ピカッと光った後、目の前が真っ暗になった。
 意識はあるのに、どうしてか、どんなに気張っても、身体が少しも動かない。目も
開いているはずなのに、依然、暗いまま。
 身体が痛い。
 何をしても、無駄だから、何もしない。
 ・・・・静香はどうしたんだろう。やっぱり、僕と同じに、巻き込まれたのか?確
かめたくも、目も耳も、声も駄目だ。僕に出来るのは、ただ、ただ、彼女の無事を、
祈るだけ。
 
 あ・・・やっと音が聞こえてきた。目もぼんやりだけど見えてきた・・・。

 赤い。

 え?なにこれ。僕は無傷だな?じゃあこれはなになんでいったいだれの?一人、思
い浮かぶけど、そんなわけない。どっかの野次馬が怪我したんだろう。そうだ。そう
なんだ!だから、僕らは関係ないんだ。だって静香は僕が手を繋いでたから、ちゃん
と触感が・・・。
 無い。無い。無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い。身体が無い。
 手首だけが、ある。
 「・・・どこに・・・?」
 身体さえあれば僕の力で治せるハズだ。そうだ。だから早く身体を見つけないと。
このあかいのをつたっていったらきっとしずかがいるんだそうだそうにちがいないあ
たりまえだぼくらはかんけいな・・・。
 身体はあった。右半分だけ。
 「は・・・はは・・」
 嫌だな。なにビビッてるんだ僕は。これくらい、僕の力でなんとかできるさ。
 だってほら・・・。

 あれ?

 おかしいな。

 なおんないや。

 どうして?

 何故何故何故何故何故何故何故何故?

 彼女の身体を抱きしめて、僕は呟いた。

 「治らないや・・・」

第三章C「召喚」

 「な・・・・!?」
 僕の前にいた、ジャイアンと安雄んくんが、同時に絶句した。
 あれ?安雄君とジャイアン?
 どうして僕は、暗闇の中、ひと目見ただけでわかったんだろう。二人とも、何年か
経って、結構雰囲気が変わったのに。
 まあいいや。取り合えず僕は静香を治そう。きっとうまくいく。
 「待て。こっちをむけ」
 安雄君が僕に言った。大分冷たく言われたけど心の中では
 (・・・死体・・・?・・!!源静香!?)
 って言ってる。

 なんで心の中がわかんだろう。

 まあいいや。僕が静香を治せないなら、治せるような人に頼もう。
 「無視すんなよ。さっきの魔力は、お前だろ」
 じゃあ誰に頼もう。そうだ、天使か、悪魔に。
 「きーてんのか。オイ!!」
 そんな叫びと一緒に、なんかが僕の顔に飛んできた。ああ、安雄君のパンチか。だ
けど、とっても遅いな。遊んでるのかな?
 ふざけないでほしい。
 僕は今から、静香を治すため、召喚をするんだ。それを、彼は、邪魔をしようとし
てる。
 「あっち行けよ」
 そう言って、僕は、彼を叩いた。彼のパンチなんかよりも、ずっと疾く。
 「あが」
 と言って、安雄君は、ごろごろ転がって行った。すこしして、止まる。だけど、唸
ってる。そんな痛かったかな?ジャイアンは、呆気に取られた顔をしていた。やっぱ
り、僕がいきなり安雄君を叩いたからかな。でも仕方ないよ。彼は邪魔だったんだ。
もう人を叩くのは嫌だ。

 だから、君も邪魔をしないでね?

 さあ、召喚をしよう。

 静香が、助かるために。
 

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