混沌のカケラ


―キッカケはいつも単純だった。

この時だって単純だった―

 

 

・・・。

「ここは・・・?」

何があったのだろうか・・・。

僕は気絶していて、誰かが助けてくれたのだろう、見知らぬ家のベットの中にいた。

・・・家の室内は、土作りで、日本の家の形ではない、どうやらここは無事に三国志の時代にこれたのだろう。

・・・でも、みんなが・・・

 

「お、どうやら気がついたみたいだぜ」

ふと、声がする方をみた。部屋の出入り口にはいたのは、なんと魔女であった。

「そうか・・・目覚めたか」

もう一つの声がする。どうやら女の人の声のようだ。

「如何にも、普通の人間っぽいぜ、特殊の能力はないみたいだ、それゆえに説明が難しいんじゃないのか?」

「いや、大丈夫だ、子供には慣れてる」

そう聞こえると、一人の女の人が出てきた。

その女の人は、銀のような白に、青色を混ぜたて、青なのか、白なのか、はっきりしない髪で、腰辺りまで届く長い髪をしていた。頭にはなにやら四角い青い帽子・・・というか、全体的に青い服装をしている。

「少年、気がついたか?」

女の人が言う。

「え・・・あ、はいっ」

僕は言う。

「・・・まず、何が聞きたい?」

女の人はそうか、というと、すぐにこう言った。

「ここ・・・三国志の・・・時代ですよね?」

「!」

女の人は、驚いた表情を見せた。

「わかるのか?ここが三国志の世界だという事が?」

「えっ・・・だって・・・この古い感じの石造りの部屋だし・・・。そうなんでしょ?」

僕は思った事を口にした。

「・・・確かに、ここは三国志だ・・・が、お前は何者だ?名前は?」

「僕の名前は、野比のび太です」

そう言うと女の人はまた驚いた。

「のび・・・太だと・・・?」

「?」

「いや・・・なんでもない。・・・君は、なんでこの世界に来たのか・・・わかる?」

女の人はそう言った。

「ええと・・・あの、貴方は・・・?」

「私か?私の名は慧音、上白沢慧音(かみしらさわ けいね)だ」

女の人はそういったが、僕は首を傾げった。

「上白沢・・・?そんな人、いたっけ・・・?」

僕は三国志が好きで、ここにいるけど、上白沢 慧音という名前は聞いたことがない。

「私は、この世界の人間ではない。・・・別の世界から来た者だ」

「え?」

僕は耳を疑った。

「ああ・・・まぁ、いい。さっき言っていたが、君はここは三国志の世界だと言っていた。なぜここが三国志の世界だと?・・・どうやら、口ぶりから、ここへ来るような口ぶりだったようだが・・・」

「うん・・・実は・・・」

 

のび太静かに、今までの事を話した。

 

のび太の学校では、最近、三国志の漫画がブームになり、のび太もまた、三国志の話にはまっていた。

お気に入りは当然、劉備。劉備の視線の漫画なのでしょうがないといえばしょうがないが・・・。

ともかく、そういった背景で、のび太の友達である剛田 武(ジャイアン)や骨川 スネ夫、源 静香などのいつものメンバーがドラえもんにタイムマシンで三国志の時代に行くのは当然の事と言えた。

ドラえもんはのび太のどら焼きを後でおごるという約束の下、4人と共にタイムマシンに乗り込むと、すぐさま三国志の時代へ行ったのだ。

だが・・・

「なんだ?これは?」

時間移動空間にて、タイムマシンを操作するドラえもんは、運転機材に異常が見つかったのに気がついた。

「どうしたの?ドラえもん?」

のび太が尋ねる。

「どうも変なんだ・・・。タイムホール(時間移動空間)の様子が・・・」

「また、いつもの故障なんじゃない?」

ドラえもんの言葉に、スネ夫はそんな言葉を言う。

「失礼なっ、どこも壊れてないよっ!」

ドラえもんはそう言うが、それでもカチカチと機材をいじくる。

「お、おい!みんなアレを見ろ!!」

ジャイアンは太い声でそういう。

「な、なぁに!?あれぇ!?」

のび太は悲鳴にも似た声を張り上げる。

「な、なんだぁ!?あれはぁ!?」

ドラえもんが、なんだかと思い、機材から視線を上げ、声を張り上げる。

目の前のタイムホールの壁(?)には、くっきりと『穴』が開いていた。

『穴』、というのもある意味不適切かもしれない、それはスッと切れ味のよい刃物で切れ込みを入れたかのようにスマートな穴だったのだ。言い方を変えれば『隙間』のようでもある。

