アナザードラ 


第一話

この時間ではない、未来である空間、2113年の日本、東京

 

明るい

ここはいつ来ても本当に明るい

まあ、外の世界でも今は午前7時ぐらいだろう

明るいのは当然だ、ここはサイバー内なのだから

2105年からサイバー内へ行く事が可能になり、その翌年の2106年には一般人でも行き来できるようになった

しかし、問題は山済みであった

・・・小、中、高の学生の引篭もりの場、現実逃避者の巣、それらを狙う国外からのサイバーテロ等等

 

2108年に厳しい規制を徹底し、前者の二つは今の所なんとかなっている、だが国外のテロは防げない

なぜならテロリストは法律や規制の壁を壊すからである

 

なのでサイバーテロを防ぐための最新のブロックシステムなどを導入するがそれも長くは持たない

だからテロを引き起こす、だからみんな困る

 

 

「ドラーク?聞こえるか?」

いつも見慣れた顔が見えた

はいはい、聞こえてますよ、シンジさん

ったく、いきなり顔面付き通信を出なくてもいいだろうが

俺は今、サイバー内に居て、空間(サイト)と空間(サイト)を結ぶ通路(リンク)の中にいる

その通路(リンク)の真ん中でホログラム付きの通信をしている

「OK、今回の仕事はセントラルサイバー内にいる具現化しているウイルスを取り除く仕事だ」

シンジの野郎、俺がまだ返事してないのに勝手に、しかも笑顔で話進めやがった

「・・・で、なんで俺がこんな事しなくちゃいけないんだ?こういうのは専門の企業や他のやつに頼めよ」

俺はシンジの顔が映る画像付き通信に向けて言った

「それはさっき話しただろう?・・・・これは普通のウィルスじゃない、どこかの国のサイバーテロさ」

「・・・だったらなおさら俺じゃなくても・・・」

「今、軍や専門の業者も必死に修復している、だけどウイルスは非常に強力で梃子摺っている」

「・・・それで俺か?」

「そう、その通り!、ま、君は一人で宇宙艦隊相手にどうにかしちゃうほどのアンドロイドだしね。・・・ぶっちゃけ、何でも屋的な傭兵で、強くて、有名なのは君ぐらいしかいないからね」

 

確かに、俺は何でも屋的な傭兵、ドラークだ

元はただの対人交流用猫型二足歩行型アンドロイドだ、だが、戦闘プログラムはある程度叩き込まれていたが、その点を抜かせば他の市販のタイプと何も変わりはなかった

だが、『あの事件』により、俺はシンジに拾われ、より戦闘向きの体への改造や戦闘プログラムを叩き込まれ、多様型準戦闘アンドロイドとなった

改造やプログラム追加は俺も同意した、同意しなければこんな事にはならなかったんだが・・・まぁ後悔はしていないし、こうなるだろうとウスウス解っていたし、これまでの事は悪くはないと今は思っている

しかし、俺はイロイロやったな・・・ブラジルのアマゾンの中を一人で駈けずり回って武装テロ集団の秘密基地を襲撃したり、アフリカの小さな紛争でパラシュートで降下したり

宇宙では戦闘強化服、通称ドールアーマーの新作の試作品で敵国の宇宙艦隊を潰し回ったりもしたなぁ・・・・

 

 

って思い出に浸ってる場合じゃない

 

「あ、そうそう、君がもっているのは対ウイルスバズーカキャノンだから、宇宙用のパルスキャノンと同じ要領で使ってね」

「パルスキャノンって・・・あれは対艦様の武器じゃねぇか!」

 

パルスキャノン――レーザー光線を断続的に連射するキャノン砲、主に戦艦や巡洋艦などの戦闘艦などのミサイルなどの迎撃砲火などに用いられる

また、威力が高い事もあり、ドールアーマー(戦闘強化服)用に携帯型にした物もこれに値する

携帯用パルスキャノンは戦艦に積まれている物となんら変わりが無い

しかし、ドールアーマーという戦闘機の次世代機が持つことにより、『戦艦キラー』や『巡洋艦の解体者』とも呼ばれる非常に強力な武器である

 

