アナザードラ 


第一話

この時間ではない、未来である空間、2113年の日本、東京

 

明るい

ここはいつ来ても本当に明るい

まあ、外の世界でも今は午前7時ぐらいだろう

明るいのは当然だ、ここはサイバー内なのだから

2105年からサイバー内へ行く事が可能になり、その翌年の2106年には一般人でも行き来できるようになった

しかし、問題は山済みであった

・・・小、中、高の学生の引篭もりの場、現実逃避者の巣、それらを狙う国外からのサイバーテロ等等

 

2108年に厳しい規制を徹底し、前者の二つは今の所なんとかなっている、だが国外のテロは防げない

なぜならテロリストは法律や規制の壁を壊すからである

 

なのでサイバーテロを防ぐための最新のブロックシステムなどを導入するがそれも長くは持たない

だからテロを引き起こす、だからみんな困る

 

 

「ドラーク?聞こえるか?」

いつも見慣れた顔が見えた

はいはい、聞こえてますよ、シンジさん

ったく、いきなり顔面付き通信を出なくてもいいだろうが

俺は今、サイバー内に居て、空間(サイト)と空間(サイト)を結ぶ通路(リンク)の中にいる

その通路(リンク)の真ん中でホログラム付きの通信をしている

「OK、今回の仕事はセントラルサイバー内にいる具現化しているウイルスを取り除く仕事だ」

シンジの野郎、俺がまだ返事してないのに勝手に、しかも笑顔で話進めやがった

「・・・で、なんで俺がこんな事しなくちゃいけないんだ?こういうのは専門の企業や他のやつに頼めよ」

俺はシンジの顔が映る画像付き通信に向けて言った

「それはさっき話しただろう?・・・・これは普通のウィルスじゃない、どこかの国のサイバーテロさ」

「・・・だったらなおさら俺じゃなくても・・・」

「今、軍や専門の業者も必死に修復している、だけどウイルスは非常に強力で梃子摺っている」

「・・・それで俺か?」

「そう、その通り!、ま、君は一人で宇宙艦隊相手にどうにかしちゃうほどのアンドロイドだしね。・・・ぶっちゃけ、何でも屋的な傭兵で、強くて、有名なのは君ぐらいしかいないからね」

 

確かに、俺は何でも屋的な傭兵、ドラークだ

元はただの対人交流用猫型二足歩行型アンドロイドだ、だが、戦闘プログラムはある程度叩き込まれていたが、その点を抜かせば他の市販のタイプと何も変わりはなかった

だが、『あの事件』により、俺はシンジに拾われ、より戦闘向きの体への改造や戦闘プログラムを叩き込まれ、多様型準戦闘アンドロイドとなった

改造やプログラム追加は俺も同意した、同意しなければこんな事にはならなかったんだが・・・まぁ後悔はしていないし、こうなるだろうとウスウス解っていたし、これまでの事は悪くはないと今は思っている

しかし、俺はイロイロやったな・・・ブラジルのアマゾンの中を一人で駈けずり回って武装テロ集団の秘密基地を襲撃したり、アフリカの小さな紛争でパラシュートで降下したり

宇宙では戦闘強化服、通称ドールアーマーの新作の試作品で敵国の宇宙艦隊を潰し回ったりもしたなぁ・・・・

 

 

って思い出に浸ってる場合じゃない

 

「あ、そうそう、君がもっているのは対ウイルスバズーカキャノンだから、宇宙用のパルスキャノンと同じ要領で使ってね」

「パルスキャノンって・・・あれは対艦様の武器じゃねぇか!」

 

パルスキャノン――レーザー光線を断続的に連射するキャノン砲、主に戦艦や巡洋艦などの戦闘艦などのミサイルなどの迎撃砲火などに用いられる

また、威力が高い事もあり、ドールアーマー(戦闘強化服)用に携帯型にした物もこれに値する

携帯用パルスキャノンは戦艦に積まれている物となんら変わりが無い

しかし、ドールアーマーという戦闘機の次世代機が持つことにより、『戦艦キラー』や『巡洋艦の解体者』とも呼ばれる非常に強力な武器である

 

「そんな強力なブツを、こんな所で使っていいのか!?」

俺はパルスキャノンの威力を嫌となるまで見て来た

実際これで船を何隻も潰した

「だいじょーぶ、あくまでパルスキャノンみたいな物だから、100%同じじゃない。使い方だけさ、なーに、君なら上手く使いこなせるさ」

シンジの得意の笑顔が炸裂する

やれやれ、こいつはいつもこーだ

このサイバー界がどうかなったらどうする気だ、このガキは

「さ、もうすぐ目的のポイントだから通信切るね?」

「ああ、わかった」

俺が言葉を発すると同時にいままで一般道の電子回路(リンク)であったが、広い空間に出た

おそらくどこぞのサイトらしい

ここはどうやらショッピングエリアらしく結構華やかである

だがそれは数時間前の話である、今はウイルスが大量にいて、所々黒く塗りつぶされている箇所がある、それはウイルスの塊、いわば巣である

それを破壊しない限り具現化しているウイルスは消滅しない

最も、ウィルスを束ねているマザーウイルスをつぶせば、この全てのエリアに散らばっているウイルスを一掃できるのだが、ここにはいないらしい

具現化されているウイルスは人型か球体形のどちらかである、人型の奴は強力なタイプが殆どである、最も、コンピュータウイルスが人型になったのは人がサイバー内を行き来できるようになってかであり、25年前までは形すらしてないんじゃないかっていう話もある

それより今は獲物を見つけ喰らい付こうとしている人型ウイルスが100匹ぐらい、一斉に飛び掛ってきている

・・・・・元々どちらも浮いているのだが

とりあえず俺は対ウイルスバズーカキャノンを構え、撃った

それはすさまじい轟音と閃光であった

・・・・・・・・・

凄いな、これは

一瞬で100は存在したウィルスの大群を一掃しちまった

あとは両サイドにのこったウイルスを一掃してついでに壁に張り付いている黒い部分を掃除して任務完了だ

・・・・・・・・

これ、壁とかにやって大丈夫なのか?

壁壊れないのか?・・・・・・・大丈夫だな・・・・・・・よし、これでこのエリアは掃除完了・・・っと

「もしもし?生きてる?」

うぉ、こいつ終わったと同時に出てきやがった、しかも半分笑顔だ、ま、半分笑顔はいつもの事だが

「うわっ、もう終わってる。すごいな、やっぱ僕が作った武器は最強だなぁ〜〜・・・」

こいつ、自画自賛してやがる。ったくいつもこうだ、このガキは

「・・・で、なんのようだ?本来ならこっちから通信する手はずだろ・・?何かあったか?」

するとシンジは急に顔を変えた

いつも俺に仕事内容を教える、真面目な顔である

「実は、君に過去に行ってもらいたい」

「・・・・過去だと?」

なんでまた

「驚くのも無理はない」

いや、別に驚いてるわけじゃない

俺が不信になってのはなぜ過去に行かねばならないのかという事である

また危ない仕事か?

「これは日本政府、いや、地球連邦政府からの依頼だ」

地球連邦政府・・だと?

「・・・・・政府から?軍ではなく?」

「ああ、軍じゃない、政府さ」

「・・・・一旦そっちに戻る・・」

「そうしてくれ」

シンジはそういうと通信を切った

 

これはただ事じゃない

軍とかならまだマシだ

軍やどこぞの国家だったらどうせ「試作品のテスト」だとか「敵地への強行偵察」や「敵の首都にスパイとして潜入」とか「基地の偵察、および爆破」などの軍事的な事である

だが地球政府は違う

たしかに俺はこの地球を代表する傭兵かも知れない

だが地球政府に頭下げられて頼まれる事はした覚えがない

地球政府はそんだけ馬鹿ではない、馬鹿であるはずがない

俺にしかできない仕事なのか・・・?

 

俺は元来た道を行き、元きたゲートを潜った

 

見慣れた部屋、機械など色々な物があり、そしてなにより、このなんとも言えない空気の匂い、そしてベットのなんとも言えない感触

俺は帰ってきたのだ、サイバー内から。この現実世界へ

そう思っているとシンジが真面目な顔で俺を見ているのに気が付く

「おかえり」

シンジがドアの近くに立って、そうねぎらいの言葉をいった

「ただいま」

俺はそのねぎらいの言葉に答えた

それにしてもサイバーダイブから帰る時のあの感覚がなんとも言えん、ていうか上手く言語化できない、これは俺のようなアンドロイドじゃなくても言えないだろう

「で、さっきの話だが」

俺は首の後ろに刺さってるサイバーダイブに必要なコードをひっこ脱いだ

「ああ、本当だ」

シンジが真面目な顔でコーヒーを持ちながら話している

「たったさっき日本政府から通達があった、まぁ詳しく言うと地球連邦から日本政府に、そして僕に伝わったんだけどね」

「で、内容は?何故過去に行かねばいけないのか」

俺はコードをひっこ脱いだ部分が少し痛いので手で揉みながらベットから起き上がった

野上 有野(のうえ ゆうの)という人物を知っているかい?」

シンジはコーヒーすすりながら言った

「・・・・・・・知ってるのも何も、お前の爺さんじゃなねぇか・・・・・・」

「そう、僕のお爺ちゃんだ」

いきなり何いうんだ、こいつは

「その方がどうしたって?」

「少年時代のお爺ちゃんが過激派団体に狙われているらしい」

「よくある事だろう?」

ほんとに良くあることだ

時間移動が可能になったこのご時代、歴史的偉人の暗殺なぞ不思議ではない

「と、いうかそれこそ時空警察にまかせろよ、そういう事は」

「僕もそう思った、だけど状況はそれほど良くはないらしい」

「?」

どういう事だ?

「狙われているのは2003年の11歳のお爺ちゃんだ、君も知っての通り、その頃お爺ちゃんはすでに有り余る実力を持て余し、あの時代に呆れ返っている、当然性格も悪い、このままでは僕達が住んでいるこの時代の歴史ではなくなる。という結論が時空調査団によって出された」

「・・・・・つまり、お前の爺さんは頭は良いが性格が最悪だから修正しろ・・・ってか?」

冗談だろ・・?