「気持ち悪い・・・」

静香が、そう恐れる声でそう言う。

その隙間の中は、生き物のような、とはいえ、生生しい物ではなくもないが、目玉がいくつもあり、それがいくつものひしめき合っている。

「せ、制御ができない!す、吸い込まれるぅう!」

すると、今度はタイムマシンの機材が一斉にアラームが鳴り響き、その不気味な隙間に吸い込まれた。

 

そこから先ののび太の記憶はなく、気づいたらこの時代のベッドの上であった事を慧音に伝えた。

「・・・そうか。苦労したなんだな・・・」

慧音は言う。

「驚かないんですか?・・・僕がこの時代の人間じゃないって事を?」

のび太は少し驚いた。

今まで、自分が未来から来た。という事を告げれば、大小とわず、驚かれるのが普通であった。

「ああ、私たちもこの世界の者ではない。別の世界から来たんだ」

「?」

慧音の言葉にのび太は首を傾げるばかりであった。

「私達は、君たちがこの世界へ迷い込んだ原因の・・・まぁ、犯人の一人に暇つぶしとして道ずれにされたんだ。他にも、別の世界にいる、何も罪も筋合いもない人々が巻き込まれ、この世界に迷い込んでいる」

「???」

慧音の言葉がますますのび太を混乱させる。

「ああ・・・うーん。信じられないかも知れないが、私達が住んでいる世界には、時空を歪ませたり、時を止めたりする奴らがいる世界なんだ。君のような普通の人間には理解しがたいかも知れない」

難しい事を聞かされ、混乱しているのび太に、そう告げる慧音。

 

「もこたんinしたお♪」

のび太が何かを言おうとした瞬間、このような声が間時下に聞こえた。

「・・・」

入ってきたのは、慧音に負けない程の白く長い髪と、古風を感じさせる服・・・吊りスカートを着て、頭には赤と白の混ざったリボンを結んでいる女の人であった。

そんな彼女は、誰もいないとタカをくくっていたのか、緩んだ声を出したが、部屋に入り、誰かいるのを見て、凍りついた。

「・・・妹紅か。丁度いい、今説明をしていたんだ」

慧音は、妹紅と呼ばれる女性が発した緩んだセリフの為、動けなくなってしまっているのを見て、そう助け舟を出した。

「えー・・・こいつの名前は、藤原 妹紅(ふじわらの もこう)。さっき失言したが、忘れてくれ」

慧音はそう言った。

「んー・・・慧音。主な事は粗方聞かせたんだろ?・・・いったい何を言えば・・・」

妹紅はおどおどしながら言う。

「とりあえず、ここがどこなのか、どの勢力なのか、そして周辺勢力と状況を説明してくれ」

おどおどする妹紅に慧音は適切な処置を施す。

わかった。と妹紅は言う。

「あ〜、こほん。えーと、名前なんだっけ・・・?」

妹紅は咳払いをするとそうたずねる。

名を告げるのび太。

「そうか・・・のび太か。スマートな名前だ。よし、はじめるか。大体の事は慧音から聞いただろう?ここは三国志の世界だ。それはわかるだろ?」

うん、と答えるのび太。

「よし、で、ここは平原というチッコイ城で、人材も兵力も、マズマズな数と量しかない」

「平原・・・って劉備がいる所?」

聞きなれた言葉に、反応するのび太。

「ああ、というか、その名を知ってるとはな。お前の住んでいる世界は、ひょっとして三国志という話があるのか?」

「うん、中国の歴史で、漫画に描いてあるよ」

そうか・・・と妹紅は言う。

「・・・劉備を知っているのか?」

「うん、好きな人物だよ」

のび太は期待を膨らして言う。

「そうか・・・運がいいな。・・・ここの王。というか、私たちの一応の王だ」

「ええっ!?ほんとっ!?」

のび太は目を大きく開き、大いに喜んだ。

「あ、いや。言っておくが、かなり違うぞ?・・・お前が思っている劉備とは」

慧音が、予想以上に喜ぶのび太を見て、静止させようとする。

 

