注意:今回の小説には、かなり暴力的な言葉が混じっておりますが、
製作者の意思を尊重して編集を加えておりません。
まあ、今に始まったことじゃないけど(爆

 

逃げている。必死で逃げている。
だが「それ」は、逃げても、逃げても追ってくる。
「・・はぁ・・・はぁ・・」
マズイ。傷も思ったより深い。その熱い、焼けるような痛みが身体を襲う。
木の陰に隠れる。そこに腰を下ろし、一息つく。後ろを見る。奴はまだいない。
「はぁ・・・本当に・・ヤバイな・・」
もう限界だ。前にむき直す。そこに「それ」はいた。
「もう・・・来やがったか・・」
刀を自分にむけている「それ」に対し、笑ってそんなことを言える自分が、
不思議だった。
「いい加減死ね」
「それ」は一言だけ言うと、刀を持ち上げる。
「誰に対して死ねだの腰抜けだの言ってるんだ?」
そして一気に刀を振り下ろす。
「おい、聞いているのか!? のび太」

「それ」は動きを止めた。
      
      最終話 下
       そして物語は終結する。

「グッバイのび太」
のび太が鮮血を吹き出しながら地に伏す傍らで、スネオは
満面の笑みを浮かべ、そう言った。
「じゃあな・・・ん?」
だが立ち去ろうとしたスネオは、妙な気配を感じ、足を止めた。
「・・気のせいか・・」
そして再び、足を前に出そうと、足を上げた瞬間。
「あれ?」
体のバランスが崩れ、横に倒れてしまった。
「なんでだろう・・まぁいいや。雨で濡れてたから、滑ったんだろう」
と、立ち上がろうとした。が、足に違和感がある。何だと思い、みてみると。

        足が、無かった。

「!!!!!!!」
驚いて、声を上げそうになった。しかし、その声は、上げられなかった。
口に、誰かの拳が入ってきたからだ。
その拳は、前歯を折り、口の中を切り、奥歯を砕いて、止まった。
「だ・・だえら!ころほくの・・」
怒鳴ろうとした。しかし、そこにいた人物を見て、声は口の中で消えた。変わりに、別の声が、口から出た。
「のひは・・・・」
何故だ。こいつはたった今、僕が刺し殺したハズなのに。何故生きている!
そんな考えが、瞬時に頭をよぎった。
しかし、今目の前にいるのは、今までののび太じゃ、ない。
殺気。それが、あり得ない。
「あ・・・あ・・・あ・・・」
スネオは震えている。今スネオを包んでいる物は、怒りではない。 恐怖だ。
「・・・・」          
無言のままのび太、いや、「見かけはのび太」のそいつはスネオの刀を拾い上げると、そのまま、刀を。

スネオは死んだ。体中を刀でメッタ刺しにされて。

ー主催者室ー
「良し・・・たのんだぞ」
電話を切り、机の上に置いて、ソファーに座る。
その主催者の男 野比のび助は、新聞を広げ、たばこをくわえる。
それに日を付けて、新聞に目をやる。
「後・・3分後・・」
全て読んだのび助は、新聞を机に置き、そのまま、ソファーに横になる。
「・・・・・・ふぅ・・」
軽いため息をついて、目を閉じる。この目が次に開いた時は、もうあの世だと、知りながら。


「のび太」
ジァイアンの言葉に「それ」は動きを止めた。
「・・・やっぱりか・・・」
ジァイアンは、そう言うと、ゆっくりと、息を吐いた。
「なんで・・分かった・・」
「なんでかって?」
「それ」の問いに、静かに口をひらく。
「そんなの、決まってるだろう」
「どうして・・・?」
その言葉に、ジァイアンが口を開こうとした、その瞬間。

    目の前が、光で、白くなった。

光が、出る。爆音が、迸る。戦闘機から出たそのミサイルは弧を描きながら飛んでいき、
地面にぶつかった時、破裂した。
そして、ミサイルはその一帯、全てを焼き尽くした。
「やっとか・・」
その言葉を言い終わるか終わらないうちに、のび助は閃光に巻き込まれた。

    それは、水爆だった。

だから、誰も生き残れなかった。


                END
 

前へ

戻る