「そう、その通り」

「勘弁してくれ、俺はそういうのは課じゃないんだ」

ほんと冗談じゃない、俺は傭兵であって子供のお守りではない。ましては教育係でもない

しかし、シンジは複雑な表情で続けた

「でも、お爺ちゃんの孫である僕達がやらないといけない、それに、理由はもう一つある」

「なんだ?」

「あの時代、記録されていない事態が発生している」

 

その言葉で、俺の頭の中にある思考回路がどうにかなった

まず、この時代で、過去に記録されていない事態が起こる訳がない

そうなる前に全て時空警察がどうにかしてくれる

つまり、『過去で記録されていない事態』は別の時代、つまり未来からの干渉だと言う事である

だが、その未来の干渉は絶対にありえない

だとすれば、答えは一つ、それはその時代が『暴走』している

『暴走』 それは突然異変と同類である、過去が突然異変している、考えられない事である

 

「僕が言いたい事、解る?」

そんな複雑な顔で俺にふるな

「・・・・・それは、つまり、お前の爺さんは・・・・・未来からの干渉、および性格の修正、そして時代の暴走を・・・・余儀なくされているのか?」

俺はどうにかなった思考回路を整理しつつ、言葉を発した

「そう言う事」

お得意の笑顔が炸裂

「・・・で、だから政府は強くて信頼性が高く、一番本人が信じてくれる俺達に依頼をした・・」

「そう言う事」

「・・・・・今行くのか・・?」

「うん、時代の暴走は、ほおってはいけない」

シンジはにこやかに、しかし、目は真面目であった

「あ、まって、性格を変えた方が良いかも」

しかし、この一言で台無しになった

・・・こいつは何を言っているんだ?

「何故性格を変えねばならんのだ?」

理解しかねる、別にこのままでもいいではないか

「ちっちっち」

いや、そんな舌打ち連発して蔓延(まんえん)な笑味で指振られても困るんだが

「ドラーク、君、猫型ロボって事忘れてないかい?」

「確かに俺は市販用の対人交流用猫型二足歩行型アンドロイド『IKN(イコン)02型』だが・・・」

最も、戦闘プログラムを叩き込まれ、多様化されていたが

「IKN02型・・・それまで市販アンドロイドは性格システムの変更は容易ではなかった・・・だが02は違っていた」

こいつ・・・メガネを光らせいかにもって雰囲気だしてやがる・・またはじまりやがった・・・シンジの語り病が・・・

「02型は!性格をあらかじめ何通りも作る事ができ、それを多種多用に自分で変更できる機種なのだ!」

「・・・とまぁそんな感じなアンドロイドなんだよ、君は」

シンジは興奮しがちに言った

「言われんでも解ってる、というかIKNシリーズはあんたが開発、提案したんだろうが、俺が言いたいのは何故その性格変更をしなくてはいかんのだ」

「まだ解らないのかい?好印象を与えるためさ」

「・・・」

なるほど、そういう事か

いや、待て

「待て、それなら別に性格を変えなくてもいいんじゃないか?」

「君さぁ、相手が健全な小学児童に、いきなりかっこよさげなしぶめな兄さんが「未来からきた」なんていったら信じるかい?――あの時代は少なくとも信じない」

さらにシンジは口を動かす

「でもそれがやさしく接すれば信じるさ」

なんか違うような・・だが2003年あたりのデータも少ないし、反論もできない

「・・・了解した」

やれやれ、あれをするのにも結構面倒なんだよな・・・・

「よし、ほんじゃ僕はイロイロ支度するから、完了したら呼んでね〜」

そう言うとシンジは奥へ行った、おそらく自分の部屋か武器倉庫か

 

「さて・・・」

俺もやるかな、性格変更を・・・

 


 

時と場所を変え、2003年

 

 

「きりーつ。きょうつけー。れー」

やる気のない日直が立たせて、しっかりさせ、礼をさせる

「さよーならー」

ふぅ、やっと学校が終わった

「おい、ユウノ、今日のテストどうだった?」

 

不意に、声をかけられた

 

ユウキ――それは僕の名前、そう、僕は野上有野(のうえ ゆうの)だ

 

そして声を掛けて来たのは、よく見る二人組みである

「・・・肥満体型に変な髪か」

見たまんまの事を言った

二人は激怒した

肥満型は郷田 武雄(ごうだ たけお)クラスで一番の巨人ファンで、ジャイアンと呼ばれている

変な髪は堀川 隆(ほりかわ りゅう)父親はある金持ちの企業の社長で、勝ち組である

それにしても、こいつらはいつも怒る、これだから最近のキレる子供は困る

だがいちよう、聞かれた事は教えよう

 

「0点だけど?」

こいつらの事だから証拠も必要か、渡しておこう

「0点?ハハッだせぇ〜・・って白紙!?」

変な髪が言う

「まぁ寝てたからね」

寝てれば白紙である

「じゃあ起きてたらどうなってるんだよ」

肥満体型が聞く

「さぁ?テストの時は寝てるからね」

というかテストは寝る時間だろう

「お前って・・ホントバカなんだな・・・」

肥満体型が言う、これは聞き捨てられない

「じゃあ、今ここでそれをやってあげようか?」

「今やったって意味ねぇじゃん」

「証明をするのに早いも遅いもないよ、証明があればいいんだから」

「コイツッ!!」

肥満体型が僕の襟を掴んだ、明らかに逆切れである

 

「やめなさいよッ!あんた達!」

そう言ったのはハルナだった

ハルナは本名 源 春名(みなもと はるな)。僕の後ろの席がポジションで、今は帰る支度をしていた、が、僕がカツアゲの状態なのを見て立ち上がった

ハルナは気が強く、このクラスで一番、男子も女子も含め、最も気が強いんじゃないかって言われる存在である

そんなハルナの怒鳴り声は当然、半端なく、クラス中がなんだ?と、こちらを見る

幸いにも先生はいない、終礼が終るとすぐに出て行ってしまったのだ

「もう、やめよう、な?」

変な髪があせりながら止めに入る

何が「もう、やめよう、な?」だ、いつも取り巻きの癖に

まぁさすがに襟を掴んだ時は焦ってた様だったが

「・・・チッ」

そういうと肥満体型は舌打ちして鞄を持って教室を出てった

取り巻きの変な髪も後に続く

「大丈夫?」

ハルナが聞く

「金はとやれちゃいない」

そういうと僕はテストを鞄の中へと入れた

「・・・・少しはありがとう、ぐらい言いなさいよ」

ハルナは僕の対応に少々イラついたように言った

「じゃあ、私帰るから」

そういうと鞄を持って教室を出てった

もう教室は何事もなかったように帰りの支度やらで賑わっていた

さて、僕も帰ろう

そう考えると僕は机の横にある鞄を手にとり、背中に担ぎ、教室を出た

家に帰っていつものように大手掲示板を少し見た後にゲームのプログラムでも作るかな

 

 

所変わりここは時空航路

 

この空間は時間移動時に発生する空間である

その空間に一つの乗り物、タイムマシンがあった

「それにしても、政府も奮発するねぇ〜」

中に乗っていたのはシンジであった

身形は家とは違い、現代の外行きの服装で、派手であった

「銃の携帯、緊急時による発砲の許可、爆破物の所得と緊急時による使用許可、特殊迷彩服の使用許可、武器弾薬の収納のための軍事用時空倉庫の使用許可、外部者の交流、挙句の果てには対戦艦用ドールアーマーとその武装の許可まで出すなんてやっぱりただ事じゃないね、これは」

シンジは顔で笑いながらタイムマシンを操作していた

「そうだね」

そういったのは青髪の青年であった

「あっちに行ったら髪の色を黒く染めないといけないね」

シンジはその女性を見て行った

その青年は確かに青髪であった、それ以外を見ればアジア系の青年、それも15〜8ぐらいである

「どうして?」

青髪の青年は不思議そうに言った

 

さっきの青年ではあったが目付き、そして喋り方が違っていた

その違いは別人の域であった

 

「あっちの時代はまだアンドロイドどころか宇宙人すら会ってないからね、青髪はありえないのサ」

「へーそうなんだ」

青年はそう言うと腕を操作パネルに置き、アゴをその腕に乗せた

腕とアゴを乗せても操作に別状がないのか、シンジはその行為に何も動作をしなかった

「それにしても、自分で言うのもなんだけど、かなり性格変わるねぇ・・・」

「そりゃそうに決まってるでしょ、だって君がそう作ったんだから」

その青年の言葉にシンジは笑顔で首をかすかに縦に振った

「さて、もう着いたよ」

そういうとタイムマシンは止まった

「それにしても最新の奴はすごいね、なんか宇宙船みたいだし」

「宇宙船というか戦闘機じゃないの?」

「ま、それもあるかも知れない、さ、行こう」

シンジはしっかりエンジン等が正常に停止しているのを確認すると席を立ち上がり、唯一の出口へと向かった

青年もその後に続く

 

 

 

所代わり、住宅街

 

代わり映えのしない、いつもの家へと続く道路

ユウノが歩いてるのはそんな道である

ただ家が建ちならび、ただブロック塀がキチッと並んでいる舗装された道路である

ありふれた光景

ありふれた暇な日常

しばらく歩くと、自分の家がある、無論、中へ入る

「ただいま」

中に入ってそう言い玄関で靴を脱ぎ、それをしっかり並べる

そして廊下を少し歩き、自分の部屋へと続く階段へ向かう

途中、ママがいた

ママは外行きの服装をしていた

「おかえり、ユウキ、ちょっと買い物行ってくるわね」

「うん」

そういうとママは玄関、僕は二階の自分の部屋へ向かった

階段を上ると左側に僕の部屋、右側に誰も使われていない部屋がある

下で扉の開け閉めの音が聞こえる、どうやらママは行ったようだ

さて、早いとこパソコンで大手掲示板をみるのとプログラムでも作りますか

 

そう思い、僕は扉を開けた

 

そこは自分の部屋だった

当然である、ここは僕の部屋である

なのに、僕と似た高校生並みの人と、これまた高校生並み、いやそれよりも背が高い青年がいた、それもその青年は青髪である

青髪の人はどうだっていい、それより僕似の高校生が僕のノートパソコンを勝手にいじってるのはどういうことだろうか?

