さあ」
「私ならここよ?」
振り向くと、生唾を飲み込んでしまうほどの美少女が立っている。
赤い目と髪。
手には日本刀を持っている。
「私の名前は怜羅。清掃人よ」
その少女−怜羅は名乗った。
「清掃人が清掃人に依頼か。
んで、要件は何だ」
ドラえもんが若干喧嘩腰で言う。
「練馬区最強の名を持つあんたらに、挑戦しようと思って」
怜羅は端的に切り出した。
のび太は焦った。
のび太とてプロだ。一流か二流かの区別はつく。
のび太が思うに、この怜羅という名の少女は、超一流と言って間違いない。
幾多の修羅場をくぐり抜けてきた猛者だけが持つ雰囲気を、この少女もまとっている。
その雰囲気にのび太は戦慄した。
だが、傍らに立つ相棒は違った。


「いいぜ・・・・雑魚ばっかで気が滅入ってたんだ・・・・行くぞぉ!」
ドラえもんがそう言うと、魔法のような早さで自分の魔剣−『エクスガリバー』をぬきはなち、トリガーを引く。
『加速』が発動、一気に距離を詰める。
だが、怜羅は日本刀を抜くと、軽々とドラえもんの攻撃をよけた。
その日本刀に、炎が発生し、竜を形作った。
日本刀の切っ先が、のび太に向けられる。
その炎の竜が、のび太を強襲する。
のび太は自分の魔剣『クルスニク』を構え、トリガーを引く。
刀身から大量の水が発生、竜へ向かっていく。
化学系統理力の技の一つ『水牙』だ。
炎の竜と水の弾丸がぶつかり合い、激しい爆発が起こる。
その爆煙を突っ切り、怜羅が突撃する。



キィィィィン!



激しい金属のかみ合う音。
切り結ぶのび太と怜羅。
だが、それもほんの数秒で、すぐに離れ、間合いをとる両者。
のび太は『神速電撃弾』を、
怜羅は先ほどの炎の竜を、
同時に放つ。
爆風、轟音。
のび太は後退した。
怜羅も後退する。
実力は互いに互角だ。
(どうするか・・・・)とのび太が考えていたその時。






「うぉおおおおぉおおお!」






雄叫びが聞こえた。
雄叫びのした方向から、ミサイルらしきものが怜羅に向かって高速回転しながら突っ込んでくる。
いや、あれはミサイルではない。
ドラえもんだ。
剣を頭上に掲げ、横に回転しながら弾丸の様に飛んでいるのだ。
「うおおおおお!ドラえもぉんスペシャルゥゥゥゥゥゥゥ!」
−−何というネーミングセンスのなさだろうか。
恐らく、彼が独自でつくった技なのだろう。
「うぉおお・・・・・ッおげっっ!げぇぇぇぇぇ・・・・・」
奇妙な声。
見てみると、げろをまき散らしながら突っ込んでくる。
怜羅は冷めた視線でそれを見ると、体をかがめてよける。
怜羅の後ろは−・・・・海。
吐瀉物を撒き散らしながら飛んでいるドラえもんに、見えるはずがなかった。
当然、人間弾丸と化したドラえもんは怜羅を掠りもせず、海へ向かってまっしぐら。
「げあっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ドラえもんの叫びが聞こえ・・・・・





ずゎっぱーん。







海面に、高ぁーい水柱が上がる。







「・・・・・・・」
「・・・・・・・」






怜羅とのび太の視線が絡み合う。


二人の目は、同じ事を雄弁に語っていた。







ドラえもんは、戦闘能力だけのアホウだ、ということを。





後書き

ギャグを混ぜてみました。
ちょっと早足すぎたかな?


第3話「broken sword」

ドラえもんは水平線の彼方へと消えた。
のび太は少々焦った。
のび太も相当の腕前の清掃人だと自負してはいるが、目のまえの少女はそれすら凌駕している
かもしれないのだ。
三度、炎の竜が襲いかかる。
「くそぉっ!」
『神速電撃弾』の弾丸でこれを迎え撃つのび太。
だが、信じがたいことに、炎の魔神はそれらを物ともせず、のび太に向かって死の顎をむける。
咄嗟に横に飛び、間一髪で回避するのび太。
地面に転がったのび太に、銀の牙が襲いかかった。
魔剣『クルスニク』でのび太は受ける。
怜羅のはなった炎の竜−化学系統理力『緋炎竜王(ボルメテウス)』は囮だったのだ。
「・・・・っく!」
のび太は地面に押さえつけられ、身動きがとれない。
「この程度の男が練馬区最強?
 たわいもないわね」
怜羅が冷笑した。
「うるさい!」
のび太が剣を右手に持ったまま、左手を後ろに回す。
「!!」
その手がこちらに向けられたとき、怜羅が咄嗟に飛び去る。
銃声。
「ふぅ・・・・」
のび太の左手にはバッファローも打ち倒せるという自動拳銃『デザートイーグル』があり、硝煙を未だに
はき出している。
普通、この時代、武器として単なる拳銃を使う者はいない。
『アウトサイダー』や理力を使う者にとっては、急所狙いか特殊弾頭でない限り殺傷力不足なのだ。
だが、全く役に立たない訳ではない。
からだの自由を得たのび太は起きあがり剣先を向け、右手で剣のトリガーを引く。
化学系統理力『水牙』が発動。水の弾丸が怜羅を強襲する。
「っ!」
体を右によける怜羅。
だが、そこに2発の44マグナム弾が殺到する。
日本刀でかろうじて受ける怜羅。
のび太は『水牙』発動よりワンテンポ遅らせて銃を撃ったのだ。
時間差を利用した攻撃である。
怜羅は剣を取り落とさなかったが、手首を押さえてよろめき、隙をつくってしまった。
「うぁぁあぁ!」
そこをのび太が『神速電撃弾』の電流を帯電させた刃で襲いかかった。
怜羅は咄嗟に『緋炎竜王』の炎をまとわせた剣で受けとめる。
甲高い悪霊の哄笑のような擦過音に、激しい火花が散った。
また間合いをとる両者。
のび太はもう1度《技》を放とうとし−