「そんな強力なブツを、こんな所で使っていいのか!?」

俺はパルスキャノンの威力を嫌となるまで見て来た

実際これで船を何隻も潰した

「だいじょーぶ、あくまでパルスキャノンみたいな物だから、100%同じじゃない。使い方だけさ、なーに、君なら上手く使いこなせるさ」

シンジの得意の笑顔が炸裂する

やれやれ、こいつはいつもこーだ

このサイバー界がどうかなったらどうする気だ、このガキは

「さ、もうすぐ目的のポイントだから通信切るね?」

「ああ、わかった」

俺が言葉を発すると同時にいままで一般道の電子回路(リンク)であったが、広い空間に出た

おそらくどこぞのサイトらしい

ここはどうやらショッピングエリアらしく結構華やかである

だがそれは数時間前の話である、今はウイルスが大量にいて、所々黒く塗りつぶされている箇所がある、それはウイルスの塊、いわば巣である

それを破壊しない限り具現化しているウイルスは消滅しない

最も、ウィルスを束ねているマザーウイルスをつぶせば、この全てのエリアに散らばっているウイルスを一掃できるのだが、ここにはいないらしい

具現化されているウイルスは人型か球体形のどちらかである、人型の奴は強力なタイプが殆どである、最も、コンピュータウイルスが人型になったのは人がサイバー内を行き来できるようになってかであり、25年前までは形すらしてないんじゃないかっていう話もある

それより今は獲物を見つけ喰らい付こうとしている人型ウイルスが100匹ぐらい、一斉に飛び掛ってきている

・・・・・元々どちらも浮いているのだが

とりあえず俺は対ウイルスバズーカキャノンを構え、撃った

それはすさまじい轟音と閃光であった

・・・・・・・・・

凄いな、これは

一瞬で100は存在したウィルスの大群を一掃しちまった

あとは両サイドにのこったウイルスを一掃してついでに壁に張り付いている黒い部分を掃除して任務完了だ

・・・・・・・・

これ、壁とかにやって大丈夫なのか?

壁壊れないのか?・・・・・・・大丈夫だな・・・・・・・よし、これでこのエリアは掃除完了・・・っと

「もしもし?生きてる?」

うぉ、こいつ終わったと同時に出てきやがった、しかも半分笑顔だ、ま、半分笑顔はいつもの事だが

「うわっ、もう終わってる。すごいな、やっぱ僕が作った武器は最強だなぁ〜〜・・・」

こいつ、自画自賛してやがる。ったくいつもこうだ、このガキは

「・・・で、なんのようだ?本来ならこっちから通信する手はずだろ・・?何かあったか?」

するとシンジは急に顔を変えた

いつも俺に仕事内容を教える、真面目な顔である

「実は、君に過去に行ってもらいたい」

「・・・・過去だと?」

なんでまた

「驚くのも無理はない」

いや、別に驚いてるわけじゃない

俺が不信になってのはなぜ過去に行かねばならないのかという事である

また危ない仕事か?

「これは日本政府、いや、地球連邦政府からの依頼だ」

地球連邦政府・・だと?

「・・・・・政府から?軍ではなく?」

「ああ、軍じゃない、政府さ」

「・・・・一旦そっちに戻る・・」

「そうしてくれ」

シンジはそういうと通信を切った

 

これはただ事じゃない

軍とかならまだマシだ

軍やどこぞの国家だったらどうせ「試作品のテスト」だとか「敵地への強行偵察」や「敵の首都にスパイとして潜入」とか「基地の偵察、および爆破」などの軍事的な事である

だが地球政府は違う

たしかに俺はこの地球を代表する傭兵かも知れない

だが地球政府に頭下げられて頼まれる事はした覚えがない

地球政府はそんだけ馬鹿ではない、馬鹿であるはずがない

俺にしかできない仕事なのか・・・?

 

俺は元来た道を行き、元きたゲートを潜った

 