新手の泥棒だろうか?

いやそんなことはどうだっていい

まずどうやって入った?ママが入れたのであろうか?

それはない、それならそうといってくれる筈だ

それなら目の前にいるこの二人はどうなる?解らない

とにかく事情と誰なのかを聞くのが先決だ

 

「誰?」

僕は表情を変えないで言った

「どーも、未来の孫です」

未来の孫?

僕は結婚するのか?誰と?いや、その前に僕は結婚できるのか?だとしたら奇跡だ、僕と気がある人なんかいないと思っているのに

「なんでパソコンいじってんの?」

とりあえずこれだけは聞きたい、事の起こり次第で信じるか疑うかを決めよう

「いや、なに、君がくるのを待っていたんだ」

「僕を?」

人違いだったらどーするんだろう?

「そう、君、野上 有野でしょ?」

なんで僕の名前を?

「違う、僕は永井 輝彦だよ」

とりあえず偽名を使おう

「隠したって無駄さ、僕にはわかるさ、だって孫だもん」

孫だからって全てわかるわけじゃないだろう

「とりあえず、パソコンいじるのやめてくれる?」

「ん?いーじゃん、少しぐらい、それにしても、お爺ちゃんすごいねぇ、その年でこれだけのプログラム作るんだもん、大した物だよ」

そこで褒められても困る

「・・・で、孫が何しに来たの?」

「いやね、君を守りに」

僕を守りに?さっきからずっとパソコンを見つめたままなのに?説得力がないな

「ねぇ、ちょっといいかな?」

すると今までずっと無言だった青髪の青年が急に会話に参加した

「何んだい?」

高校生が答える

 

「なんか僕がいなくていいんじゃないかって思ったんだけどさ」

まて、それはどういう意味だ

「まぁ・・そうだね、ある程度話が着いたら出てきてよ、それとその性格、しなくてもいいと思う」

「・・君が言ったんじゃんか・・・この性格が良いって」

青髪の青年は、見た感じ人の良さそうで、悪く言えば天然が入ってそうな感じであった

べつに悪くはないけど・・・ってその性格しなくていいって!?どういう事!?

「まぁ、別にいいけど、話がついたら呼んでね」

そういうと青い人は僕の机の引き出しをガラッと開けた

中は底なしだった

どういう事だ?今朝まではただの引き出しで、中身はなかったはずだが

いや、正式にいうともう何年もあけていない引き出しではあるが

そうこうしていると女の人はその底なしの引き出しの中に落ちるように入っていった

「驚かしてすまない」

高校生が言う、僕のノートパソコンをいじりながら

さっきからマウスやキーボードでカタカタとしているがいったい何をしているんだろう?

さっきの会話から僕のプログラムを見ているらしいが

「そういえば、まだどこの時代から来たかまだ言って無かったね?」

そういえば未来から来たということしか聞かされていない

「僕達は110年後から来たんだ、名前は野上 信二(のうえ しんじ)。ちょっとしたプログラマーさ」

 

「・・・・110年後でも日本は存在しているんだ」

少し、間を付けて、最初に出たのがこの言葉だった

いや、正直、こういう場合どうしていいかわからない

まぁ110年後でも日本は健在という事は少しうれしいが

「うん、もうF資源が見つかってこの方、もうバリバリでさ」

高校生はバリバリな笑顔で言った

F資源?なんだろう?

「あ、F資源ってのはもう二年ぐらいしたら見つかる筈の、世界が待ってた核に継ぐ新資源の名前、ぶっちゃけこれのおかげで僕たちの時代があるってトコかな?」

なんかスゴイ資源って事は分かった

ちなみに高校生は今は話しに夢中でパソコンを(さっきからだが)ひざの上においている、ていうか僕のベットの上で胡坐かいているんだが

「・・で、君が未来から来たのは分かった」

わかんない問題は二つほどある

「何しに来たの?」

「さっきも言ったが、君を守りに来た」

「何から?」

「歴史を変えてしまおうという過激派テロ集団や未来の記録からは出てこなかった正体不明な宇宙人か何かの魔の手から」

「君が?」

「いや、僕じゃない、守るのはさっき机の引き出しに入っていった青髪の人さ、彼はアンドロイド、いや、ロボットといったほうがいいかな?人間に近いけどね」

二つ目の問題も解けた、あの青髪の人は?って聞こうとしてたから

「じゃあ呼んで良い?」

高校生が言う

「誰を?」

「さっき青髪の」

「いいよ」

僕は許す

「そうか、よし」

すると高校生、本人いわくシンジがスクッと立ち上がった

「おーい、出番だぞぉー」

そういいながら机の引き出しを開き、そう言った

 

・・・・・今の内に外の空気でも吸うかな・・・・

 

そう思う僕はあの青い人のロボットを呼んでいるシンジを横目にしながら、窓に近づき窓を開けた

 

・・・・・・・

 

良い天気だ

今までカーテンしてたから感動もヒトシオだ

 


 

ふと、目線を下に向ける

 

・・・・・・・なんか不審者がいる・・・・・・?

その不審者の格好は明らかに変であった

6月なのに黒いコート、毛皮ではない

そして黒いサングラス

とりあえずこの6月に黒尽くめな人

 

・・・・怪しい・・・・

どうやらあちらもこちらに気づいたらしい、目線があった

なんか懐をいじっている、何かを取り出すようだ

・・・・・え・・・?ちょっ・・・・なんか、銃出してる!!??しかもハンドガン

もしかして、もうシンジとかいう高校生の孫がいう「歴史を変えようとする過激派テロ集団」の魔の手が!?

マジで・・・?その話自体はまぁ信じなくもないがどこか信じる要素不足っていうかだった

つーか100歩ゆずって信じる、だがこれは早いだろう、早すぎるだろう

映画でもこんな展開はないだろう

とにかくッ早くシンジとかいう孫に知らせないとじゃ!?

そして僕はこういう考えを一瞬で済ませ、首を引っ込め、後ろを振り向く

 

「いない・・・・」

さっきまでいたシンジとかいう孫がいない・・・・

「まさか夢・・・?」

おもわず声に出してしまう

なぜかもう一度窓から顔を出してみる

なんかさっきの黒い不審者が家の玄関の方に走ってきてる、中に入る気だ

 

どうする・・?この場合・・?

@あきらめる

A覚悟を決めてとりあえず下に行く

B机の引き出しはあきっぱなしなので覚悟を決めてダイブ

Cどんなに考えてもムダなのでパソコンでもしようか

D俺は人間をやめるぞぉ

 

・・・・・・Bに決定、即行動開始ッ

そうこうしているとなんかガタゴッって下から聞こえるんだが

今のでドアが破壊されたらしい

いそいで引き出しの中へッ・・・・

窓際から引き出しからおおよそ7歩ッ・・・・間に合えッ・・・・

物が散乱しているが高速移動に支障はきたさない・・・よし、ついた!

さぁ早く中へ!なんか階段からすごい速さで上る効果音が!

 

よし行くぞ!

 

僕は引き出しを見て覚悟を決めた、だが足をかけようとした時

 

ガタゴッ!

 

っと、ドアが破壊された

僕の部屋のドアが

 

黒い不審者と目が合う

 

黒い不審者が銃を構える

 

 

 

死んだな、僕

 

 

 

 

 

銃口のうなり声、つまり銃音が聞こえる

僕は目をつぶった

 

 

 

 

 

「やれやれ・・・」

 

鋭い、金属がはじかれる音が聞こえたと思ったら、やれやれという男の声が聞こえた

「まさか、こんなに早くくるとは・・・・」

僕は目を開けた

「計算外だったな・・・」

そこにはさっきの青髪の青年、の後ろ姿があった

 

「まぁでも間に合ったから良かった良かった」

シンジも引き出しから身を乗り出しながら言っている

その手には変わったタイプの銃をもっていた、おそらく未来の銃であろう

 

「そういうこった」

青年はなぜか刀を持っていた

そう言っても古刀ではなく、科学の力でつくったような形のカタナであった

つまり、変な形なカタナである

それにしても、この人、さっきまでの性格と大分違う・・・?

 

「・・・・・対人交流用猫型二足歩行型アンドロイド『IKN02型』ニ『ナガモト シンジ』ダト・・・・!?マサカコノIKN02型ハ!」

黒い不審者が喋った

 

なんかカタゴトでよくわからないがなんか対人交流用猫型二足歩行型アンドロイドって聞こえたような

多分ぼくをかばったこの青年のコトだと思うけど・・・ネコなの?耳ないよ?この人?

さっきの青髪の人といい・・何がどうなっているんだ・・・?

 

「『伝説ノ傭兵』ドラークカッ!?」

この人の名前らしい、しかも傭兵らしい

「ああ、そうさ、俺はドラークさ」

自分も認めているらしい

「さて、おしゃべりはそこまでだ」

そういうとドラークは刀を構えた

「クッ・・・作戦ハシッパイカ・・・!」

あせる黒い不審者

「くたばりなっ!」

ドラークは黒い不審者に切りかかった

黒い不審者は真っ二つになっていた

なんかはやくてよく見えなかったがとにかく真っ二つになってた

 

「さて・・・」

シンジがいう

「僕帰るから」

ちょっと待て、それはないだろう

「ああ、後はまかせろ」

ドラークとかいう人もそう言う

「ちょっと待って欲しいんだけど・・・」

「ごめん、もう時間なんだ」

高校生はニヤつきながら、残念だなぁ〜とボヤキながら言った

「時間?」

なんの時間だ、未来の人は過去に余り干渉できないルールなのか?