「お〜い。慧音ぇ〜、妹紅ぉ〜。いるかぁ〜?」

そのとき、またも間の抜けた声が部屋に聞こえる。

見れば、中年の男性がいた。

「おお、ここにいたか」

その男は、緑を強調した服を着ていた。

「おっ、そなたが、この付近に倒れていて、魔理沙が見つけた少年か。そなたも異世界から来たのか?」

「えっ、ええ、まぁ・・・」

のび太が戸惑いながら、そう言うと、中年は、うれしそうに顎にある薄ひげをなでた。

「そうか、そうか。ゆっくりしていくと良いぞ。あ、それと慧音。またも近隣に流賊が出たらしい。兵を向けると約束したが、趙雲は兵集めで忙しいし、ほかの者は内政や探索で忙しいし、どうしようか?」

その中年は、無防備に、それでいて、どこか間の抜けた声で二人に問いかける。

「あ〜・・・それは・・・。妹紅、頼む」

慧音は、チラチラとのび太の表情を見て、妹紅にそう伝える。

「あ、ああ。わかった。うん、すぐ行く」

今、一番あわしてはいけない人物に合わせてしまった・・・と二人はそう思いながら、この場をしのいだ。

「?少し様子がおかしいようだが・・・オイラ、邪魔だった?まぁいいか。引き続き、仕事にかかるとしようか」

と、妹紅が出て行った部屋をスタスタと歩いて出る中年の男。

 

「・・・今のおっさんが劉備。劉備 玄徳(りゅうび げんとく)だ」

嵐が通ったような顔をして、慧音は言う。

「あ〜・・・失望するな。あんな、自分を「オイラ」と呼び、色々と無能オーラを出してる奴だが・・・あれでも結構民に好かれてる。だからな?そんなにションボリするな。な?」

ガッカリとするのび太を励ます慧音。

無理もない。のび太は、劉備の人望や爽やかさに引かれ、三国志に興味を持ったのだ。それが、あんな薄髭で、中年の男が劉備だと知り、かなりの衝撃を受けたのだ。

 

「呼ばれず、飛び出てジャンジャガ☆ジャーン☆」

と、その時、沈んだ空気を突き破るかのように、流星のごとく現れた女性が言う。

その女性こそ、のび太が最初にみた、黒く、金髪の魔女であった。

黒いとんがり帽子(トンガリ部分が少し折れている)に、黒い服、そして白いエプロンのような物、そしてスカート。これはもう、どこからどうみても魔女である。

しかし、のび太が今まで見てきた魔女とは、全然違い、顔はまだ幼さが残っていた。

「こ、この人は?」

驚くのび太は慧音に聞いた。

「私か?私の名前は霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)普通の魔法使い。完全和食派。今まで食べたパンは13枚しか食ってないぜ!」

名前を聞かれて、当然のことのように答える魔理沙と名乗る『普通の魔法使い』。

「・・・魔法使いって・・・普通なの?」

「異常と思うか。だが、私は普通だと思っているだけだ」

戸惑いを隠せないのび太の問いに平然と答える魔理沙。

「所で、森で狸の置物を見つけたんだが・・・ひょっとしてお前の?」

と、いきなりとんがり帽子の中から青く、海のような色をした丸っこい・・・見慣れた物体を取り出した。

「ど、ドラえもん!?」

のび太は叫んだ。

 

「はぁ〜・・・成る程。この青狸は、ドラえもんといって、22世紀から来たのか・・・。にしてはもろいな。壊れて動いてないぞ?」

数分後、のび太から話を聞かされた魔理沙は、動かくなり、白目を向いてるドラえもんの頭をぽてぽてと、軽く叩いた。

「きっと、変な隙間に吸い込まれた時に故障しちゃったんだ・・・」

とのび太は言いかけたが、ある事に気づく。

「あ!ぽ、ポケットが・・・ない!」

彼のチャームポイントであり、数少ないの存在意義である4次元ポケットがないのであった。おそらく、上に述べたように、この世界へくる時におとしたのであろう。

「うえ〜ん。これじゃみんなをさがせないよ〜」

色々な出来事があり、精神的に不調を唱え、希望の光であったドラえもんが故障で白目をむき、そして最後の砦であった4次元ポケットと秘密道具がなくなってしまったのだ。

彼は、ヒザを床につき、わんわんと泣き出した。

「泣くな!男だろうが!」

慧音がそう言うが、完全に収まるまでに、いくらかの時を必要となった。

その間、のび太は涙腺が壊れたかのように泣き散らし、床を水浸しにした。

 