見慣れた部屋、機械など色々な物があり、そしてなにより、このなんとも言えない空気の匂い、そしてベットのなんとも言えない感触

俺は帰ってきたのだ、サイバー内から。この現実世界へ

そう思っているとシンジが真面目な顔で俺を見ているのに気が付く

「おかえり」

シンジがドアの近くに立って、そうねぎらいの言葉をいった

「ただいま」

俺はそのねぎらいの言葉に答えた

それにしてもサイバーダイブから帰る時のあの感覚がなんとも言えん、ていうか上手く言語化できない、これは俺のようなアンドロイドじゃなくても言えないだろう

「で、さっきの話だが」

俺は首の後ろに刺さってるサイバーダイブに必要なコードをひっこ脱いだ

「ああ、本当だ」

シンジが真面目な顔でコーヒーを持ちながら話している

「たったさっき日本政府から通達があった、まぁ詳しく言うと地球連邦から日本政府に、そして僕に伝わったんだけどね」

「で、内容は?何故過去に行かねばいけないのか」

俺はコードをひっこ脱いだ部分が少し痛いので手で揉みながらベットから起き上がった

野上 有野(のうえ ゆうの)という人物を知っているかい?」

シンジはコーヒーすすりながら言った

「・・・・・・・知ってるのも何も、お前の爺さんじゃなねぇか・・・・・・」

「そう、僕のお爺ちゃんだ」

いきなり何いうんだ、こいつは

「その方がどうしたって?」

「少年時代のお爺ちゃんが過激派団体に狙われているらしい」

「よくある事だろう?」

ほんとに良くあることだ

時間移動が可能になったこのご時代、歴史的偉人の暗殺なぞ不思議ではない

「と、いうかそれこそ時空警察にまかせろよ、そういう事は」

「僕もそう思った、だけど状況はそれほど良くはないらしい」

「?」

どういう事だ?

「狙われているのは2003年の11歳のお爺ちゃんだ、君も知っての通り、その頃お爺ちゃんはすでに有り余る実力を持て余し、あの時代に呆れ返っている、当然性格も悪い、このままでは僕達が住んでいるこの時代の歴史ではなくなる。という結論が時空調査団によって出された」

「・・・・・つまり、お前の爺さんは頭は良いが性格が最悪だから修正しろ・・・ってか?」

冗談だろ・・?

「そう、その通り」

「勘弁してくれ、俺はそういうのは課じゃないんだ」

ほんと冗談じゃない、俺は傭兵であって子供のお守りではない。ましては教育係でもない

しかし、シンジは複雑な表情で続けた

「でも、お爺ちゃんの孫である僕達がやらないといけない、それに、理由はもう一つある」

「なんだ?」

「あの時代、記録されていない事態が発生している」

 

その言葉で、俺の頭の中にある思考回路がどうにかなった

まず、この時代で、過去に記録されていない事態が起こる訳がない

そうなる前に全て時空警察がどうにかしてくれる

つまり、『過去で記録されていない事態』は別の時代、つまり未来からの干渉だと言う事である

だが、その未来の干渉は絶対にありえない

だとすれば、答えは一つ、それはその時代が『暴走』している

『暴走』 それは突然異変と同類である、過去が突然異変している、考えられない事である

 

「僕が言いたい事、解る?」

そんな複雑な顔で俺にふるな

「・・・・・それは、つまり、お前の爺さんは・・・・・未来からの干渉、および性格の修正、そして時代の暴走を・・・・余儀なくされているのか?」

俺はどうにかなった思考回路を整理しつつ、言葉を発した

「そう言う事」

お得意の笑顔が炸裂

「・・・で、だから政府は強くて信頼性が高く、一番本人が信じてくれる俺達に依頼をした・・」

「そう言う事」

「・・・・・今行くのか・・?」

「うん、時代の暴走は、ほおってはいけない」

シンジはにこやかに、しかし、目は真面目であった

「あ、まって、性格を変えた方が良いかも」

しかし、この一言で台無しになった

・・・こいつは何を言っているんだ?