「未来の人は過去に余り干渉できないルールなんだ、じゃあ、あとはそこのドラークに聞いてね」

そう笑顔を残すとシンジは引き出しの中に入って行った

 

部屋はドアは破壊され、廊下にはさっきの黒い不審者の残骸があり、そして部屋の中には僕と青髪の青年(傭兵)ドラークとかいうのと二人っきりである

 

「さて」

ドラークという傭兵ロボットが言う

「何が聞きたい?」

 

もう頭の中がどうかなってしまいそうだ

こんな調子で、僕の平和で暇でどうしようもない日常は音を立てて崩れ去った

『もう二度と今までのような生活は送れない』

この時、この言葉を心で叫んだ


第二話

「で・・・?」

 

あれから数十分後

 

ちらかった部屋や家を直し、やっと一息付く事ができた

 

そして、僕の部屋で、謎の来客者の話を聞く事にした

 

「君の名前は?」

僕は自分の部屋で椅子に座りながら、立っている謎の来客者に尋ねた

「俺は、ドラーク。種はドロイド、いやここではロボットと言ったほうがいいか、で、職業は傭兵、簡単に言うと何でも屋だ」

謎の来客者いわくドラークはなんの遠慮もなしにスラスラと答えた

「ふぅん・・・2113年から来たの?」

僕はへー、と思いながら聞き流した

「ああ、だが俺は製造されたのは2108年、つまり5年前に作られた、対人交流用猫型二足歩行型アンドロイド『IKN(イコン)02型』だ」

そいつはまた長い名前の呼び方だな・・・

「ちなみに、一般ではネコ型と呼ばれる分類のロボであり、俺はその「イコン」という機種だ」

「・・・つまり、PCでいうと君は「イコン」っていう機種なんだね?」

「そうだ」

ドラークはうなずく

「・・・で、さっきのおとなしげな人は?・・・弟?」

ずっと気になっていたがさっきいたおとなしげな人は一体誰なんだろうか?

「ああ、さっきのは俺だ」

「?」

?、何を言っているんだ?

さっきの人は、たしかに大人しかった、いくらなんでも、性格が違いすぎる

しかし、ドラークはさっきのは自分だという、これは一体どういうことだろうか?

「俺の機種は特殊な類でな、少し厄介な機能がある。多重人格システムだ」

 

そ れ は ひ ょ っ と し て ギ ャ グ で 

 

ハッ、僕は何を思ったんだ

僕はあふれんばかりの疑問を押さえ、彼の話に耳を傾ける

 

「信じられない、って顔だな・・・やるか」

そういうと彼は(元からあぐらをしていた)下をうつむき、なにやら真剣に考え事をしているようだった

そうおもったら急に顔を上げた

「やあ、性格変わったでしょ?」

 

あ、ありのままの事を言うっ・・・・!

 

渋めなイケメンだと思っていたら、急に目付きも声も子供っぽくなった・・・・!!

コイツ・・・天然キャラとかキレるとキャラ変わるとか、そんなチャチャなもんじゃ断じてない・・・・!!

なんかとてつもない片鱗を味わった・・・・!!

 

某漫画キャラの言葉を使えばこんな感じである

 

「・・・なんか凄いね」

かろうじて言葉を出す

「そうでしょ?でも本当はこのシステムは姓変換システムで女になるハズだったんだけど「やっぱギャプが激しすぎる」っていう要望があったら仕方なくこういうシステムに変更しざるを得なくなったんだよ」

 

・・・・何開発事情言ってんだ・・・?

 

「ところで、君の友達を紹介してくれないかな?それにこの街を案内もして欲しい」

 

・・・・こいつ・・・・・

 

「・・・・・」

 

僕には、友達と呼べる存在なんて一人もいやしない

 

「・・・友達、いないんでしょ?」

 

「・・・!」

 

・・・・このッ・・・・狸がッッ・・・・!!!

 

「図星・・・だよね。うん、隠さないでいいよ、全部知ってるから」

「なら聞くなッッッ!!!」

 

僕は怒鳴った

腹の底から

 

「・・・すまん、だがどうしても言わなくてはいけない事がある」

 

・・・性格変わった・・・

 

「お前の学校、いやクラスに源春名って子がいるだろ?・・・・・お前はそいつと将来結婚する運命だ」

 

 

僕の全ての感情、および思考が止まった

 

 

 

「そのハルナって気が強くて、僕のクラスで最も気が強いんじゃないかって言われる存在で、僕の席の後ろにいるあの源春名の事?」

 

「ああ、その春名だ」

 

「なんで結婚すんの?」

 

「なんでって言ってもな・・・気が合ったからなんじゃないのか?」

 

「そんな訳ない」

僕は断言する

 

「ならお前、春名と会話した事がないのか?」

 

「・・・・あるけど」

 

確かにある。だがその殆どは言い争いに近い物である

 

「春名は、この時代、他の男子とは一度も五分五分の言い争いをした事がなかったそうだ」

 

ドラークは言う

恐らく、未来の、僕の妻の「春名」が話した話であろうその言葉を

 

「だが有野だけだそうだ、五分と五分の言い争いで、どちらも引き下がらなかったのは」

「・・・だからなんだよ」

 

「本人いわく、「彼の前だと自分の本当の事が言えるし、彼も本音で話してくれた」らしい」

「・・・・」

 

僕が知る春名は

 

気が強くて、わがままで、喧嘩がつよそうで、自分の事しか考えてない春名である

 

だがその本心は?考えた事もない

 

「・・・」

 

「今の話は信じるのも信じないのもお前の勝手だ」

そしてドラークは言葉を続ける

「だがもしその言葉を信じるなら、それが真実かどうか知るために俺は色々手伝う」

 

「・・・もし信じなかったら?」

「信じさせる為に、俺は奮闘するさ」

 

「フン・・・・結局君はここにいるのか・・・」

「ああ、シンジから言われてるからな、帰るわけにはいかないさ」

それにとドラークは続ける

「お前をまともにさせたいって俺は思ってる」

 

「・・・・フン、いいよ、分かった。付いて来て、僕の同級生が大体いる所に・・・行く・・・」

 

なんという事に気が付くんだ、僕は

 

この未来からの使者、ドラークをなんて紹介すればいいんだ・・・?

 

「・・・今、お前、俺をどう紹介するかをやっと気が付いただろ?」

「・・・うん」

「そうだよなぁ・・・俺もさっきから考えてるんだ」

「・・・どうしよう?」

「ん〜・・・・とりあえず」

そういうとドラークは空間に手を伸ばした

するとその空間が水溜りの波紋のようになり、ドラークの手がその波紋の中に飲まれた。いや手を突っ込んだと言った方がいい

「何、ソレ?」

僕はなんとか驚きを隠すと言った

「ああ、これか?時空倉庫っていうもんでだ・・・」

ドラークは手を戻した、手にはなにやら黒い液体が入った瓶が握られていた

「どんな時代でも、どんな場所でも時空を歪めて自分の専用の倉庫に手を突っ込んで取る事ができるんだ」

さてと、ドラークはそう言い、普通サイズの注射器をどこからか取り出し、おもむろに黒い液体が入った瓶の中に注射器を入れて、注射器の中に黒い液体を入れた

「こいつは髪の毛の色を変える液体でな、少し色を変えるのさ」

そう言って自分の腕に刺した

注射器の中身がどんどん入るにつれてドラークの髪の毛がどんどん青から黒へ変わって行った

「日本人っぽいだろ?」

 

YESとしか言えない立派な黒髪です

でも立派すぎてなんか墨をかぶったような感じがします

 

「ん、その顔は少し黒すぎっていいたそうだな、まぁ時期に丁度よくなる」

 

その時、下からドアが開く音とただいまという声が聞こえた

「あ、ママだ・・・」

そのとき有野の思考回路は「ママになんて言うか」に切り替わった

「お前の母か、確か名前は冬子、旧姓は佐中(さなか)だよな?」

「旧姓までは良くわかんないけど・・でもどうしよう?」

 

ママにどう説明すればいいのだろうか?

 

「心配するな、俺を見れば大概の事は承諾する筈だ」

ドラークはまるでビー玉のような緑の目玉を輝かせて言った

 

・・・緑の目玉もなんて言おう?

 

そんなドラークの自信に任せていざ一階のママがいる台所へ

・・・もっとも、まだ台所にいるとは分からない、ひっょとすると階段を下りたら鉢合わせ、なんてことも

 

「あら有野、ただいま・・・その人は?」

案の定、階段を下りたら鉢合わせであった

「ん・・・と・・・、なんかこの人はママと知り合いって言ってるんだけど・・・」

 

間違った事は言っていない

実際、ドラークはママと知り合いだ、と言ってはいないが「会えばわかる」という程である。多少の認識はある筈である

 

「コンタクトにしたのか?メガネのお嬢ちゃん」

 

ドラークが言う。そうすると見る見るうちにママの表情が変わる

 

「貴方は・・・まさか!あの時の耳なし猫さん!?」

ママの表情は、目は泣きそうで、顔は嬉しそうだった。ひさびさの再開といったところなのだろうか?

 

ここで修正しておくけど、ドラークが「メガネの(略」と言ったけど、ママは30代後半である。メガネはしていないがコンタクトである。みんなから「お前の母ちゃん、ほぉんと若いよなぁ・・・」と言われている

ドラークは文字通り(?)耳なしであるため、猫には見えない、というかロボットにすら見えない

 

「お仕事、どうなりましたか?」

ママは荷物を置いてコンタクトをはずした。どうやら本気で泣くらしい

「お陰様で、今じゃ結構有名になった」

 

ここでふと疑問に思う

 

いや、「ふと」所のレベルではない

 

ママとドラークに一体何があったんだろう?