「うう・・・」

どうにか泣き止んだのび太。

「ったく、噂には聞いたが・・・なんて少年なんだ・・・」

ボソリと、魔理沙が言う。

「まぁ、そういうな。・・・とにかく、のび太。ここで泣いてもドラえもんというこのロボットは動かん。泣くより、このドラえもんを直す手立てを考えた方がいいのではないのか?」

慧音は、もっともらしい事をいう。

「で、でも、ドラえもんは・・・未来のロボットだから・・・この時代じゃ・・・」

とションボリするのび太。

「その事なんだが・・・私の友達に、人形いじりの得意な奴がいるんだが。そいつならこの青狸を治せるかもしれないんだぜ」

魔理沙の言葉に、のび太の顔は明るくなった。

「ほんとにっ!?」

「おちつけ、だがな。その友達は今、はぐれちまっていない。きっと他の勢力にいると思う」

「そうなのかぁ・・・ガックシ」

と、本当にガックリするのび太。

「まぁ、でも、希望は見つかったろ?それでいいじゃねぇか。で、当然お前は俺たちに味方、するよな?」

魔理沙は、笑顔でそう言った。

「本気か!?」

慧音はハッとしたように驚く。

「いいじゃねぇか。人材不足で猫の手も借りたいんだ。頭数そろえる程度の能力だが、なぁに、なんとかなる。こいつはやればやれる奴さ。鍛え方にもよるが、な?」

と、魔理沙は慧音に向かってウィンクする。

「・・・確かに・・・」

「な?頼んだぜ?反・面・教・師・さ・ん?」

と、かっこよく言うと、魔理沙は、くるっと向きを変えて部屋を出ようとした。

 

「おっと、忘れてた」

思い出したように、またも向きを変えると、帽子に手を入れ、何かを取り出した。

「これ、いる?」

「こ、これは・・・タケコプターに、空気砲!?」

見た事のある物体に、目を光らせるのび太。

「やっぱ、お前の奴だったか。それ、やるからがんばれ」

と、適当に言い。魔理沙は部屋を後にする。

「あ、あの。ドラえもんを・・・ドラえもんを狸って言わないでください。ドラえもんはネコ型ロボットです。きっとドラえもんが無事ならすごく怒ると思うから、だから・・・」

部屋から出ようとした魔理沙に、のび太はそう言った。

「なに?これって猫だったのか?それにしてもわかりにくいなぁ。こりゃ狸って言われても仕方ないぞ?」

と、歩みを止めて、足元の近くに放置されている白目をむいたドラえもんの頭を触って言う。

「でも・・・」

さらに言葉を続けようとするのび太。

「いいか?のび太。よく聞け」

それを見た魔理沙は、腕を組み、目を瞑り、まるでウンチクを語る体制をとった。

「猫ってのはな。ネコ耳と尻尾、言葉の語尾に「〜にゃ」を初めとするいわゆる『萌え要素』ってのをつけて初めて『猫』なんだ。まぁ肉球や語尾が「〜にゃ」じゃなくてもネコをやってる奴もいるが。まずはネコ耳と尻尾だ。こいつをつけなければ、ネコとはいわん。」

のび太は、突然の専門用語を混じっての講義を前にして、目をパチクリするだけで、ぽかんとその『猫』の定義を聞いていた。

「それで、この狸だか猫だかわからんドラえもんとやらは、自分は猫なのに狸と呼ばれるとかなり腹を立てるそうだな?そりゃ、このズングリ丸っこくて、青い色して、髭がいくらか生えているのを見れば、誰だって狸といっちまう。そりゃ、こっちだってこいつの事を知りもしないで言うのは悪いと思う。だが、だけどな」

魔理沙はすぅと息を吸う。

「一目でネコだと判断できん格好してる方が悪い。だってどうだろ?こんな耳も尻尾もないズングリ丸っこい達磨さん体系されちゃ」

そこで、魔理沙は一旦息を整える。

「こいつの過去に、どんな事があったかはわからん。だが、せめて付け耳だけでもした方がいいと私は思う。そうした方が、こっちも、こいつだって良いに決まっている」

 