「何故性格を変えねばならんのだ?」

理解しかねる、別にこのままでもいいではないか

「ちっちっち」

いや、そんな舌打ち連発して蔓延(まんえん)な笑味で指振られても困るんだが

「ドラーク、君、猫型ロボって事忘れてないかい?」

「確かに俺は市販用の対人交流用猫型二足歩行型アンドロイド『IKN(イコン)02型』だが・・・」

最も、戦闘プログラムを叩き込まれ、多様化されていたが

「IKN02型・・・それまで市販アンドロイドは性格システムの変更は容易ではなかった・・・だが02は違っていた」

こいつ・・・メガネを光らせいかにもって雰囲気だしてやがる・・またはじまりやがった・・・シンジの語り病が・・・

「02型は!性格をあらかじめ何通りも作る事ができ、それを多種多用に自分で変更できる機種なのだ!」

「・・・とまぁそんな感じなアンドロイドなんだよ、君は」

シンジは興奮しがちに言った

「言われんでも解ってる、というかIKNシリーズはあんたが開発、提案したんだろうが、俺が言いたいのは何故その性格変更をしなくてはいかんのだ」

「まだ解らないのかい?好印象を与えるためさ」

「・・・」

なるほど、そういう事か

いや、待て

「待て、それなら別に性格を変えなくてもいいんじゃないか?」

「君さぁ、相手が健全な小学児童に、いきなりかっこよさげなしぶめな兄さんが「未来からきた」なんていったら信じるかい?――あの時代は少なくとも信じない」

さらにシンジは口を動かす

「でもそれがやさしく接すれば信じるさ」

なんか違うような・・だが2003年あたりのデータも少ないし、反論もできない

「・・・了解した」

やれやれ、あれをするのにも結構面倒なんだよな・・・・

「よし、ほんじゃ僕はイロイロ支度するから、完了したら呼んでね〜」

そう言うとシンジは奥へ行った、おそらく自分の部屋か武器倉庫か

 

「さて・・・」

俺もやるかな、性格変更を・・・

 


 

時と場所を変え、2003年

 

 

「きりーつ。きょうつけー。れー」

やる気のない日直が立たせて、しっかりさせ、礼をさせる

「さよーならー」

ふぅ、やっと学校が終わった

「おい、ユウノ、今日のテストどうだった?」

 

不意に、声をかけられた

 

ユウキ――それは僕の名前、そう、僕は野上有野(のうえ ゆうの)だ

 

そして声を掛けて来たのは、よく見る二人組みである

「・・・肥満体型に変な髪か」

見たまんまの事を言った

二人は激怒した

肥満型は郷田 武雄(ごうだ たけお)クラスで一番の巨人ファンで、ジャイアンと呼ばれている

変な髪は堀川 隆(ほりかわ りゅう)父親はある金持ちの企業の社長で、勝ち組である

それにしても、こいつらはいつも怒る、これだから最近のキレる子供は困る

だがいちよう、聞かれた事は教えよう

 

「0点だけど?」

こいつらの事だから証拠も必要か、渡しておこう

「0点?ハハッだせぇ〜・・って白紙!?」

変な髪が言う

「まぁ寝てたからね」

寝てれば白紙である

「じゃあ起きてたらどうなってるんだよ」

肥満体型が聞く

「さぁ?テストの時は寝てるからね」

というかテストは寝る時間だろう

「お前って・・ホントバカなんだな・・・」

肥満体型が言う、これは聞き捨てられない

「じゃあ、今ここでそれをやってあげようか?」

「今やったって意味ねぇじゃん」

「証明をするのに早いも遅いもないよ、証明があればいいんだから」

「コイツッ!!」

肥満体型が僕の襟を掴んだ、明らかに逆切れである

 

「やめなさいよッ!あんた達!」

そう言ったのはハルナだった

ハルナは本名 源 春名(みなもと はるな)。僕の後ろの席がポジションで、今は帰る支度をしていた、が、僕がカツアゲの状態なのを見て立ち上がった

ハルナは気が強く、このクラスで一番、男子も女子も含め、最も気が強いんじゃないかって言われる存在である

そんなハルナの怒鳴り声は当然、半端なく、クラス中がなんだ?と、こちらを見る

幸いにも先生はいない、終礼が終るとすぐに出て行ってしまったのだ

「もう、やめよう、な?」

変な髪があせりながら止めに入る

何が「もう、やめよう、な?」だ、いつも取り巻きの癖に

まぁさすがに襟を掴んだ時は焦ってた様だったが

「・・・チッ」

そういうと肥満体型は舌打ちして鞄を持って教室を出てった

取り巻きの変な髪も後に続く

「大丈夫?」

ハルナが聞く

「金はとやれちゃいない」

そういうと僕はテストを鞄の中へと入れた

「・・・・少しはありがとう、ぐらい言いなさいよ」

ハルナは僕の対応に少々イラついたように言った

「じゃあ、私帰るから」

そういうと鞄を持って教室を出てった

もう教室は何事もなかったように帰りの支度やらで賑わっていた

さて、僕も帰ろう

そう考えると僕は机の横にある鞄を手にとり、背中に担ぎ、教室を出た

家に帰っていつものように大手掲示板を少し見た後にゲームのプログラムでも作るかな

 

 

所変わりここは時空航路

 