 

「ねぇ、ママ、この人と一体何があったの?」

「この人はねぇ、ママの・・初恋の人なの・・・」

 

 

                                             

 

      ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!   

       cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__   ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・   

                                             

            ,. -─- 、._        

            ,. ‐'´      `‐、         , ‐''´~   `´ ̄`‐、

       /           ヽ、_/)ノ  ヽ‐'´            `‐、

      /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ  ≦               ヽ

      i.    /          ̄l 7  ≦   , ,ヘ 、           i

      ,!ヘ. / ‐- 、._   u    |/    l イ/l/|/ヽlヘト、      |

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(AA略)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「それは困るな・・・俺が初恋だなんて・・・」

ドラークは言う

「俺は、アンドロイド・・・いやロボットだ、悪いが、ママさんが俺を好きになるのは勝手だが、俺は何も思ってはいない、それに、アンタは一児の母だろう?浮気はまずいんじゃないのか?」

 

「それは分かってるわ。多分、当時なんか初恋だなんて思っても居なかったと思う、でも、今考えれば初恋だったんだーって思うわ、大丈夫、もう大分昔だし、今は有野もいるし、お父さんもいるわ」

 

「そうか、それならいいんだ」

 

「・・・」

 

あまりの衝撃のため、頭が機能を停止している

 

生命活動が停止してないのが不思議なぐらいだ・・・

 

いや、心理機能がやばいんだ、なんというか複雑な気分である

 

「・・・で、ドラーク、なんでママを知ってるの?」

ドラークはふぅと息を付くと言った

 

「昔、俺がロボットとして造られて、シンジに拾われて、それで色々改造を受けたんだ」

「話しが長くなりそうだから台所でおやつでも食べながら聞きましょう」

さすがママである。話の規模を瞬時に把握して台所で座って聞いたほうが良いと思うとは

 

と、言うわけで台所のテーブルに座った

テーブルの上にはおやつがある

 

「それで?」

僕はおやつを食べながら言った

「有野、食べながら話すのはいけないわ」

「ごめんなさい」

 

まぁこんな会話をしつつドラークは話を再開した

 

「俺は多用戦闘ロボットとして改造を受け、その改造の成果というか性能を見るため、あらゆる実験をやらされた」

「たとえば?」

僕は言う

「砂漠で銃を持たせれて簡単な射撃訓練から本当の実戦のような訓練、アマゾンおよび湿地での機動力のテスト、海はどれぐらい潜れるか、プロの軍隊相手に三日もかくれんぼしたり、宇宙での作業もやらされた」

「きつかった?」

「ロボットにキツイだの、疲れただのという感情はないが、人間で言えばキツかっただろうし疲れるだろな」

「それで、最終的には時間を移動するテストって事?」

「ああ、実際アンタと出会ったって別れた後も、実験はつづいたが・・・」

「ママとはいつあったの?」

 

「冬子さんがいった通り、時空移動の実験の時、俺は冬子さんがちょうど有野のような年ぐらいの年代に飛ばされた」

さらにドラークは続ける

「あの時は当時最新鋭の光学迷彩服Optical Camouflageを装備していた。あの頃は多少不具合はあったものの、通常の肉眼では確認はできないハズであったが・・・」

「私は、なぜかドラークを見つける事ができた」

「ああ、あの時初めて俺は恐怖という感情を実感した・・・あれが戦場なら俺は破壊されていた」

「なんかリアリティーがあるね」

 

こうして聞くとロボットみたいだし、自分がロボットである事を自覚しているし

 

「それで・・・さっきから気になっていたがそれはなんだ?」

ドラークは僕が食べているおやつを指を指していった

 

「これ?これはドラ焼き、未来にはないの?」

 

ちなみに、僕はこしあんが好きである

 

「いや、多分あると思う、ただシンジの奴が食わせないだけかも知れん」

「食べ物を食べる必要性はあるの?」

ママは言った

「ないと言うと嘘になるが・・・一様、IKN02型は食べる事でも活動エネルギーを得る事が出来る。だが普段は携帯用の電池や充電で済ますが・・・」

「そういえばあなた、動力はなに?ガソリン・・・な訳ないわよね?」

「動力源は空気中のあらゆる原子や粒子を使い回すという「原子タービン」と、電気をためて動く「プラズマ蓄電装置」、食事をする事によって起動する「食事モーター」。威力は、プラズマ蓄電>食事モーター>原子タービンの順となっている」

 

「なんかすごいね」

僕は言う

「ドラちゃんも食べる?」

 

ママの一言の後、一瞬の間があった

 

「・・・ドラ・・ちゃん・・?」

ドラークは驚いたように言った

「あなたドラークっていうんでしょ?なら略してドラちゃんって」

「・・・まぁいいが・・」

ドラークはしぶしぶ了解した

「それで、ドラちゃんもドラ焼き食べる?」

ママは袋からもう一つドラ焼きを出した

「・・・いただこう」

そう聞くと、ママは「はいどうぞ」とドラ焼きをドラークに差し出した

ドラークはそれを受け取ると一口口にした

「・・・」

しばらく自分が食べて、歯型が付いたドラ焼きを見詰めた

「どうしたの?」

僕は聞く

「・・・うまいな・・・これ」

ドラークは思い出していた

 

自分の記録ファイルの中を

 

1.8秒ほどの時間を掛けて

 

「(この味は・・初めて口にした、カロリースティクの味・・・だ)」

 

あの時・・・シンジと俺が始めて、出会った時・・・

 

シンジは一戦し終えた俺に、一本の栄養補給剤「カロリースティク」を差し出した

 

あの味は、俺は忘れる事が未だにできなかった

 

まさか、あのカロリースティクはドラ焼き味だったとは・・・

 

「どうやら口にあったようね」

ママはにっこりと微笑んだ

「ああ・・・ごちそうさま」

ドラークは一気にドラ焼きを食い尽くすと静かに言った

「さて・・・行くか」

「どこに?」

ふいに言ったドラークの言葉に、僕は反射的に言った

「決まってるだろう、お前のダチに合いに行くんだ」

僕ははっとした

「そう、じゃあ頑張ってね」

そういうとママは買い物袋にある食材を冷蔵庫に入れるため、漁り始めた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「で」

 

有野の部屋ではない、どっちかと言うと女物の多い部屋

というか女物の部屋で、一人の少女が機嫌が悪そうな態度で、男二人を見ている

一人は自分と同い年、もう一人は明らかに20代後半の青年、というか青年を通りこしているかも知れない

 

「つまり、あんたは有野をまともにする為にこの時代に来たって訳ねぇ・・・」

少女の名は源春名、有野のクラスで一番、男子も女子も含め、最も気が強いんじゃないかって言われる存在である

 

「信じてくれるの?」

ドラークは、性格を「子供並モード」にしている

「証拠見せなさいよ、証拠」

春名はドラークの方を向いて言った

「証拠を?」

ドラークは言う

「そう、証拠。未来のロボットだかアンドロイドだか知らないけど、未来から来た、っていう証拠がないんじゃ信じられないわ、たとえば首が取れるとか、手首の皮を剥ぐと機械の手だとか・・・」

「すまないけど、そういうのできないんだ」

「じゃあ、何ができるの?」

「ん〜と、時空から物を取り出すとかそんな所かな・・・、あ、丁度良いのがあった」

そういうとドラークは空間に手を突っ込んだ

 

入れた腕を中心に水の波紋の様になった

 

「あ、これは時空倉庫で(ry」

※ryは以下略のローマ字式の略です

 

春名はすごい・・と言いそれを目を大きくしてみている

 

 

あのーすみません、僕、さっきから話に介入できません

 

「「アシストロイド製造カプセル」〜」

 

そういうとドラークは空間からカプセル式の薬の箱詰めみたいなものを取り出した

 

「・・・何それ?」

「アシストロイドという小型の簡式多用ロボットを造るカプセルで、これを地面に蒔くと五分でできる物なんだ」

 

春名はへぇーと納得したのかしてないのかよくわからないような声を出した

 

「ま、論より証拠、庭に少し蒔くね」

そういうと、ここは二階という事になるので、ドラークは窓を開けて箱からカプセルをとりだした

カプセルは人差し指の先っちょから関節までの大きさをしていた

 

※よく分からないという人は、とりあえず左の手の平をみて人差し指を見て、関節が二つあるけど下から二番目の関節から先っちょまで見てください、それです

 

それをニ、三粒取り出して庭に投げた

 

「これで五分もすればできるから」

「・・・時空に手を突っ込む時点でもう十分いいんだけど・・・」

 

ちなみに、この時点で言うのも難だけど、春名は、僕と結婚する事は聞いていない。というか話さないほうが言いとドラークは言う

今の春名にこの事を言うと、何をするか分かった物じゃない。らしい

僕もそれには同感した

 

僕は知っていた、春名がキレるとどうなるかを

 

・・・あえてここではどうなるかを説明しないけど

 

いや、でも説明した方がいいかな?・・・キレた現場を見た人物として

 

言葉で当てはまるとこの言葉が一番キレた春名に相応しい

 

「ハルマゲドン」

 

以上、暇に任せた余談でした

 

そんなこんなで五分が経過した

 

僕の目の前には三体のドラークを二頭身にして、もっとロボットらしく、ごつくした物だけど、それらには愛嬌さえ感じる事ができる

それは簡単にいうとドラークのミニ版である

 

「・・・かわいい」

春名がまるで子猫を見るような目でそれらを見ている

 

「これの正式名称は、「アシストロイド―IKN02カスタムタイプ―」なんだ」

「へぇー」

春名はそういっているが全く話を聞いておらず、目の前に居る動く人形に夢中であった

春名はその人形を撫でたりしている

 

「あ、いけない」

春名はハッと時計を見る

 

「私、これから図書館に行かないとなんだ」

 

「図書館?」

僕は言う

 

「純一と一緒にいくの」

 

「そう」

 

純一、それは僕のクラスで知らない者はいない

天才と呼ばれるその少年は、将来総理大臣になるんじゃないかと言われている

 

「それじゃ僕らは帰るよ」

「帰るの?」

 

不満そうにドラークが僕を見ている

 

僕と純一は、対象的であるとされている

僕は時々起きていて、テストで100点を取る事ができる

だが、純一はテストになるとかならずといっていいほど100点、または100点に近い点を取る

―同じ頭脳を持っていても有野みたいにはなりたくない―

そうクラスでは囁かれている

 

と、いう事を帰り道、ドラークに話した

 

「・・・純一、苗字は咎野(とがの)・・・将来、この国の総理大臣になる人物だ」

「やっぱり純一は総理大臣になるのか・・・」

「ああ、だが結婚相手は春名ではなく、宇宙人という事になっている」

「・・・なんで宇宙人?」

「知らん」

 

―ドラーク―

 

「ん?」

 

―ドラーク、聞こえるかい?―

 

「シンジ・・・か?」

 

「どうしたの?」

 

―あ、これ時空通信なんだ、直接電子頭脳を刺激しているから喋らなくてもいいよ―

 

「すまん、シンジと通信が入った。先に行っててくれ」

そう言うと、シンジはすんなり家へ向かった

 

―純一の存在を知ったでしょ?―

 

「(ああ、やっかいになりそうだ)」

 

―君はなんとしても、御祖父ちゃん、つまり野上有野と源春名の関係を良くしていかないといけない―

 