「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」









水平線の向こう側から、何かが水を切りながら突っ込んでくる。
ドラえもんだった。
なんと水面を疾走している。
恐らく生体強化系統理力の『加速』だろう。
「さっきはよくもやってくれたなぁ!
 お礼をしてやるぜぃ!」
−−−自分から突っ込んでいったくせに何ほざいてんだ。
のび太と怜羅は心の中で同じつっこみをした。
その間にはドラえもんは砂浜に降り立っている。
「食らえッ!」
ドラえもんは魔剣のトリガーを引く。
ドラえもんの両腕がかすかに発光する。
生体強化系統理力『豪腕(ヘビーアーム)』だ。
腕力を飛躍的に高める理力だ。
その5倍ほどに強化された腕力で、ドラえもんは怜羅に肉薄し、剣を振る。
冷羅は間一髪で受け止めた。
が、余りの腕力に、甲高い音を尾ヒレに怜羅の手中から日本刀が飛んだ。
そして、首筋に剣が向けられる。
「僕等の勝ちだぜ。色気ナシ」
ドラえもんは不敵に言った。
「・・・・あんた達になら、任せられるかな」
怜羅が何故か安堵の表情で言った。
「何?」
ドラえもんが剣を引く。
「今日ここに来たホントの目的は、あんた達と闘う事じゃない。
 頼みたいことがあって」
のび太とドラえもんは、そろって顔を見合わせる。
これは、何かとんでもないことが起きそうだ。
二人は、瞬時に悟った。


第4話 「UNDER GROUND」


怜羅との一戦を終えたドラえもんとのび太はひとまず家に帰ることにした。
「私は静岡の出身なの。
 そこに『アンダーグラウンド』って場所があるのは知ってるわよね?
 私はそこの局員よ」
彼女は家路につくとき、淡々とこういった。






『アウトサイダー』の中には稀に人間に匹敵、もしくはそれを上回る知性を持つ者が存在する。
そういう『アウトサイダー』と人間が協議して開発された『隔離地区』が静岡県の一角につくられたドーム状の施設『アンダーグラウンド』だ。
その隔離地区の中の住民が『アンダーグラウンド』から出たとき、それを駆除もしくは捕獲する清掃人を局員と呼ぶ。
局員はいずれも凄腕で、その局員を統べる『ULTIMATE』と呼ばれる清掃人の能力は神にも匹敵すると言われる。






「ちょっと待ってよ。
 何で局員が僕たちに接触してくるんだい?
 『アンダーグラウンド』局員は勧誘はしないって言ううわさだし、
 局員になるにはめちゃくちゃ難しい理力の試験を受けなきゃ行けないって聞いたけど」
のび太が聞き返した。
そうなのだ。
『アンダーグラウンド』は基本的に清掃人を局員に勧誘する真似はしない。
『アンダーグラウンド』の局員の仕事は非常に危険なため、日本一難しい理力の試験−もちろんペーパーテストだけでなく、実技試験も行うが、過去に死人が出たという−でふるいにかけ、残った1,2人を選抜する。
まさに砂時計を逆さにし、その中の最後の砂の一粒となる確率と同じである。
怜羅はその『選ばれた者』の一人なのだ。
−そんなエリートが僕達に何の用だろう?
のび太は疑問を感じたのだ。
「そう思うのも無理はないわね。
 ・・・これを見て」
怜羅は懐から1枚の写真を取り出す。
のび太とドラえもんがのぞき込んだ。
「なっ・・・・」
「ひでぇ・・・・」
それは、荒廃した焼け野原となった静岡の写真だった。
「犯人は黒竜種の長竜(アルター)よ。
 恐らく、かなり前から『アンダーグラウンド』脱走を企ててたんでしょうね・・・
 私たちが来たときには、手遅れだったわ」
悔恨の表情で唇を噛む怜羅。
ドラえもんとのび太は戦慄していた。



黒竜種と言えば、数ある竜の種類の中でも最も凶暴な種族である。
おまけに知性も高く、思念言語で人間と会話できる。
そして極めつけは長竜の称号。
長竜とは、その種の中でも最も凶暴かつ強靱な竜に着けられる称号だ。
つまり、最も凶暴な種の最強の竜に『アンダーグラウンド』は脱走されたのである。
「・・・・・最悪のパターンだな」
ドラえもんが腕組みをして言う。
「いまはまだ活動を起こしていないけど・・・・
 動き出すのも時間の問題かも知れないわ。
 そこであなた達に頼みたいんだけど」
怜羅が二人を真っ直ぐ見据える。
「二人とも、静岡に来てくれないかしら。
 報酬は用意してある。
 今頼れるのは、あなた達しかいないの」

間髪入れず、不敵な笑みを浮かべ、二人は同時に答えた。



「「まかせとけ!」」


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