この空間は時間移動時に発生する空間である

その空間に一つの乗り物、タイムマシンがあった

「それにしても、政府も奮発するねぇ〜」

中に乗っていたのはシンジであった

身形は家とは違い、現代の外行きの服装で、派手であった

「銃の携帯、緊急時による発砲の許可、爆破物の所得と緊急時による使用許可、特殊迷彩服の使用許可、武器弾薬の収納のための軍事用時空倉庫の使用許可、外部者の交流、挙句の果てには対戦艦用ドールアーマーとその武装の許可まで出すなんてやっぱりただ事じゃないね、これは」

シンジは顔で笑いながらタイムマシンを操作していた

「そうだね」

そういったのは青髪の青年であった

「あっちに行ったら髪の色を黒く染めないといけないね」

シンジはその女性を見て行った

その青年は確かに青髪であった、それ以外を見ればアジア系の青年、それも15〜8ぐらいである

「どうして?」

青髪の青年は不思議そうに言った

 

さっきの青年ではあったが目付き、そして喋り方が違っていた

その違いは別人の域であった

 

「あっちの時代はまだアンドロイドどころか宇宙人すら会ってないからね、青髪はありえないのサ」

「へーそうなんだ」

青年はそう言うと腕を操作パネルに置き、アゴをその腕に乗せた

腕とアゴを乗せても操作に別状がないのか、シンジはその行為に何も動作をしなかった

「それにしても、自分で言うのもなんだけど、かなり性格変わるねぇ・・・」

「そりゃそうに決まってるでしょ、だって君がそう作ったんだから」

その青年の言葉にシンジは笑顔で首をかすかに縦に振った

「さて、もう着いたよ」

そういうとタイムマシンは止まった

「それにしても最新の奴はすごいね、なんか宇宙船みたいだし」

「宇宙船というか戦闘機じゃないの?」

「ま、それもあるかも知れない、さ、行こう」

シンジはしっかりエンジン等が正常に停止しているのを確認すると席を立ち上がり、唯一の出口へと向かった

青年もその後に続く

 

 

 

所代わり、住宅街

 

代わり映えのしない、いつもの家へと続く道路

ユウノが歩いてるのはそんな道である

ただ家が建ちならび、ただブロック塀がキチッと並んでいる舗装された道路である

ありふれた光景

ありふれた暇な日常

しばらく歩くと、自分の家がある、無論、中へ入る

「ただいま」

中に入ってそう言い玄関で靴を脱ぎ、それをしっかり並べる

そして廊下を少し歩き、自分の部屋へと続く階段へ向かう

途中、ママがいた

ママは外行きの服装をしていた

「おかえり、ユウキ、ちょっと買い物行ってくるわね」

「うん」

そういうとママは玄関、僕は二階の自分の部屋へ向かった

階段を上ると左側に僕の部屋、右側に誰も使われていない部屋がある

下で扉の開け閉めの音が聞こえる、どうやらママは行ったようだ

さて、早いとこパソコンで大手掲示板をみるのとプログラムでも作りますか

 

そう思い、僕は扉を開けた

 

そこは自分の部屋だった

当然である、ここは僕の部屋である

なのに、僕と似た高校生並みの人と、これまた高校生並み、いやそれよりも背が高い青年がいた、それもその青年は青髪である

青髪の人はどうだっていい、それより僕似の高校生が僕のノートパソコンを勝手にいじってるのはどういうことだろうか?

新手の泥棒だろうか?

いやそんなことはどうだっていい

まずどうやって入った?ママが入れたのであろうか?

それはない、それならそうといってくれる筈だ

それなら目の前にいるこの二人はどうなる?解らない

とにかく事情と誰なのかを聞くのが先決だ

 

「誰?」

僕は表情を変えないで言った

「どーも、未来の孫です」

未来の孫?

僕は結婚するのか?誰と?いや、その前に僕は結婚できるのか?だとしたら奇跡だ、僕と気がある人なんかいないと思っているのに

「なんでパソコンいじってんの?」

とりあえずこれだけは聞きたい、事の起こり次第で信じるか疑うかを決めよう

「いや、なに、君がくるのを待っていたんだ」

「僕を?」

人違いだったらどーするんだろう?

「そう、君、野上 有野でしょ?」

なんで僕の名前を?