「(どうしろというんだ?・・・俺にはキューピットの代わりはできない)」

 

―僕も良くわからない、でも、二人が結婚する事ができるのなら多少歴史が変わっていいんだそうだ―

 

「(多少?)」

 

―そう、核戦争が起こる。なんてのは駄目だけど、御祖父ちゃんのクラスの担任が謎の負傷で他の教師と交代したり、南米あたりの国の政権が変わったりするぐらいまでいいそうだ―

 

「(・・・そんな適当でいいのか?)」

 

―さぁ?僕にもわからない―

 

「(・・・・)」

 

―ま、そんなこんなでがんばってね―

 

「・・・・やれやれ」

 

代わりばえのしない、有野の家へと続く道路

ドラークが立っているはそんな道である

ただ家が建ちならび、ただブロック塀がキチッと並んでいる舗装された道路である

2003年の都心からある程度離れた街のありふれた光景

 

その道を、やれやれとぼやきながら歩く一人の青年

 

この道の先にあるのは、想像を絶するほどの物があるとは、まだある程度しかしらない


第三話 〜ミッション01「学校へ行こう」〜

 

ドラークが有野と会い、3日ほど経ち、2003年の暮らしにも慣れてきたある日の事

 

「ねぇ、ドラちゃん、ちょっと有野にお弁当届けてくれない?」

有野の母、冬子が、ドラークを台所へ呼んでそう頼んだ

「今日、有野の学校で給食なしなんですか?」

ドラークは子供並みモードで会話を続けた

「そうなの、有野も私もすっかり忘れてて・・・だからお願い」

「わかりました、行ってきます」

 

 

有野の部屋、屋根裏

 

「(・・・という事になったんだが・・・)」

ドラークは、有野の屋根裏を部屋として使ってもいいと許可を得ている

−よし、それじゃあドラーク、今すぐ光学迷彩装置を時空倉庫から引き出して、学校へ侵入するんだ−

「(・・・普通に「弁当届にきました」って言えばいいんじゃないか・・・?)」

−それじゃロマンがないよ、大丈夫!絶対にバレないから!−

 

かくしてドラークは21世紀に来てから始めての潜入ミッション(スニーキング)を開始する事となった

 

ドラークは21世紀の日本で一般的に着られている服を着て学校の校門前まで行った

 

※ここから先はメタルギア風な音声だけでお楽しみください

 

「(こちらドラーク。校門前に到着した)」

−よし、そのまま玄関を使って校舎の中へ急ぐんだ。今授業は四時限目、後10分も時間はない。子供の移動時間も考えると15分ほどだ−

「(了解、迷彩システムを起動する)」

 

「(シンジ、駄目だ。玄関からの進入ができない)」

−なぜだい?ドラーク?−

「(監視カメラだ。監視カメラが玄関前に設置されている。ドアも全部閉まっていて、開ける以外に進入する方法はない。どうすればいい?)」

−裏口へ行くんだ。恐らく裏口にはカメラは設置されていないハズだ−

 

「(ドラークだ。裏口から校舎内に侵入した)」

−OK。それじゃさっき僕が送った校舎内のMAPでおじいちゃんのクラスへ向かうんだ−

「(了解した)」

 

「(シンジ、向こうから先生と思われる男がこちらへ向かって来る)」

−大丈夫さ、光学迷彩装置は3時間持つ、絶対にばれないさ−

「(いや・・・実は移動中に走っていて、どうやらその時音が出てしまい、「廊下を走るな!・・・アレ?いない・・・?」という訳で・・・)」

−無音装置を起動するんだ。それと無臭装置も一様起動させておくんだ。そうすればある程度は緩和されるはずさ−

 

「(今有野の教室の前に到着した。任務を遂行に掛かる)」

−OK、わかった−

 

イベント突入

 

教室に入るドラーク

そこは6月という事もあり、窓のカーテンがゴワゴワと外に出ていたりして、夏本番を前に涼しい風が吹いていた

 

ドラークは周りを見渡し、今教室は、皆体育で出払ってる事を知り、有野の机の所へ向かった

 

絶えず、教室のカーテンは、外へ出たり中へ入ったりして、風がある事を知らせている

 

「よし」

 

ドラークは有野の机に弁当を置くと、そう呟いた

 

「・・・ん?」

 

急にドラークの目の前に「danger(危険)」という文字が出ている

ドラークはアンドロイドである。こういう事があっても不思議ではない

 

「・・・強力な電磁場が発生しているだと!?」

そうドラークが言うと同時にあたりは一瞬、雷のような物が発生したと思ったら、周りがたちまち違う空間と化していった

 

 

 

 

「馬鹿なッ!?21世紀に異次元空間を発生させる技術はない筈だ!」

そこは暗い、しかし部屋のような物ではなく、黒い空間、と言ったほうが良いだろう

 

「(シンジ、シンジ聞こえるか!?)」

ドラークは時空通信を試みた

−ザザザザ・・・ド・・ザザザ・・ク・・? き・・ザザザザ・・えない・・ザザザ−

「(時空通信は不通・・・GPS機能も不通・・・ここは一体どこなんだ!?」

そう言うとドラークはズボンに隠していた銃を取り出した

「(対有機物用に作られた TYH−12・・・有機物の神経に直接電磁パルスを流す電磁パルス弾を21発装填可能とされる・・・本来、有機物の活動を一時的に停止させる牽制型半自動拳銃は、時空倉庫も使えないこの状況だと大いに助かるな・・・まったく、いつから俺は軍人になったんだ・・・)」

 

その答えは既にドラークは出していた

その答えは「自分がシンジに拾われて、改造を受けた」からである

当然、その事はドラークも知っていたし理解もしていた

 

「(前方に生命反応・・・?地球上の生物データーにどれも当てはまらない・・・?宇宙人か・・?いや、違う・・・なんだ?」

 

「それ」は上からやってきた

 

「それ」は巨大であった

 

「(なんだ・・・・この生物は・・・・)」

ドラークの目の前にいる生物は、巨大化したコオロギかバッタのような生物であった

 

「ギィィィィィギャャャャャァァァァアアアア!!!」

コオロギのような生物は、悲鳴のような鳴き声を出し、ドラークを見た

「(やる気・・・・か)」

そう思うとドラークは無言のまま右手に持ったTYH−12をコオロギに向け、構えた

「ギャャギィィィィィ!!」

コオロギは、ドラークの方へ飛んだ

実はコオロギとドラークは50メートルほどの距離があったのだ

 

「ッ!」

ドラークは横に転げるような形を取り、本当に落ちてきても大丈夫なようにして、TYH−12を2、3発発射した

 

「グギャヤヤヤヤアアアアア!!!」

飛んでいる最中に横から未来の結晶ともいえる弾を全弾(3発)食らい、痛そうな鳴き声を上げる

 

「やったか・・?」

ドシン、と巨大なコオロギは横たわる。それを見てドラークは呟く

「グググゥ・・・グギャグギャ!」

しかし、コオロギはピクピクと足をジタバタさせ、まだ死んでもいないし、気絶もしていないようである

「こいつ・・・!」

ドラークは止めを刺すため、もう一度銃を構えようとした

「・・・!?」

ドラークは旋律した。体が動かないのである

「これは!?」

ドラークは、自慢できる程のデータベースを洗いざらい上から下まで調べた

こんな「金縛りのように動かない」という経験や装置は体験していないし、知らない

アンドロイドは、融通の利かない物だとという考えがある

それは完全に普及した22世紀ではそれは嘘だと実証されているのだが、それも言う人は言う

それは、「自分のデータベースにインプットされていない事態や場面に遭遇した時、どうしていいか全く分からなくなる」という考えがあるのである

当然、当初はそうであるが、完全に普及し、なおかつ軍事面でも多く普及している22世紀のアンドロイドはかなりの判断力と柔軟性を持っていた

特に、地球を代表する技術者、シンジが自ら改造を施したドラークは「より人間らしく。より人間臭く」を前提とされている

だが、そんなドラークでも、「謎の生命体に襲われ、なおかつ体が金縛りになった」という事態ではさすがにどうしていいかわからなくなる

大丈夫、人間でもどうしていいかわからないから

 

「グググゥ・・・グギャャオッ!!」

コオロギは体制を立て直し、ドラークを見た

「(どうすればいい・・!?どうすれば!?)」

コオロギがドラークに飛びつく瞬間、空間に亀裂が入った

そこからカッターと見間違えるほど鋭利なしおり型の紙が4枚目にも止まらぬ速度で投げ込まれた

 

と言ってもドラークはアンドロイドなので、目には止まってます

 

 

「ギギャャャアアアアアア!!!」

その紙がコオロギの背中に刺さるとコオロギはもがき苦しんだ

 

「・・・動けるようになった・・・?」

ドラークはなぜか動けるようになり、自分の手や銃を見た

「一体何が・・?」

一体何が起きているか分からないドラークは呟く

 

「どうして学校に妖獣が入り込んでくるのッ!」

ふと、声が聞こえた

それは亀裂が入り、ぽっかり縦穴が開いていて白い光が差し込んでくる方からである

「油断も隙もないんだからッ!」

それは女の声であった。それも10代にもならない少女の声であった

 

「カラリンチョウカラリンソワカ!式神よ、妖獣を攻撃せよッ!」

そう言うのが聞こえると、縦穴が開いている中(外?)から神々しい大きな鳥が飛び出した

 

その大きな鳥はコオロギをくちばしで突付いたり、翼で打ったりして攻撃をしている。ギギャャャアアアアアアとか叫んでいるから効いてるらしい

「そこの人ッ。大丈夫なの?」

どんどん声が大きくなっていく。どうやら声の主がこちらへ向かっているらしい

ふと、白い光が出ている縦穴に、一つの人型の黒い影が出てきた。恐らく、声の主であるのは間違いではないらしい

「もう大丈夫だよッ!こっちへ来てっ!」

 

ドラークは声の主の言う通りに従った

 

ドラークは迅速に恐らく出口と思われる縦穴の所の所へ向かった

影の主が見えた瞬間であった

「ッッッ!!!人形!!??」

 

ドラークはこの瞬間、瞬時に頭の中で呟いた

 

「初めて人形扱いされた・・・・」

 

作られてかれこれ5年

 