さて・・・言いたいこと言って、すまなかった。と言い、魔理沙は部屋を後にした。

そこには、ただ呆然としているのび太と、これからのび太は我々の仲間になるので、せめて基本的な戦術を教えるべきなんだろうが、突然の魔理沙の講義により、期を逃し、のび太と共に呆然としている慧音の二人が残っていた。いや、白目を剥きガラクタ当然となったドラえもんもいた。

 

「ふぅ・・・」

平原城の近くにある城下町。酒場にて。

普段から、ここには多くの平原城に勤めている者達の溜まり場となっている。

それは武将クラスでも同じ事である。

「ういーす、魔理沙。元気か?」

と、尋ねる男性・・・年は高校生、服は、どこかの高校の服で、緑色であった。

「谷口か。私は元気だぜ」

挨拶をする魔理沙。

「何か拾ったらしいな。何拾ったんだ?確か、子供と、変な物だったよな?」

「ミジンコ並みに普通のお前にはあんまし関係ないが、まぁ教えてやろう。なんと22世紀の秘密道具なんだぜ」

フフフと、よくぞきいてくれました。と言いたげなセリフを言うと、そう打ち明かした。

「あ?22世紀?そりゃ漫画か何かの話だろーが」

無論、信じてない谷口であった。

「それが、本当なんだな、これが、みろ、この摩訶不思議な物体を」

と、見せたのが、なにやら不思議な形をした銃やら、缶、きび団子の袋詰めであった。

「・・・いや・・・これ、落とし主いるだろ・・・多分、一緒に連れてきた子供のブツじゃないか?」

「ああ、大丈夫だ、彼にはダブリのブツを渡した。なに、ほんの少し借りるだけさ」

谷口の疑問に、平然と答える普通の魔法使い。

「ったく・・・オメーの借りるは半永久的だろ?なんたって俺はこんな変わった奴と一緒に働いてるんだ?なぁ、オレンジ」

「オレンジじゃない・・・」

と、谷口は、隣に蜜柑ジュースを飲んでいる人物に話を持っていく。

「私には・・・ジェレミア・ゴットバルトという立派な名前が・・・」

「うるせぇ、だったら、自分の家で蜜柑やオレンジを育てるな、そして飯に蜜柑やオレンジを飲み食いするな」

谷口は、自分の座っているテーブルにある、自分が頼んだ料理をいくらか口にして言う。

「くっ・・・私には、オレンジ農園を営む・・・夢があり、オレンジこそ私の動力源なのだっ」

「ほどほどにしとけぇ?手が黄色くなっても知らんぞ」

と、なんだかんだと話していた。

 

この谷口と、オレンジと言われているが、本当はジェレミア・ゴットバルトという名を持つが、とにかくオレンジと言われる正体不明の人物も、元は別々の世界から来た人物であった。

この三国志は、幾らかの人物名こそ、史実通りではあるが、今は281年。ちなみに大体の三国志は190年頃なので、大分ズレている。だが、どういうわけか、史実ならばとっくに死んでいる人物も、281年現在も生きており、普通に武将やら君主などをやっている。

しかし、多くの実力のない勢力は、殆ど別の世界から来た人々に、下克上をされ、今は放浪をしているか、別の勢力に匿られている。・・・つまり、かなり混沌という訳なのである。

・・・なにせ、この世界の劉備は、関羽や張飛と言った定番の人物は仲間(兄弟の契り)になってはおらず、挙兵は、慧音と妹紅の手引きにより、やっとの事でできたという有様であった。その挙兵し、平原の城を手にいれた後に、趙雲や谷口、オレンジやその他の部下達が劉備の元に集まり、一応現状の維持をできるようになっていたのだ。

 

と、言う事を、後にのび太は知る事にまたも泣き言をいう事態になったが、それはまた別の話である。

 

とにもかくにも、共に来た仲間達と離れ離れになり、もはや原型すら留めぬほど混沌と化した三国志の世界に、唯一の希望の光であったドラえもんも故障し、ただの置物となった今、のび太は、今、新たな道を歩む事になったのであった。

 

 

混沌のカケラ  完

 

あとがき

 

なんか色々とやっちまった。ぶっちゃけ続ける気はないに等しい。

・・・批判、質問があったらなんなりと申し付けてください。


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