「違う、僕は永井 輝彦だよ」

とりあえず偽名を使おう

「隠したって無駄さ、僕にはわかるさ、だって孫だもん」

孫だからって全てわかるわけじゃないだろう

「とりあえず、パソコンいじるのやめてくれる?」

「ん?いーじゃん、少しぐらい、それにしても、お爺ちゃんすごいねぇ、その年でこれだけのプログラム作るんだもん、大した物だよ」

そこで褒められても困る

「・・・で、孫が何しに来たの?」

「いやね、君を守りに」

僕を守りに?さっきからずっとパソコンを見つめたままなのに?説得力がないな

「ねぇ、ちょっといいかな?」

すると今までずっと無言だった青髪の青年が急に会話に参加した

「何んだい?」

高校生が答える

 

「なんか僕がいなくていいんじゃないかって思ったんだけどさ」

まて、それはどういう意味だ

「まぁ・・そうだね、ある程度話が着いたら出てきてよ、それとその性格、しなくてもいいと思う」

「・・君が言ったんじゃんか・・・この性格が良いって」

青髪の青年は、見た感じ人の良さそうで、悪く言えば天然が入ってそうな感じであった

べつに悪くはないけど・・・ってその性格しなくていいって!?どういう事!?

「まぁ、別にいいけど、話がついたら呼んでね」

そういうと青い人は僕の机の引き出しをガラッと開けた

中は底なしだった

どういう事だ?今朝まではただの引き出しで、中身はなかったはずだが

いや、正式にいうともう何年もあけていない引き出しではあるが

そうこうしていると女の人はその底なしの引き出しの中に落ちるように入っていった

「驚かしてすまない」

高校生が言う、僕のノートパソコンをいじりながら

さっきからマウスやキーボードでカタカタとしているがいったい何をしているんだろう?

さっきの会話から僕のプログラムを見ているらしいが

「そういえば、まだどこの時代から来たかまだ言って無かったね?」

そういえば未来から来たということしか聞かされていない

「僕達は110年後から来たんだ、名前は野上 信二(のうえ しんじ)。ちょっとしたプログラマーさ」

 

「・・・・110年後でも日本は存在しているんだ」

少し、間を付けて、最初に出たのがこの言葉だった

いや、正直、こういう場合どうしていいかわからない

まぁ110年後でも日本は健在という事は少しうれしいが

「うん、もうF資源が見つかってこの方、もうバリバリでさ」

高校生はバリバリな笑顔で言った

F資源?なんだろう?

「あ、F資源ってのはもう二年ぐらいしたら見つかる筈の、世界が待ってた核に継ぐ新資源の名前、ぶっちゃけこれのおかげで僕たちの時代があるってトコかな?」

なんかスゴイ資源って事は分かった

ちなみに高校生は今は話しに夢中でパソコンを(さっきからだが)ひざの上においている、ていうか僕のベットの上で胡坐かいているんだが

「・・で、君が未来から来たのは分かった」

わかんない問題は二つほどある

「何しに来たの?」

「さっきも言ったが、君を守りに来た」

「何から?」

「歴史を変えてしまおうという過激派テロ集団や未来の記録からは出てこなかった正体不明な宇宙人か何かの魔の手から」

「君が?」

「いや、僕じゃない、守るのはさっき机の引き出しに入っていった青髪の人さ、彼はアンドロイド、いや、ロボットといったほうがいいかな?人間に近いけどね」

二つ目の問題も解けた、あの青髪の人は?って聞こうとしてたから

「じゃあ呼んで良い?」

高校生が言う

「誰を?」

「さっき青髪の」

「いいよ」

僕は許す

「そうか、よし」

すると高校生、本人いわくシンジがスクッと立ち上がった

「おーい、出番だぞぉー」

そういいながら机の引き出しを開き、そう言った

 

・・・・・今の内に外の空気でも吸うかな・・・・

 

そう思う僕はあの青い人のロボットを呼んでいるシンジを横目にしながら、窓に近づき窓を開けた

 

・・・・・・・

 

良い天気だ

今までカーテンしてたから感動もヒトシオだ

 


 

ふと、目線を下に向ける

 

・・・・・・・なんか不審者がいる・・・・・・?

その不審者の格好は明らかに変であった

6月なのに黒いコート、毛皮ではない

そして黒いサングラス

とりあえずこの6月に黒尽くめな人

 

・・・・怪しい・・・・

どうやらあちらもこちらに気づいたらしい、目線があった

なんか懐をいじっている、何かを取り出すようだ

・・・・・え・・・?ちょっ・・・・なんか、銃出してる!!??しかもハンドガン

もしかして、もうシンジとかいう高校生の孫がいう「歴史を変えようとする過激派テロ集団」の魔の手が!?