今まで、彼は幾度となくあらゆる正念場や境遇を掻い潜って来た

しかし、「電化製品」と罵られた事はあるが、「人形」と言われたのは作られて初めてである

そして次に思ったのはコレである

 

「なんで人じゃないって分かったんだ・・・?」

 

ドラークは猫型アンドロイドとして作られた

しかし、生産工場をテロリストに襲撃された際に、猫の証である耳と尻尾は破壊されてしまい、それ以来であった

時折、任務や何かで耳を着ける事はあるが、それも数える位である

 

ドラークは猫型とかいいつつ、耳や尻尾がなければ人間と変わらないのである

 

むしろ、人間ではない事がバレたら、きっとそのわかった人は人間じゃない。と言うぐらいに人間に近いのである

まぁ、もっともこの思考をするのがたった一秒も掛からずに考えるので、人間ではないが・・・

 

 

「あんたは?」

ドラークはとりあえず驚きを隠し、その少女に聞いた

しかし、ドラークは内心、人形といわれる他に驚く事が彼女にはあった

その少女は、9歳ぐらいで、丁度ここの2、3年生ぐらいであった

 

しかし、問題はそこではない

ここは小学校である。当然ではある

問題は彼女の姿である

 

 

どこの神社から盗んできたか貰ってきたか、それともアキバかどこかで仕入れたのか不明だが、白の小袖に緋色の女袴、そして頭の髪飾りは金色のカンザシらしきもの

これは明らかに巫女装束であった

・・・とりあえず、ここにはいないが、シンジ氏に感想を聞いてみよう

 

「●欲をもてあます、ドラーク、お持ち帰りにすr(強制終了)

※この場では相応しくない言葉があった事を深くお詫びします

シンジは元から「子供好き」だったのかも知れないが、とにかく、そんな奴らをここまで言わせる程、彼女は「似」合っていたのだ

 

まぁ、変な事抜かすシンジの感想はそこらに捨てといて、だ

 

「私の名前?郷田 笑美(ごうだ えみ)って名前だけど・・・。あなた、持ち主は誰なの?ご主人様の所へ行かなくて平気なの?」

ドラークは、うーんと苦しい声を出したが、すぐに言葉を返した

「俺は人形じゃない、未来から来たアンドロイドだ。一様猫型の」

「アンドロイドって・・・、何しに来たの?誰か殺しに来たの?」

「いや、違うが・・・そんな事より、あの鳥はおまえさんの連れの鳥じゃないのか?負けそうだぞ?」

ドラークが指差す方向には先ほどの大きな鳥と、大きなコオロギが格闘している方であった

 

先ほどとは打って変わり、なんかコオロギが糸吐いたりして、大きな鳥が絡まって、負けそうである

 

「ああっ!スザちゃんがッ!戻れッ!」

そう叫ぶと大きな鳥はバシッ!と糸を払い、こちらへ向かってきた

 

・・・なんだ、払い退けるほどの力がまだあるじゃん・・・

とドラークは思っていた

 

大きな鳥は次第に飛行速度を落とし、恵美が持っていた紙の中に吸い込まれていった

それはまるで、小鳥が自分の巣の中へ入るかのように

 

「さて・・・とッ」

恵美はふぅと息をついた

「どうするんだ?攻撃なら俺も手伝う」

「・・・いっとくけど、妖獣に普通の武器は効かないよ。軍隊が使うロケットランチャーや戦車の主砲なら効くかもしれないけど」

恵美は呆れたように言った

「その点なら心配しなくて良い。この銃でさっき僅かだが動きを止めた事ができたからな」

そう言って未来の銃、TYH−12を恵美に見せた

「・・・まぁいいわ。危ないと思ったらすぐ逃げて良いし、私一人でもあんな低ランクの妖獣。1匹ぐらいならなんとか倒せるし」

そう言うと二人は妖獣と言われる大きなコオロギを睨むように見た

コオロギも唸りながら二人を見ている

不意に、恵美が口の左右を大きく開き「ハーッ」と息を吐き出した

「それは?」

ドラークは不思議そうに言った

「六気法。木・火・土・金・水の五行に相火である三焦を合わせて六気とし、体に溜まった邪気を体外に吐き出すとされる呼吸法。六気に属する固有音を頭のイメージの中で発しながら下腹をへこますようにゆっくりと息を吐き出し、その後に鼻から下腹を膨らますように息をゆっくりと吸い込む。それによりお払いなどを仕事とする私達「陰陽士」は格闘などの接近戦に有利となる。ちなみに今やったのは土の呼吸法。こういう異次元空間では何しても良いから適当にしたの」

 

※詳しくはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E9%99%BD%E5%B8%ABのサイトで

 

「・・・分かった。それじゃ、そろそろ行くぞ」

「うん、それじゃ、おじさんは真ん中から行って奴の注意を集めて、私は横から攻撃する」

「了解。それじゃ1、2の3。で開始する」

うん、と恵美がうなづく

 

「1」

ドラークは呟く

 

「2の」

コロオギは絶えず二人を見ている

 

「サンッッ!!!」

ドラークはコロオギに向かって駆け出した

その横を、恵美が走る

 

「ッ!」

ドラークは走りながらTYH−12を乱射する

 

TYH−12の思考照準は確実にコオロギの頭部を狙い、確実にパルス弾は頭部に命中している

それでもなお叫び続けるだけのコオロギは、やはりその銃が気絶目的だと言う事を物語っていた

 

叫び続けるコオロギは、痛そうな叫び声を出しつつ、懸命に攻撃をした

先ほどの鳥に使った糸攻撃である

 

「!!」

ドラークは緊急停止→横に転ぶように回避→銃で反撃と言った、どこぞのアニメかゲームのキャラのような、それもエースや神技プレイと言った肩書きで、という位、華麗に、かつ迅速な行動を見せた。

 

ふと、ある事にドラークは気づく

 

弾切れである

 

「(予備はあるッ!)」

ドラークは準戦闘アンドロイドで、武器がなければ戦闘できないタイプであり、なおかつ幾つも戦場を潜り抜けてきたツワモノである。臨時の戦闘で使う、気休めの銃の予備の弾ぐらい普通に隠し持っている

 

ドラークは、予備の弾倉を探す(ズボンの裾中?ポケットじゃない)→攻撃を避けながら=横に転ぶように→リロード→絶えず避ける=絶えず横に転ぶ。というどこぞのゲームで、弾が切れてのリロード中の現象をそっくり出していた

 

そうこうしている内に回り込んだ恵美が来た

 

「おりゃぁぁぁぁぁああ!!」

そう言って、何故持ってるか分からないが、槍を持っていた

恵美は長さ7メートルほどの素槍を小脇に抱えて、どうやって飛んだか知らんが、平行に斜めを描きつつ、コオロギの胴体に突っ込んだ

 

 

「グギギギャャャャャャャアアアア!!!」

と、コオロギは最後の断末魔を上げて、力尽き、消えた

 

「やったみたいだな・・・」

ドラークは言った

「そうだね、ありがとう。あなたの名前は?」

ドラークは少し考えたが素直に言う事にした

「ドラークだ。それで聞きたい事がある。お前は一体」

ドラークはそこまで言いかけたが、それを無視した恵美の発言が阻止した

「とりあえずあいつを倒したからこの空間はもうじき消えるから出よう、それにもうすぐ給食だから急がないと」

そう言って恵美はドラークの手を引いて走った

「おい、自分で走れる」

そう言っても恵美は聞こえないのか、それとも声が小さいだけなのか、無視しているのか不明だが、それでも手を引くのをやめない

 

「(たまにはこういう事もあってもいい、か・・・)」

ドラークは仕方なさそうな顔でやれやれとボヤいた

 

白い光が満ち溢れる竪穴を通り抜けるとそこは中庭らしい所だった

しかし、ここは中庭の端にあるおおきな木の下で、ここは校舎の中からではどこの位置でも死角になる所であった

 

「さぁ、着いた」

恵美は言う

「なぁ、いいか?お前は一体、何者なんだ?」

ドラークは恵美に聞いた

「私は郷田恵美、さっき言ったでしょ?」

「いや、その服装といい、さっきの戦い方といい、普通の小学2,3年とは思えないんだが・・・」

確かに、化け物と戦う小学生は基本的にいない

「この服装?これは陰陽士の服装で、陰陽士はあらゆる異常現象や怪奇現象を調べて、それを正すのが主な仕事なんだ」

「・・・そうか、分かった」

話が長くなりそうなので、早めに切り上げる事とした

 

どうやら、自分は「どこぞのヒーロー(ヒロイン?)VS怪奇現象を引き起こす妖怪」全面戦争に巻き込まれたようだ。とドラークは結論付けた

・・・しかも、変身はどうやら手動らしいし

 

「そろそろ帰る。それじゃあな」

ドラークは「こいつはやべぇー。はぇえとこ逃げたほうが良いな」と悟ったのか分からんが、とにかく長居は無用と判断し、立ち去ろうとした

「まって!あなた、もしかして野上有野って言う5年生の人の所に住んでるのッ?」

 

ドラークは思わず振り向いてしまった

 

「何故、そんな事が言える?」

ドラークはかろうじて驚きを隠した

 

「だって、あなたには魂がないけど、魂の匂いがするんだもん、誰かのかはハッキリしないけど、とにかく似ている人だと五年生の有野って人しかいないんだもん」

「・・・有野ってそんなに有名なのか?」

「ううん、家のお兄ちゃんが有野、有野って言うから、それに前に一度会った事があるから・・・でも、あの人、好きになれない・・・」

「・・・なんでだ?」

「人の気なんだけど・・・何か、こう、変な気が混じってるんだ」

恵美は不安そうな顔で、手でジェスチャーしながら言った

「でも、お兄ちゃんの友達だから、大丈夫だと思うけどね」

 

・・・一体どんな仕事なんだ、陰陽士って・・・

 

「とにかく、俺は行く。お前も給食なんじゃないのか?・・・着替えとかあるだろ」

「うん、じゃあね。また会おうね!」

恵美は元気に手を振って見せた。・・・輝かしい笑顔で

 

・・・恐らく、もう二度と会おう事もなかろう。俺はそう思った

 

しかし、夕方、その思考は脆くも崩れ去ることとなる

 