マジで・・・?その話自体はまぁ信じなくもないがどこか信じる要素不足っていうかだった

つーか100歩ゆずって信じる、だがこれは早いだろう、早すぎるだろう

映画でもこんな展開はないだろう

とにかくッ早くシンジとかいう孫に知らせないとじゃ!?

そして僕はこういう考えを一瞬で済ませ、首を引っ込め、後ろを振り向く

 

「いない・・・・」

さっきまでいたシンジとかいう孫がいない・・・・

「まさか夢・・・?」

おもわず声に出してしまう

なぜかもう一度窓から顔を出してみる

なんかさっきの黒い不審者が家の玄関の方に走ってきてる、中に入る気だ

 

どうする・・?この場合・・?

@あきらめる

A覚悟を決めてとりあえず下に行く

B机の引き出しはあきっぱなしなので覚悟を決めてダイブ

Cどんなに考えてもムダなのでパソコンでもしようか

D俺は人間をやめるぞぉ

 

・・・・・・Bに決定、即行動開始ッ

そうこうしているとなんかガタゴッって下から聞こえるんだが

今のでドアが破壊されたらしい

いそいで引き出しの中へッ・・・・

窓際から引き出しからおおよそ7歩ッ・・・・間に合えッ・・・・

物が散乱しているが高速移動に支障はきたさない・・・よし、ついた!

さぁ早く中へ!なんか階段からすごい速さで上る効果音が!

 

よし行くぞ!

 

僕は引き出しを見て覚悟を決めた、だが足をかけようとした時

 

ガタゴッ!

 

っと、ドアが破壊された

僕の部屋のドアが

 

黒い不審者と目が合う

 

黒い不審者が銃を構える

 

 

 

死んだな、僕

 

 

 

 

 

銃口のうなり声、つまり銃音が聞こえる

僕は目をつぶった

 

 

 

 

 

「やれやれ・・・」

 

鋭い、金属がはじかれる音が聞こえたと思ったら、やれやれという男の声が聞こえた

「まさか、こんなに早くくるとは・・・・」

僕は目を開けた

「計算外だったな・・・」

そこにはさっきの青髪の青年、の後ろ姿があった

 

「まぁでも間に合ったから良かった良かった」

シンジも引き出しから身を乗り出しながら言っている

その手には変わったタイプの銃をもっていた、おそらく未来の銃であろう

 

「そういうこった」

青年はなぜか刀を持っていた

そう言っても古刀ではなく、科学の力でつくったような形のカタナであった

つまり、変な形なカタナである

それにしても、この人、さっきまでの性格と大分違う・・・?

 

「・・・・・対人交流用猫型二足歩行型アンドロイド『IKN02型』ニ『ナガモト シンジ』ダト・・・・!?マサカコノIKN02型ハ!」

黒い不審者が喋った

 

なんかカタゴトでよくわからないがなんか対人交流用猫型二足歩行型アンドロイドって聞こえたような

多分ぼくをかばったこの青年のコトだと思うけど・・・ネコなの?耳ないよ?この人?

さっきの青髪の人といい・・何がどうなっているんだ・・・?

 

「『伝説ノ傭兵』ドラークカッ!?」

この人の名前らしい、しかも傭兵らしい

「ああ、そうさ、俺はドラークさ」

自分も認めているらしい

「さて、おしゃべりはそこまでだ」

そういうとドラークは刀を構えた

「クッ・・・作戦ハシッパイカ・・・!」

あせる黒い不審者

「くたばりなっ!」

ドラークは黒い不審者に切りかかった

黒い不審者は真っ二つになっていた

なんかはやくてよく見えなかったがとにかく真っ二つになってた

 

「さて・・・」

シンジがいう

「僕帰るから」

ちょっと待て、それはないだろう

「ああ、後はまかせろ」

ドラークとかいう人もそう言う

「ちょっと待って欲しいんだけど・・・」

「ごめん、もう時間なんだ」

高校生はニヤつきながら、残念だなぁ〜とボヤキながら言った

「時間?」

なんの時間だ、未来の人は過去に余り干渉できないルールなのか?