 

 

夕方 有野の部屋

 

「ドラーク、今日ありがとう」

学校から帰ってきた有野、少し笑顔であった

「ああ、どういたしまして」

俺は新聞を見ながら言った

「なぁ、有野、お前、下の学年に、郷田恵美って、女の子、知ってるか?」

そう言うと有野は表情を変えた

「恵美・・・って、あの武雄の妹の、ジャイ美の事!?なんで知ってるの!?」

 

一瞬の、間があった

 

「・・・・・・武雄って、お前のクラスの・・・ジャイアンツ好きで、ジャイアンの通り名の・・・・」

「うん、その武雄」

「・・・で、その妹の通り名は・・・ジャイ美で、本名は・・・恵美?」

「うん、そう」

 

また一瞬の間があった

 

「やれやれだぜ・・・」

 

ドラークは、恵美が最後に言った言葉を思い出し、まったくその通りになる事を悟った

 

その数日後、ジャイアンこと武雄と、その部下と言うべき存在の堀川 隆と、ジャイ美こと恵美が、有野の家を、訪問という名の襲撃をしたのは言うまでもない

※なお、有野の学校では、この日、5年と6年は弁当持参という事となっている


四話 〜ミッション02「データ収集」〜

 

 

−霊的存在に襲われたぁ?−

有野の部屋の屋根裏にて、ドラークの頭の中で間抜けな声が響く

 

「(ああ、映像データを送る。磁場が強かったからあまり綺麗ではないが・・・・)」

ドラークは胡座をかいて通信を起こっている

 

−そんなドラーク。この科学の発達したこの耀和(ようわ 未来の日本の年号)の時代。いや、そこはまだ平成だね。

あらゆる困難が科学で解決するその平成の世の中。科学の力ではどうしようもないうんくさい霊的存在なんて、居るわけがないじゃないか。

 

・・・と言いたい所だが、たしかにこの耀和の時代でも、そういう霊的系の仕事は存在しているし、ひょっとしたらその時代よりかなり認められていると言えるかも知れない。

 

だって科学の力で「科学の力ではどうしようもない事が判明」したからね。

 

とは言っても、いくら君が万能アンドロイドでも、対霊的用戦闘は想定してないから、ヤバイっていえばヤバイかもね・・・−

 

「ああ、だから、対ゴースト用の対抗兵器の開発を要求したい」

 

−要求って言ったって・・・相手は実態があるかないかよく分からないからね・・・情報も何もないから・・・まぁ、こうしよう

こっちでも、こっちの霊的系の仕事をしている輩を当たって情報を集める。君も恵美ちゃんに近づいて、対霊的攻撃方法の情報を集めるんだ。妖獣とかいう霊的存在についても集めればよりいい。

とにかく、集められるだけの情報を集めるんだ−

 

「了解」

ドラークは座ったまま敬礼をし、立ち上がった

 

 

 

任務内容 妖獣の情報を集める

 

 

「で・・・妖獣の事を教えて欲しいの?」

郷田邸、恵美の部屋

「ああ、今後、有野が巻き込まれないという保障はない、だからできる限りの妖獣の情報を得て、対策を練らなければならん」

ドラークは言う。

これより数分前、どうしようかとあれこれ考え込んでいた。なぜなら郷田家へ「恵美さんの能力について教えてください」と言って上がりこむ事もできず、そもそも恵美が自分の身内に正体を明かしているかさえ不明である。軽はずみな事はできない。

 

どんなに考えても、ダメなので、しょうがなく商店街へドラ焼きを買いに行き、たまたま本屋に恵美がいた。しかもオタ向け文庫系の「どうみてもオタ向けです、本当にありがとう」な作品を見ていたので、ドラークは一瞬怯んでしまったというのは、PCの前のみんなだけの秘密だYO!(byシンジ)

気を取り直し、なんとかコンタクトを取る事に成功したドラークであった。ドラークは「立ち話もなんだから私の家にきなよ」と恵美が言い、郷田家へ潜入に成功、そして恵美の部屋へ潜入することができた。

だが、ドラークはまた驚愕した。

恵美は、小学生で漫画を描いていたのだ。

内容は・・・この場では控えておく。

 

「そう・・・でもね、有野さんはなんだか可笑しな気がするの」

「可笑しな気?」

俺はそっけなく言った。

確かに、人並みはずれた頭といい、目付きといい、おかしいような気もしなくもないが・・・

「そういうのじゃなくて・・・なんだか、有野は人じゃなくて・・・妖怪?みたいな・・・」

馬鹿な、人を超えた存在なら、とっくに気づいてる筈だ。

遺伝子レベルも人間の領域だ。・・・もっとも、俺が実際に調べた訳じゃないが、それでも信用できる情報だぞ?

「もちろんそっくりそのまま妖怪って訳じゃなくて、もう何十代も昔に妖怪の血が混じってるだけでだけど」

恵美はかぶりをふった。

「・・・つまり、野上家には、得体の知れない生命体の血も混じってる、という事なのか・・・?」

だとすれば接し方にも変わるのだが・・・

「あー・・・だからもう何十代も昔だし、とっくに妖怪技とかできないと思うよ?私の読みから言うと、多分江戸時代後半、明治になるかならないかぐらいじゃないの?あそこ辺り、人間と妖怪が結婚するのがブームだったみたいだし」

・・・幕末は色々大変なんだな・・・

ところで、野上家は何の妖怪の血が入ってるんだ?

「うーん・・・ベターな妖怪じゃないけど・・・たぶん夢魔あたりなんじゃないかな・・・?」

・・・夢に出てきて悪さする妖怪・・・でいいのか?

「うん、それでいいよ。あんまし長く説明するとイロイロマズイから・・・」

そうか、じゃあ話がそれたから戻そうか。

「うん」

恵美は答える。

しかし、野上家が妖怪の血が入っているとは・・・・いつの日か野上家の家系を調べる必要がある。

 

「・・・で、妖獣ってなんだ?」

俺は基本的な事を言う。

「妖怪になれなかった下級の魔物。とはいっても強い奴は本当に強いから気をつけないと」

恵美は答える。

そいつの発生の条件は?

「基本的に、霊や変な気が集中している所、お墓とか、骨焼く所とか」

なぜこの前のように、普通の建物であの妖獣が出たんだ?

「よくわかんないけど・・・時々あるのよ、多分、新鮮な人の魂が食べたいからじゃないの?でも最近は結構多いから」

陰陽士とはなんだ?

「悪さをする妖獣や妖怪を退治する組織、階級があって、

5級 研修生 師匠となる人から基本的な事を色々教わる

4級 見習い 師匠が出す進級テストを受けてなる。師匠となる人物と実際に戦闘に出て実戦的な経験を積む。

3級 陰陽士 組織の公式な進級テストを受けてなる。弟子を卒業し自立する。弟子を持つ事は一年目は駄目だが二年目からいいらしい。一年に一回、維持試験があり、試験に落ちれば引退となる。

2級 上級陰陽士 陰陽士である程度の成績を出すとなれる。3級と同じで、維持試験がある。

準1級 陰陽士組織幹部 日本中の陰陽士を束ねる組織の幹部。2級からさらに功績を挙げればいいらしい。

1級 陰陽士組織上級幹部  日本中の陰陽士を束ねる組織の上級幹部。組織の長をサポートする。

0級 陰陽士組織長 そのまんま

あ、後私は一年目の3級だから」

 

「・・・わかった。もういい」

俺は話が長くなりそうなので、適当にきりの良い所できった

「そう?上級陰陽士はなんの特権があるか言おうとしたけど、いいの?」

「ああ、良い。所で、その組織の名前は?」

そう言うと、恵美は考えた。

「え?名前?「陰陽連合会」だけど・・・」

そのまんまな名前なんだな・・・

「うん、最初ビックリした」

ところで、なんで恵美はそんな組織に入ろうと?

「うーん?お母さんに「やった方がいい」って言われたから・・・」

それで、給料とかでるのか?

「うん、いちよう、お母さんを経由して来る。前回の奴で、千円貰った」

たった千円・・・

「うん、でも、何々買うからお金頂戴って言うと、出してくれる」

そうか、よかった。

って、俺はそれを聞きに来たんじゃない。妖獣に対抗できる力を知りに来たんだ。

「それじゃ、ちょっと学校行こっ」

そういうと、恵美は立ち上がり、俺の腕を引っ張った。

おいおい、これは少し、マズイんじゃないのか?

「ちょっと待て、一緒に行くとマズイ」

俺は口に出した。

「なんで?」

恵美はきょとんとした顔で見た。

「・・・少し距離を置いて付いて行く」

 

かくして、俺は恵美が通っている学校へついた・・・

「ん?ちょっと待て!」

俺は、学校の校門あたりにいる恵美を止めた。

恵美は振り向いてくれた。太陽が傾いていて、見にくいが、どうという事はない。

「なに?」

恵美は、距離があるので大きな声を出した。

「どうしても、学校の中へ行くのか?」

「そうだけど、何か問題でもあるの?」

「俺は、学校に入ったらマズいんじゃないのか?」

「保護者って事にすればいいんだよ」

・・・駄目だ。やはり恵美は小学生である。

小学生にプロの考え方はやはり無理であった。

俺は恵美の側まで近付いた

「俺は今から姿を消す。だがしっかりついていくから心配するな」

そういうと俺は光学迷彩を始動した。

 

その後、俺は恵美の後ろをしっかり付いていった。

 

「ついたよ」

そこは体育場であった。

両壁の4つバスケットボールのゴールがある。きわめて平均的な運動場である。

運動系部活がいると思ったが、そこには誰もいなかった。あるのは夕日の光があるだけである。

 

「じゃ、はじめるね」

恵美は、なにやら背負ったバックからでかい紙を広げている。

 

・・・大体予想は付いている。

 

 

恐らく、学校にまた妖獣がでたから、戦うところを見せるつもりらしい。

 

 

〜メンドイので略(マテ〜

 

 

その後、情報をある程度集めたドラークは、買い物の為のドラ焼きを持ってくるのを忘れて、夜になって恵美から届けられたという。

 

 

ミッション02「データ収集」−成功−

これでいいのかなぁ・・・byシンジ


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