「未来の人は過去に余り干渉できないルールなんだ、じゃあ、あとはそこのドラークに聞いてね」

そう笑顔を残すとシンジは引き出しの中に入って行った

 

部屋はドアは破壊され、廊下にはさっきの黒い不審者の残骸があり、そして部屋の中には僕と青髪の青年(傭兵)ドラークとかいうのと二人っきりである

 

「さて」

ドラークという傭兵ロボットが言う

「何が聞きたい?」

 

もう頭の中がどうかなってしまいそうだ

こんな調子で、僕の平和で暇でどうしようもない日常は音を立てて崩れ去った

『もう二度と今までのような生活は送れない』

この時、この言葉を心で叫んだ


第二話

「で・・・?」

 

あれから数十分後

 

ちらかった部屋や家を直し、やっと一息付く事ができた

 

そして、僕の部屋で、謎の来客者の話を聞く事にした

 

「君の名前は?」

僕は自分の部屋で椅子に座りながら、立っている謎の来客者に尋ねた

「俺は、ドラーク。種はドロイド、いやここではロボットと言ったほうがいいか、で、職業は傭兵、簡単に言うと何でも屋だ」

謎の来客者いわくドラークはなんの遠慮もなしにスラスラと答えた

「ふぅん・・・2113年から来たの?」

僕はへー、と思いながら聞き流した

「ああ、だが俺は製造されたのは2108年、つまり5年前に作られた、対人交流用猫型二足歩行型アンドロイド『IKN(イコン)02型』だ」

そいつはまた長い名前の呼び方だな・・・

「ちなみに、一般ではネコ型と呼ばれる分類のロボであり、俺はその「イコン」という機種だ」

「・・・つまり、PCでいうと君は「イコン」っていう機種なんだね?」

「そうだ」

ドラークはうなずく

「・・・で、さっきのおとなしげな人は?・・・弟?」

ずっと気になっていたがさっきいたおとなしげな人は一体誰なんだろうか?

「ああ、さっきのは俺だ」

「?」

?、何を言っているんだ?

さっきの人は、たしかに大人しかった、いくらなんでも、性格が違いすぎる

しかし、ドラークはさっきのは自分だという、これは一体どういうことだろうか?

「俺の機種は特殊な類でな、少し厄介な機能がある。多重人格システムだ」

 

そ れ は ひ ょ っ と し て ギ ャ グ で 

 

ハッ、僕は何を思ったんだ

僕はあふれんばかりの疑問を押さえ、彼の話に耳を傾ける

 

「信じられない、って顔だな・・・やるか」

そういうと彼は(元からあぐらをしていた)下をうつむき、なにやら真剣に考え事をしているようだった

そうおもったら急に顔を上げた

「やあ、性格変わったでしょ?」

 

あ、ありのままの事を言うっ・・・・!

 

渋めなイケメンだと思っていたら、急に目付きも声も子供っぽくなった・・・・!!

コイツ・・・天然キャラとかキレるとキャラ変わるとか、そんなチャチャなもんじゃ断じてない・・・・!!

なんかとてつもない片鱗を味わった・・・・!!

 

某漫画キャラの言葉を使えばこんな感じである

 

「・・・なんか凄いね」

かろうじて言葉を出す

「そうでしょ?でも本当はこのシステムは姓変換システムで女になるハズだったんだけど「やっぱギャプが激しすぎる」っていう要望があったら仕方なくこういうシステムに変更しざるを得なくなったんだよ」

 

・・・・何開発事情言ってんだ・・・?

 

「ところで、君の友達を紹介してくれないかな?それにこの街を案内もして欲しい」

 

・・・・こいつ・・・・・

 

「・・・・・」

 

僕には、友達と呼べる存在なんて一人もいやしない

 

「・・・友達、いないんでしょ?」

 

「・・・!」

 

・・・・このッ・・・・狸がッッ・・・・!!!

 

「図星・・・だよね。うん、隠さないでいいよ、全部知ってるから」

「なら聞くなッッッ!!!」

 

僕は怒鳴った

腹の底から

 

「・・・すまん、だがどうしても言わなくてはいけない事がある」

 

・・・性格変わった・・・

 

「お前の学校、いやクラスに源春名って子がいるだろ?・・・・・お前はそいつと将来結婚する運命だ」

 

 

僕の全ての感情、および思考が止まった

 

 

 

「そのハルナって気が強くて、僕のクラスで最も気が強いんじゃないかって言われる存在で、僕の席の後ろにいるあの源春名の事?」

 

「ああ、その春名だ」